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AKB48劇場公演



※AKBとの出会いは自分の話なので、興味がなければ飛ばしても問題ありません。

AKB48との出会い


AKB48劇場公演を観劇してきた。

俺にとってのAKB48といえば、何を隠そうデビュー直後から応援していたアイドルグループだった。
「おニャン子クラブを輩出した秋元康が新たなアイドルグループを結成します!」みたいな広告も当時目にしていたし、スターダムにのし上がる前から知っていた。
というよりも、スターの階段を駆け上がっていくAKB48をこの目で見てきた。

とは言いながらも、俺は現場という現場に足を運んだことがなかった
最初に心を奪われたアイドルという存在は、おそらく松浦亜弥だったように思う。
そこからAKBだのNMBだの、アイドリング!!!だの、℃-uteだの、乃木坂だの日向坂だのと様々なアイドルグループを応援してきたのだけれど、その全てがメディアやネット上の応援に終始していた。
つまり俺はお金を一切使わないファンだった。
お金を使うと言えば時折、CDを買ったりライブビューイングに行ったりするくらいなものだった。

どうしてお金を使わなかったのかと言えば、単に優先順位が低かったからだ
アイドルと1分喋るのに数千円、それも1枚で十分なCDを何枚も購入する、みたいなシステムは、さすがに好きでも受け付けなかったというか、別に納得してお金を払っている人たちに対しては何も思わないのだけれど、その金はさすがに自分に使いてえよな、という感情が圧倒的に勝っていた。

現場に対する考え方も似たようなもので、そもそも人混みが苦手なので、あまりライブハウスのような場所を好まない上に、メディアの露出も十分にあったので、それで満足できた。
(デビュー当初は自分も高校生だったので劇場に応援に行くなんて選択肢もあまりなかったのだけれど、AKBがブレイクする前までの間はどうやって応援していたのかあまり記憶がない)

そんなこんなで、ずっと劇場公演とは縁がない人生を送っていたし、時期によって応援しているアイドルが変わったりしながら、一時期ほどの熱はなくなってしまった。
というか、シンプルにちゃんと応援しているアイドルがいなくなってしまった。

だからこそ(?)フラットな気持ちで今、AKB48の原点であるAKB劇場に行きたいと思ったし、自然発生的に足を運ばないからこそ、AKB劇場に行くというのは俺の人生の実績解除リストのひとつでもあったわけなのだった。

そんなわけで、唐突にAKB48劇場に行ってみるかと思い立ち、チケットセンターに登録。
今のAKBのメンバーは半分以上知らないメンバーになってしまったのだけれど、向井地美音や、谷口めぐ、下尾みうといった今の俺でも知っていて、現在進行形でメディアで活躍しているメンバーが多く出演する日がちょうど応募を受け付けていたので、応募したところまんまと当選(ちなみに新規は当選しやすいという噂もあるらしい)。
初めて前田敦子を応援したあの日から、およそ20年近い時を経て俺はAKB48劇場へと足を運ぶことになったのである。

公演が始まるまで

さて、秋葉原についた俺はドン・キホーテの長いエスカレーターをずんずん上に登っていく。
AKB48劇場は秋葉原ドン・キホーテの8Fにある。

18時半開演の公演だと、1時間半くらい前からチケットの販売が始まる。
といってもすでにネットで抽選は終了しているので、受付に当選番号と本人確認書類を見せて、チケットを発行してもらうだけ。
そのチケットに番号が書いてあるので、書いてある番号順に10人組の隊列を組み、開演30分くらい前から劇場ロビーに整列していく。

ちなみにこれは文句なのだけれど、発行されるチケットには家の郵便番号が印刷されてしまう。それがすごく嫌。チケットは入場まで手に持っているものだし、あまり住所が大っぴらに晒されるのは気分が良くないというか、今どき結構ガバガバだなあなんて思ったりした。

さてそんなこんなで並ぶ。いわゆるアイドルオタクだなーというおじさんが大多数を占めていたけれど、俺が応援していた当時「ピンチケ」なんて呼ばれていた(今も呼ばれているのだろうか?)若い男の子もいたし、あーこの子達はいつかAKBに入ったりするのかなあなんて女の子もいたりして、想像していたよりはずっと多種多様な人たちがいたように思う。

ところで、なんで10人1組で整列するのかというと、整理番号1番から入場していくわけじゃなくて、入場前に抽選が行われて「21-30番の列の方入場してくださーい」なんてスタッフの掛け声とともに、ランダムで入場順が決まるからだ。
AKB劇場公演の見やすさと満足度っていうのは、この抽選にかなりかかっている気がする
新規なら特に見やすい席で見れた方がリピート率は上がるだろうけれど、さすがにそこまで新規を優遇するわけにもいかないだろうし、そもそも常連こそ優遇するべきだろという視点もあるし、フェアに抽選する以外ないのだろうな。
などとやや不満げに書いたのは、俺が所属した部隊はほとんど最後も最後の入場だったからである。

