新生銀行の公的資金返済:SBIと村上ファンド
私の周りで、下記のニュースが話題になりました。
SBI新生銀株で「村上ファンド」は1100億円稼ぐ? 上場廃止前に株を買い増し、まさかの大量保有 | 金融業界 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)
SBI新生銀行株、旧村上ファンド系が9.75%保有 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
これまで「ファイナンス」で我が国が有する公的資金のスキームや、実際に注入されて返済した事例(りそなと足銀)については記載していたものの(例えば下記を参照)、新生銀行はまだ返済しきっていないということから記載をしていませんでした。公的資金の返済をするためには株価が上がる必要があり、長年それが実現されなかったところ、最終的にTOBという形を模索していました。
りそな銀行の社史と公的資金返済|服部孝洋(東京大学) (note.com)
私がりそな銀行や足銀の事例を記載していた際は、りそな銀行と足銀のみを紹介すると、公的資金注入がうまくいった事例だけでアンバランスだとはおもっており、足銀のケースを取り上げた最後に、下記のように締めていました。
最近の動きとしては、2023 年に新生銀行はSBIHDによるTOB(株式公開買い付け)により上場廃止となり、その後、公的資金の返済を目指すとの報道が出ています。その意味で、公的資金の返済が長年にわっても終わらない事例が存在することにも留意してください。本稿では長銀と日債銀の事例は取り上げませんでしたが、新生銀による返済 が終わったタイミングで筆者が整理しようと考えてい ます。
財務省「ファイナンス」:預金保険法102条第三号措置(一時国有化)について―足利銀行の事例―|服部孝洋(東京大学) (note.com)
これを記載したときはSBIがTOBして公的資金を返済すると考え、それが終わってからどこかで記載しようと思っていたのですが、最後にこんなこんな展開になるとは夢にも思いませんでした。公的資金返済は一筋縄ではいかないということでしょうか。そもそも新生銀行は公的資金注入時からファンドにカモにされたという批判も根強かった事例です。
せっかくなのでIBビジネスをやっている知人にもいろいろと意見を聞こうと思います。またアップデイトします。
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