神奈川県天皇杯予選社会人代表決定戦・横浜猛蹴VSエスペランサSCレポート
横浜猛蹴1ー1エスペランサSC
(PK6ー7)
得点
'64 古川頌久(エスペランサ)
'81 齋藤憂希(横浜猛蹴)
(時間は目安です。正確ではない可能性があります)
レポート
天皇杯神奈川県予選社会人代表決定戦、いわば天皇杯の予選の予選に位置する一番は、神奈川県教員SCー東邦チタニウムと横浜猛蹴ーエスペランサSCの組み合わせとなった。それぞれの試合で勝った2チームが社会人代表として天皇杯神奈川県予選に出場する。
第1試合で東邦チタニウムが勝利して迎えた保土ヶ谷公園サッカー場。横浜猛蹴とエスペランサの一戦は今シーズン共に関東2部リーグに所属する両雄のぶつかり合いとなった。
監督は交代したものの昨季クラブを担っていた選手たちで構成される横浜猛蹴と監督スタッフは変わらないものの新加入選手が多く名を連ねたエスペランサ。前半は横浜猛蹴が主導権を握る展開に。丁寧に繋ぎながらサイドを崩しつつ攻めていく横浜猛蹴はポスト直撃のシュートを放つなど優位に進めたものの得点を奪えなかった。
後半になるとパス回しのテンポが良くなったエスペランサが前に出始める。すると、19分に古川がネットを揺らし待望の先制点。得点後ゴール裏で声援を送る子供たちのもとへ飛び込んでいった。
ビハインドを背負った横浜猛蹴だが丁寧にビルドアップしながらサイドを素早い飛び出しで崩していく形は継続。時折飛び道具を見せながら相手ゴールに迫っていくと、36分ロングスローから齋藤がビューティフルボレーを突き刺し同点に追いつく。
その後は一進一退の攻防が続いたもののスコアは動かず。規定によりPK戦に持ち込まれた。
PK戦は両チームとも5人全員が決め、勝負はサドンデスに持ち込まれる。6人目も共に決めて迎えた7人目。先攻のエスペランサがキッチリ決めたのとは対照的に、後攻の横浜猛蹴は枠の左に外してしまう。
熱戦の末に天皇杯予選進出を決めたのはエスペランサとなった。
選手監督コメント
横浜猛蹴・氏家監督
「新チームになって色々なチャレンジをしてきたこと。その成果は出てました。ただ、決定的な場面を逃す中で相手にペースを与えてしまった。その時間帯でやられてることに関してはしっかりと改善していきたいと思います」
Q.今シーズンのチーム作りについて。
「昨年のデータを見て改善しなければいけないところ(に取り組んだ)。シュート本数が少なかったりとか、そういったところに着手しながら、横浜猛蹴らしいスピードのあるサッカーを継続するというところでチームを作ってます」
Q.前半について。
「私たちが目指したい形がいくつか出始めてはいましたが、フィニッシュできてない。ボールが来る前の準備だったり最後の面に当てるとかテクニックの部分もしっかり上げながら、大きいところだけじゃなく細かいところも改善しながらチームを作らなければと思います」
Q.昨シーズンと比べてみると。
「多少は良くはなってる。ボールを保持する時間も意図する形は出たと思います。ただ、そこに対する関わりの人数やパワーだったりがまだまだ出ていかないとリーグは(勝ちを)取れないと思います」
Q.同点弾について。
「途中から入ったフレッシュな選手たちが相手の嫌なところに入っていってシュートを打ち抜くところで、サッカーの目的を理解して入っていって。彼らには感謝しています」
Q.PK戦に入るにあたって選手への声かけは?
「とにかくポジティブな気持ちを持って、勇気を持って蹴るということしか伝えてません。みんなボールは普通に蹴ってるので、自分との戦いだったと思います。最後外してしまいましたけど選手はよくやってくれたと思います」
Q.今シーズン最初の公式戦でしたが手応えや課題はありましたか?
「ボールを保持する意識の部分では(手応えは)あったんですけど、そこに対してのキックやコントロール、来る前の準備でまだまだ練習の質を上げてゲームに近い形で取り組まないといけないと思います」
Q.リーグ戦への意気込みを。
「自分たちのやろうとしてるサッカーを信じてトレーニングに励んでリーグで優勝したいと思ってます。ただ、厳しいリーグ戦ですのでしっかり勝ち星を1つずつ取りながら謙虚な姿勢で戦っていきたいと思います」
Q.チームを応援してくださる方々へ一言。
「猛蹴らしく楽しそうに(やる)。プレーでも。ファンの方との関わりでも。来て楽しいと思ってもらえるように取り組んでいきたいと思います。いつも応援してくださる方に感謝しています」
エスペランサSC・オルテガ監督
「今年新しく(チームを)作ってる最中なのでチームとして全然成り立ってない部分がありました。でも、それをわかった上でとにかく努力、パッションが必要なゲームというのは前もって話していた。今日は形より勝利が必要でした。勝つとチームが馴染みやすくなる。とにかく今日は走って勝利を掴もうと話しました。リーグが4月に始まるのでまだ1ヶ月あります。チームが始動して20日間しか練習できてないですし」
Q.新しいチームとは?