最後の最後に入場するとどうなるかというと、立ち見になる
AKB48の劇場公演はアンコールも含めおよそ2時間に及ぶので、正直立ちっぱはしんどい。疲れる。
席数や人数から考えるとおよそ半分から1/3くらいは立ち見になっていると思う。
立ち見の1番前なら下手すると座席に座るより見やすいこともあるのだろうけれど、今回俺は立ち見の二列目だったので、見にくいことこの上なかった。
ちょうど公式が画像を公開していたのでお借りさせていただく。

AKB公式サイトより引用

記憶が正しければ各立ち見エリアは三列構成になっていて、1番右後ろの孤島立ち見ゾーンだけは少し高台になっている。付け加えると右後ろ立ち見ゾーンの最後列にはさらに台が用意されていて、言うなればスーパー巨人モードで公演を観劇できる仕様になっている。
なんでこんな説明をいちいちしたのかと言うと、立ち見で三列目にしか並べなかった女の子や背の低い人なんかは(実際にこの日もいたけれど)、はっきり言って公演を観るに値しない状況になると思う。

劇場の座席図を見てもらえればわかるようにAKB劇場には有名な2本の柱があって、これが公演の観劇を大きく阻んでいる。これは建物の構造上撤去することは絶対にできないらしく、もはやそれを逆手にとってAKB48はファンクラブの名前を「柱の会」なんてつけていたりするのだけれど、本当に最前も最前でなければ、ただでさえ柱で公演の全体を見ることができないのに、立ち見で2時間立ちっぱなしの上、男たちの背中と後頭部しか見れない状況になったら、俺ならもうゲロ吐いて帰ってしまう
ゲロ吐いて帰ってしまうし、また来ようとは思わないのではないかなあ。

親切なオタクが周りにいれば「前の方来ていいよ」なんて声かけしたりすることもあるのだろうし(なんやかんやオタクは優しいイメージもあるので)、あるいは見やすい席にスタッフが誘導したりみたいなこともあるのだろうけれど、あまり露骨に背の低い人や女性を優遇するのもそれはそれで問題になるだろうし、難しいところだ。
俺が入場した時には通常立ち見ゾーンは既に最前列から二列目までぎっしり埋まっていて、右後ろの孤島立ち見ゾーンも最前列とスーパー巨人モードになれる最後列が完全に埋まっており、見にくい二列目しか残っていなかった。
常連になればなるほど、見やすい席というのがわかるので、そこがさっさと埋まってしまうのはもはや世の常ではあるのだが、これもまたなんだかなあという感じだった。
というか、指定席じゃダメなん?
完全ランダムの指定席とかにしたら、運営が操作してる!とか言う人が出てくるんだろうか。まあ出てきそうな気はするよな。出てくる出てくる。

とまあそんなわけで、かなり最悪な席にはなってしまったのだけれど、孤島立ち見の二列目は事実上、1番舞台から遠く、見にくい席であったからか、両サイドがら空きで、めちゃくちゃ優雅に公演を観劇することができた(といってももちろん遠いし見にくかったよ)。

公演始まる

そんなわけで公演がスタート。
この日の公演は「僕の太陽」公演。
なんというかなあ、これが本当に良かったんだなあ。
僕の太陽公演には「僕の太陽」「BINGO」「未来の果実」「夕陽を見ているか?」が含まれていて、これが俺の高校時代にちょうどハマって聴いていた楽曲ドンピシャなんですよ。
あの頃の楽曲を、当時のメンバーではないけれど、AKBメンバーが舞台上で歌って踊っているところを見れたのが本当にエモくてねえ。。。
というか「僕の太陽」公演ってもしかしてガッツリ全盛期なんじゃねえのか?

出演メンバー1stメンバー
秋元才加板野友美大島麻衣大島優子小野恵令奈河西智美小嶋陽菜佐藤夏希篠田麻里子高橋みなみ中西里菜野呂佳代前田敦子増田有華峯岸みなみ宮澤佐江

wikipediaより引用

オールスターじゃん…あの頃のAKBじゃん…

とまあ、そんなわけでね。
当時AKBにアツくなってた自分と重ね合わせながら、舞台で歌い踊る彼女たちを微笑ましくエモい気持ちで楽しませてもらいました。
以前バーレスク東京に行った時、バーレスクを大人版AKBみたいな表現をした。AKB48を観劇してみた上で、それは本当に言い得て妙だったなと思うとともに、AKBが子ども版バーレスクかと問われるとそれは少し違うような気がする。

