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取材される側の心構え 4

今回は、取材原稿を事前に取材先に確認してもらうべきか、どうかについて触れたいと思います。

前回、私は、取材してまとめた原稿を取材先にはお見せしないと、書きました。新聞はもちろん、雑誌も、ウェブサイトも例外はありません。それは、メディアの編集担当者からの指示でもあり、記事の場合はお見せするべきではないと私も思います。

もっとも、クライアントが存在する記事広告や掲載料を頂戴している記事の場合は、原稿チェックは当たり前で、訂正が必要であれば、どんな要望にも応えます。

しかし、広告ではない記事でも取材先の中には「事前に原稿を見せて欲しい」とよく言われます。お見せできないとお断りすると、ほとんどの方は理解してくれますが、なかには「他社はチェックできますよ」とか「間違いがあったらどうするんですか」といって納得いただけない方もいます。

以前、外資系のホテルの取材でこんなことがありました。取材の趣旨を話し、理解していただいたうえでアポを取って約束の日時に取材に行きましたが、その場で取材せずに帰ってきたのです。いざ取材、という段になって、
「原稿チェックは必須」「本国の担当者に確認しないといけない」などと言われ、取材を諦めました。それ以来、そのホテルには取材に行っていません。外資系ホテルでも他の企業ではそんな経験がないので、特別かもしませんが、取材の場で話が決裂して帰ったのは、後にも先にもこの時だけです。

もし、事前に原稿をお見せすると、事実誤認などのチェックはできますが、取材された側にとって気に入らない表現があれば、必ず、訂正してほしいといわれます。

取材記事はあくまで、メディアやライターが独自の視点と切り口で取材して得た情報を、事実に忠実に正確、公正に伝えるものです。だから、取材先の意向によって簡単に表現が変えられたり、削除されたり、ということは避けないといけません。

そのため、取材するメディアやライターには、情報を正確に公正に伝えるという義務と責任があります。事実誤認などによる誤報や不適切な表現がないよう、取材や原稿執筆時点できちんと確認しなければなりません。

これまで明らかな間違いを指摘されたことはあまりありませんが、ちょっとした油断や慢心が誤報につながったことがあり、その時は猛省し、肝に銘じました。

最近は、責任を負いたくないからなのか、取材先に事前に原稿を見せて、確認してもらった記事を掲載するメディアも多いと聞きます。

固有名詞や数字などの確認だけならいいのですが、取材先の意向で事実が曲げられたり、表現が変えられたりした時点で、公正性や正確性に欠いた記事になってしまうのではと思います。







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