「今季は昇格を絶対しなければならない。とにかく攻撃的なチームになる。それを今年のリーグを通してやっていく。今日はほぼ自分のやろうとしてること(をピッチ上で表現するの)は無理に近かった。練習もまだ20日間ですし、フィジカル中心のトレーニングだった。これからです。これから攻撃的なチームを作っていくので」
Q.横浜猛蹴さんと対戦してみての手応えは?
「(横浜猛蹴は)経験のある選手もいますし、(昨季と)同じようなメンバーで来てる。強いチームだと思います。去年の全社も良いところまで行きましたし。今日の勝利は自分たちにとって大きいです」
Q.4月にリーグが始まりますが2月末に今季最初の公式戦があることについて。
「うちにとっては良くはない。個人的な感想ですが。こんなに早すぎると練習やろうとしたメニューを全部変えなくてはいけない。体作りができてなくてボールも中途半端になる。やはり早いと思います」
Q.リーグ戦の意気込みとこれからのチーム作りについて。
「チームとしてフィジカルを少しずつ上げつつ、チームの形としてこれから作っていく。攻撃的なチームに絶対ならなければならない。攻撃となるとフィジカルも上げないといけない。今年はそこ(フィジカルトレーニング)に集中して、リーグは絶対取っていきたいです」
Q.子供たちの応援もありましたが。
「これがエスペランサです。子供たちもチームで一生懸命頑張ってる。自分たちの夢を叶えるために今の選手たちが頑張ってる。自分たちがJリーグを目指してるチームとして1個ずつ今の選手が上げてくれることによって、子供たちが(夢に)近づいてくる。このエスペランサファミリーというのが少し見られたと思います」
Q.ファンの方へ一言。
「いつも支えてくださるファンの方に感謝しています。私たちの目標として2025年には今ある練習場にスタジアムを作ろうとしている。そのためにこれからの応援も必要です。小中学生の夢のためにも昇格しないといけない。これからも応援よろしくお願いします」
エスペランサSC・古川選手
「相手は全国大会でも去年ベスト4に行ってて関東1部から降格という形になった相手だった。上手さと楽しんでサッカーをしてる、勢いがすごいチームだった印象がありました。こっちはほとんど新加入の選手で今日初めて真剣勝負に臨んだ。最初の方は勢いに飲まれてたんですけど、段々自分たちのリズムでできて。自分たちのリズムでできたときはある程度良いサッカーができたと思います」
Q.先制点の場面について。
「最初クロス来てパスしようとしたんですけど失敗しちゃって。そしたら(跳ね返りが)転がってきて。相手が人数前にかけてたんですけどPA内で上手いこと飛び込んできてくれて。そこをかわして。一発目(今日のファーストシュート)だったので思いっきり打とうと思っていた。良いところに転がって結果的に良かったです」
Q.今後に向けてこの得点は大きいと思いますが?
「チームが上手くいってても上手くいってなくても自分が一番前でやってるので、点を取れば勝利に導けるポジションにいる。試合にも出させてもらってるのでそこ(得点)は責任感持ってやろうと思ってます。点取るのは最低条件だと思ってる。嬉しいですけど満足せずにやっていこうと思います」
Q.新加入選手について。
「みんなで集まって話をする機会が多い。ずっと前からいるような感じ。まだプレー面でこういうプレーするんだなとか噛み合わないところはありますけど、馴染み具合としては一つになってると思います」
Q.PK戦に臨むにあたって。
「練習のときみんな外すんですけど試合では外したの一度も見たことない。一昨年横浜猛蹴さんとの試合で流れの中でPKもらって僕が外してたんです。今日も同じキーパーの選手(若田選手)で蹴る前に話しかけられて。個人的には蹴りたくなかったですね。でも一回同じキーパーに蹴ってるので逆に蹴ってやろうと思って。それが良かったですね」
Q.2月末に今季最初の公式戦が入ることについて。
「この時期に一回本気で勝ちにいく試合ができるのは本当に大きい。本気でやらないとわからないことってあると思う。4月に一発目が来るよりここで1回2回挟めるのは選手としてもスタッフ見てても大きいことだと思います」
Q.リーグ戦への意気込み。
「チームとしてはいい加減昇格したい。個人的には20点取る目標を持ってやってます。まず自分が個人で目標を達成できたらチームの結果にもついてくると思うので、自分としては点取ってチームとしては絶対昇格することを目標にやっていきたいと思います」
エスペランサSC・アラン選手
「個人的に公式戦1年ぶりだった(去年大怪我があった)のですごく楽しみにしてた。チームが始動してからまだ全然経ってない。個人的にコンディションまだまだかなと。ああいう試合になって勝つことは大前提だったのでチームとして勝てたことは良かったと思います」
Q.かなり久しぶりの天皇杯予選、そしてチームに加わって初めての公式戦でしたが?
「まだチームを作ってる段階なので戦術的なこともこれから。その段階の中で公式戦に入ることはちょっと難しい試合になるとわかっていた。その中でみんな体張って。本当は90分で試合決めたかったんですけど。決めることも練習して、決めるところしっかり決めて。みんなでもっと体張って守ればもっと楽な試合ができるんじゃないかと思っている。でも、最後にPKで勝てたのは次につながった。良かったと思います」
Q.リーグ戦への意気込み。
「昇格という目標に向けてチームを引っ張っていけるように貢献して。しっかり結果を出して上がりたいと思います」