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自分の顔でやる気アップ? 〜 アイデンティティへの意識集中がモチベーションに及ぼす影響を探る RCTs

青山学院大学 経営学部 服部ゼミナール 4年生:
奥浦 花音・須川 芽音・塚本 梨菜・得丸 莉奈子・古川 宗城

概要

自分の名前を誰かに呼ばれたり、鏡に映る自分の顔をみたりと、人は普段の生活の中で度々「アイデンティティ」を意識する機会を持ちます。そのような「アイデンティティ」を意識することは、私たちにどのような心理的影響をもたらすでしょうか。この研究は、自己への意識集中が、やる気やモチベーションに及ぼす影響について、サーベイ実験とラボ実験を用いて検証しました。

サーベイ実験では、大学生150名を無作為に「自己の氏名に意識を集中させる」介入の有無が異なる群に割り付け、その後に様々な状況におけるモチベーションの程度を聞き取りし比較しました。ラボ実験では、大学生62名を無作為に「鏡に映る自身の顔を眺める」介入の有無が異なる群に割り付け、その後に様々な状況におけるモチベーションや、簡単な「ことばさがしタスク」の結果を比較しました。

2つの実験結果から、自己への意識集中は、ポジティブさやタスクの達成感を高めることが明らかになりました。また、これらの効果には、性別や性格的特徴が重要な役割を果たすことが明らかになりました。具体的には、自己への意識集中は、①心配性傾向の高い人、および②外向性傾向の高い男性において、タスクの成績を有意に高めることが明らかになりました。これらの結果は、モチベーションを高めるための環境づくりなどに重要な知見を提供するものと考えられます。

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