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お正月太り=カーボローディング、だから気にしなくていい(※運動習慣あればね)

お正月太り、という自虐語あふれるお正月。ほかにも美食旅行とかヤバい食べ放題とか、寝て起きたら3kgくらい増えることもあるだろう。

直前の自分に戻りたい!とお嘆きのみなさんへ、100万円相当かもしれないお年玉をお贈りしよう(35万円の減量コースなら2回リバウンドして3回いくことになるから100万相当)。スポーツの栄養補給メソッドである「カーボローディング」と同じことだよ、という話だ。

結論:

数日間の体重増とは、糖と水が一時的に溜まっただけ!
体内に蓄積されたエネルギーをこれから消費し尽くせばOK!
すぐリセットできる!

(カーボローディングと同じ状態なので)

一部で流行ってる、プチ断食=ファスティングも、仕組みは同じ。溜まったエネルギーを消費してゆくわけで。なお断食は、まあ空腹状態を体験してみる意味はなくはないだろうけど、筋肉量減少も気になるし、運動習慣だけで十分な気もする。まあ筋肉は後で戻せればよいのだが、すくなくとも、「体重が何kgか落ちた!」という程度で喜ぶのはほぼ無意味だと思う。

運動習慣があり、1時間くらい動き続けることができる体ができていれば、気にすることはない。気持ちよくおなかいっぱい食べればよい!

要点をもう少し説明しておくと、カーボローディング=Carbohydrate Loading = 炭水化物の積載。エネルギーを大量消費するマラソンとかの試合前に使われてる戦略的食事法だ。大会前の数日(とくに前3日以内)に、ご飯をちょっと多めに食べ続けて、エネルギーを積み増す手法。そのポイントは、

人体は、3日間くらいのサイクルで、糖質系エネルギーを、貯めたり使ったりできる

ということ。だから、

大晦日から正月3日くらいの間、おせち料理の糖質エネルギーを蓄え続けて、その後で消費し尽くせばいい

と考えることができる。

元アイデアは美容指導家の森拓郎さん:

いつもより多く食べたら、いつもより多く使えばいい or 減らし続ければ、差し引きゼロにできる。そのための時間的猶予は数日間ある。簡単だ。

以上、説明終了! 以下は補足説明程度にどうぞー

(森さん『美脚RUN』↑は初心者むけランニング解説本として的確です)

カーボローディングとは

まず前提として、人体は、そんな急に、エネルギーを体内に採り入れることができない。炭水化物なら3日がかりでようやく満タンにできる。

そこでカーボローディングでは、大会前から炭水化物をたくさん食べて、体内に貯蔵される糖質(=グリコーゲン)を増やす。ガチなやつでは1週前くらいから高タンパク低糖質食を始め、糖質吸収力を高めて、反動をつけてから高糖質食(=主に米・パスタなどの炭水化物)に移る。リバウンド効果で大量の糖を吸収できる、と考えてのことだ。ただ最近ではそこまでしなくてもいいことがわかってきて、3日前くらいから糖質摂取量を少し増やすくらいが主流。

グリコーゲンとして貯蔵可能なのは、一般に、体重60kgくらいだとざっくり400g=1600Kcalくらい。糖は3−4倍の水と結びつくので、合わせて2kgくらいになる計算だ。

ようするに、糖を溶かしたジュースが数日間、体内でたっぷんたっぷんしてる感じ。数日間限定の水太り状態となる。

整理すると、

・アスリート: 糖と水を積み増す「カーボローディング」をしてから、大会で消費し尽くす
・お正月太り: 消費せずに、体脂肪として定着させる
・断食: この仕組みを逆回転させて、エネルギー蓄積をせずに、体内の糖(と水)を消費し尽くす

いわば断食(ファスティング)とは、同じ人体システムを、どちらから先に回すか?という違いだ。

お正月太りとは

TVで箱根駅伝みながら家でゴロゴロしながら、お餅とか普段食べない美味しいものが幾つも手元にあって、カロリーオーバーしないほうがおかしい。餅の糖質と、煮込んだ醤油の大量の塩分と、マラソン前のカーボローディング状態を忠実に実行した結果が、正月太りなのである。

ただ、糖と一緒に脂肪もとっていると体脂肪として合成されてしまい、少々時間がかかる。。

画像1

(画像牛肉は2019=平成最後のお正月、母方実家の親戚大集合会より)