パッと浮かんだのは部活。部活の発表会を観ている感じだ(これは皮肉とかマイナスな意味を一切含んでいない)。
すっげー歌が上手いわけではない。すっげーダンスが上手いわけでもない。全員が全員すっげー可愛いわけでもない(失礼ながら)。でも一生懸命汗をかきながら笑顔で踊る彼女たちを観ていると、なんだか心地がいいし、応援したくなる。
「会いに行けるアイドル」「一緒に成長するアイドル」というコンセプトは2024年の今も彼女たちに確かに根付いているんだなあと感じることができた。

またアンコールで「BINGO」と「僕の太陽」を歌ったのだけれど、これがまた良かったなあ。俺の青春を彩ってくれた曲でもあるし、普通に曲として、そして公演として、いいんだなこれが。
俺の推しメンはみーおんこと向井地美音ちゃんで、それがこの日の公演に応募した理由のひとつでもあったのだけれど、なんやかんやでほとんどみーおんばかりに目がいってしまった。
しかもね「BINGO」の「HIT!HIT!ど真ん中に命中!」という歌詞の時、弓矢を引いて打つような振り付けがあって、その時みーおんが俺に向かって打ってくれたんだよ。本当なんだよ!信じてくれよ!

…などとオタクあるあるを言いたくなるくらいみーおんはいろんなエリアにレスを送ってて、プロ意識をすごく感じたし、俺に向けてかはさておき、実際に先ほどの振りの時、俺のいたエリアに向かって確かにレスを送ってくれたことは事実で、それに不覚にもキュンとしてしまったりして、なんだかそれがすごく良かったなあ。いやあ、良かった。みーおんかわいい。

と、全体的には概ね満足で、行って良かったと思える内容だったけれど、マイナス点を挙げるとするならMCかなあ。
MCがねえ…まあつまんねえんだよなあ笑
子ども騙しというかなあ、内輪ノリというかなあ…
ツッコミなき女子の会話を延々聞かされてる感じというかなあ。。。

公演が始まる前「盛り上がってますかー!?」みたいな影ナレがあって、それに隣のおじさんが「はーい!」って元気よく答えてて、それも結構面白かったというか、俺はアイドルオタクに対して一種の羨望の眼差しみたいなものを持っていて、こういうところに来て元気よく声を出したり、メンバーの名前を叫んだり、コールしたりオタ芸したりみたいなことを全力でできるって本当に才能だと思うんだよな。
才能だし、何歳になっても青春じゃない。
でも俺はきっと死ぬまでそうはなれないから、そういう意味ですごく彼らには憧れる。
憧れるのだけれど、客観的に見てアイドルの「盛り上がってますかー?」におじさんが「はーい!」って答えるのが変か変じゃないかで言ったら変なんだよ
何が言いたいかというと、MCもその延長線上にあるというか「はーい!」って答えてくれるおじさんたちに甘えてる感じがするというか。。。

…でも難しいなこれは。そもそも彼女たちに面白いMCが求められているのかもよくわからない。ファンの人たちはただ彼女たちの日常会話を聞けているだけで幸せなのかもしれないし、むしろウケ狙いで喋られるよりも、そっちの方が求めているのかもしれないし。
それを分かって彼女たちも抑えているだけなのかもしれないし。
明確なツッコミ役がいれば、もうちょっと上手く回るだろうな、なんてことを冷静にMCを見ながら思ったりしたけれど、まあ各公演に毎度毎度キレよくツッコめる子がいるわけもないもんなあ。
公演ごとにメンバーが変わるわけなので、日によってはMCが面白いこともあるのかもしれないけれど、この日のメンバーが結構主要メンバー揃いだったことを考えると、他の公演も失礼ながらMCにはあんまり期待できなさそうだなと思ってしまう。
うーん、わからない。わからないけれど、多分MCはもうちょっと頑張った方がいいと思う。だって、当日何喋ってたか今もうほぼ覚えてないもん。

最後に

そんなこんなで、最後にMCに苦言を呈してみたりなんかしちゃったけれど、全体的には概ね満足で、本当に行って良かったなと思う。
ただ良くも悪くも「僕の太陽」公演が観れたことで本当に満足しちゃったというのもあるし(あーでも桜の花びらたちも生で観たいな)、もう少し観やすい席で観られるのならもう一度観たい気持ちもあるのだけれど、それが運となるともう一度行こうとはならんかなあ。自分のアイドル熱がもう冷めているのも大きいのと、今回は見にくいながらだいぶ快適に観ることができただけで、やっぱり人混みが苦手なんだよなあ。
DMMでもオンライン配信してるみたいだから、そのうちそっちも観てみようかな。

AKB48に幸あれ。

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