見出し画像

小さくなっていく



まだまだお正月気分。

我が家では毎年、
1月1日に父方の祖父母の家に行き
豪華な食事をして、お年玉をもらい、
親戚一同で写真を撮っていた。

それがコロナ禍に入り、
おじいちゃんが胃がんになり、
集まることがなくなってから早4年。


コロナ禍も落ち着いたことだしと、
顔を出すようになったけれど
以前のように集まることも、食事をすることも無くなった。


4年前は張り切ってカメラを用意していたおじいちゃんは
もともとすごくすごく仕事のできた会社員で
子会社の社長にまで上り詰めた人で。
しっかりしていて、少し怖くて威張っていて。
でも強くて優しい、自慢のおじいちゃん。


80を超えてからも町内会長をするくらいだったけれど、
胃がんをしてからさまざまな体の不調がおきて、
かなり弱ってしまった。


そんななか迎えた、今年のお正月。


去年と今年、同じポーズで
おじいちゃんとおばあちゃんの肩に手を回して写真を撮った。

親しい友達しかいないInstagramにあげている
去年の投稿と写真を見比べてみたら、
思ったよりもずっと、おじいちゃんが小さくなっていた。 

昔に亡くなったひいおばあちゃんの
小さな丸い背中を思い出した。
あの時も、こんなに小さかったかなと、幼心に思ったことを覚えている。


あんなに元気だったのにな、と思うけれど
それでも、もう88歳になることを考えると
ここまで元気でいてくれたことが奇跡のようだとも思う。

老衰だね、と 帰りの車で母が私に言う。


あと何回お正月を迎えられるかなと
小さな声で言ったおじいちゃん。


そんな背中をポンとたたく兄。

私は、一年一年ね、と努めて明るく言ってみた。


少しだけ泣きそうになっていた。


体のあちこちが思うようにいかなくて、
心配なことも多いはず。


体に堪える寒い時期が早く終わって、
暖かく過ごしやすい日が一日でも多いといいな。


2024年は、そんなことを願う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?