対策

カーボローディングであるのなら、マラソン1本も走っとけば即解消するはずだ。まあ42kmも走って疲弊する必要はなくて、現実、1時間も走れば(あるいはヘトヘトな筋トレや、糖質1日100g以内くらいの低糖質生活を数日続ければ)、体内の余剰エネルギーはリセットできる。増量後数日以内であれば。理論上は。。

まあ今の日本で伝統的おせち料理だけってことは少なそうで、脂肪も積んでるだろうけど、これくらいのことをすれば脂肪も一緒に燃える。トータルでそう難しくはないはず。

応用1:プチ断食

貯蔵グリコーゲンが1,600Kcalだとして、18時間とかプチ断食しながら普通に生活していれば、使い切ることができる。

この手は、夜にごちそうを食べ過ぎた翌日に使える。前夜のエネルギーが大量に蓄えられているので、朝昼くらい抜いても普通に動ける。僕も、朝コーヒーと少しだけのカロリー、昼お茶と少しだけのカロリー、さらに自転車移動1−2時間、とかよくやっている。

運動習慣ある人なら(ない人がこれ読んでないと思うけども)、朝食前のトレーニングがこれにあたる。なお僕はゼロカロリーで動く能力がなくて少量の牛乳程度の追加を必要とする。

応用2:断食道場

40代くらいになると、断食道場で一気の効果を狙う知人が複数出てくる。特に普段多忙な人に目立つかな。「体重○kg減った!」と喜びのコメントが数日続くのだけど、必ずしも、効果は続かない。

「逆カーボローディング」とみれば明快で、糖質をフラッシュアウトするだけで2−3kgは簡単に減らせる。もちろん即戻る。こういうのはリバウンドとはいわない。吐いた息を吸い直すようなものだ。このとき、体脂肪率がどうなるかは、直前の身体の状態次第で、減ることも増えることもある。

断食=ファスティングの効果は、短期的な指標で評価してはいけないのだ。

脂質代謝力が上がる、感覚が鋭くなる、等々の効果があるようで、これらは中長期で効かせてゆくべきもの。終了後の生活習慣次第だ。そのきっかけとして合宿を使うのは良いこと。そこから逃げるために合宿いくのはほぼ無駄な気がする。

エネルギー欠乏状態の健康効果

2021年1月追記:この1−2年くらいに見た最新医学研究では、一時的なエネルギー欠乏状態は、身体にいろいろな効果があるようだ。

2020年1月ブログ『トレーニング直後には 補 給 し な い 〜 世界最新、長距離競技の栄養のヒント6つ』では、成長系ホルモンを刺激することによる長距離パフォーマンス向上効果について書いた ↓

ファスティング系の減量法が流行るのは、単なる減量目的ではない。

あくまでも一時的な状態であり、長く続くと"Low Energy Availability" 問題が起きるのでダメ。

なお、長時間トレーニングには同じような効果があるだろうと僕は予想していて、2−3時間くらいでも水だけで動き続ける、ということをたまにすればOK、と僕自身については決めている。

結論

数日間の体重増とは、糖と水が一時的に溜まっただけ。一喜一憂不要、すぐにリセットできます。体内に蓄積されたエネルギーをこれから消費し尽くせばOK!

ちなみに日本人が一番太る時期は5月GWだそうだ。法定休日としてはお正月よりも長期間になるのが大きな原因ではないだろうか? 通勤で移動し、仕事し続けるのは基礎的なエネルギーを使う。お正月のほうが早く仕事復帰するから、エネルギー黒字(=太る)期間が短く、戻しやすい。GWでは仕事復帰する前に脂肪定着してしまう。

日々の生活での体型維持は、結局、食事と運動と睡眠との総合力による。このうちで運動能力を高めておけば、残りは即実行可能になる。運動しよう!

あとは、アルコールを減らすのも有力手法。アルコール太らない説は、ある程度は、当たってる面もあるけど、現実カロリーは結構ある。感覚を鋭くする効果もあるし。(僕はたまにやります/たまにしかやりません)

結果とは、日常の習慣の延長線上にあるものだ。

・参考・

減量フェーズでは、野菜をたくさん食べれると理想的だけど、現実かんたんでもなく、野菜ジュースでは果糖も多めかと思い(効果があるなら問題ないが)、ミックスナッツで軽くエネルギー補充していくのは1つの基本技だと思う。保存も持ち運びもしやすいし。


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