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地域CL2020栃木ラウンド2日目レポート

地域CL2日目は、全国3会場で計6試合が行われた。栃木ラウンドでは、弘前がラランジャ京都に、栃木シティが十勝に勝利。栃木シティが2連勝、弘前と十勝が1勝1敗で並んだ。明日、栃木シティは引き分け以上で勝ち抜け決定。弘前と十勝の直接対決が第1試合に組まれ、この試合が引き分けだった場合も栃木シティの勝ち抜けが決まる。

ブランデュー弘前1-0ラランジャ京都

<寸評>
弘前が今大会初勝利を掴み、明日に望みをつなげた。
昨日同様アグレッシブな入りを見せたラランジャが序盤から弘前ゴールに迫ると、弘前もサイドを起点とした攻撃で対抗する。すると、21分、眞口のパスを受けた高橋がPA内で回転してシュート。これがネットを揺らし弘前が先制した。その後は一進一退の攻防が続いたものの、終盤にかけて再び弘前が攻勢に転じる。しかし、追加点は奪えず、前半は弘前の1点リードで折り返した。
後半に入り中尾を投入したラランジャは、裏のスペースをシンプルに突く攻撃を交えながら弘前ゴールに迫っていき、中尾のロングスローからクロスバーを叩く決定機も作り出した。弘前は体を張った守備で必死に守り続けると、終盤にはセットプレーから決定機を生み出す。ラランジャはATに退場者を出してしまい万事休す。虎の子の1点を守り切った弘前が大きな勝点3を掴み取った。

ラランジャ京都・上田滋夢監督
「一言、残念と言うしかないですね。残念ながら(負けました)。悔しいです。初戦失ってたんですけど、うちのスタイルは貫いた形でやりました。地域CLは初戦がすごく重要なんですけど、落としちゃったので(残り)2戦で巻き返す(つもりでやった)。決勝ラウンドに行く争いですから、残らなきゃいけない。ここはもう最初から戦いだよ、と。様子を見るとかいう形ではなく戦いだよというのは選手たちに伝えました」
Q.中尾選手について
「以前、地決の時、点を取ったことがある選手です。そのときロングスローが全国的に有名になった。もうベテランですから、あの(ロングスロー)ために出したんですけど、あんまり(効果的に)使えてなかったですね。彼はスタッフとして子供たちも教えながら(プレイしてる)。子供たちも(試合を)見てくれてるし、京都含めて育ってきた人間がああいう形で出てるという形は、我々が理想とするクラブの形で、それを見せられたかな、と。これで彼が点決めたりロングスローから点が決まればもっとドラマチックだったんですけど。そうドラマチックにはいかないですね」
Q.応援してくださる方へ
「色々なご支援いただきまして本当にありがとうございます。いつも密に応援してくれている。残念な結果に終わりましたけど、まだまだ若いチームですし、今後応援していただきたいし期待していただきたいと思います」
Q.スタイルを貫く部分とあえて壊す部分のバランスは?
「全体的には壊しました。ただ、その中でうちっぽく、前に行けば良いのに持ってしまったり。やらなきゃならないときにうちのスタイルに戻ってしまったのかなとは思います。しかし、ただ蹴ったり危ないシーンを作ったりするだけでなく、前に蹴りながらでも次に(つなぐ)というところと、勝負のかかったときに彼らがある程度順応できたことは評価できます。結果が伴えば一番良いんですけどね。そこまではもう1つ2つの段階がいるかなというところです。反省もなんですが、1試合目2試合目含めて成長しているのは感じられました」
Q.ボールを失うことへの怖さは?
「今日は失いすぎてました(笑)。積極的な形は出てきたと思うんですけど、どうしても見えるところで(つなごう)という、それはうちのスタイルなんですけど、崩すところやるところ、それをスッと察知できるようになれば、このチームもっと強くなれるな、と。でも、ずーっとうちはこういう形で負けたりするんですよ。脱皮するのはいつなんだろうというくらいに、大きく変えなければならないところもあるのかもしれません。この後、大きな課題として残ったのかなと思います」

ブランデュー弘前・高橋佳選手
「(得点の場面は)誰からクロスが来たかは覚えてないですけど、前に大塚がいて、スルーしてくれたらターンしてシュートに持っていけると思っていました。『スルー!』って声かけたので、それに上手く大塚が反応してくれた。上手くターンできました。昨日、ゴール前でチャンス外してしまったので、しっかり点取れて良かったと思います。アップのときから雰囲気は良くなくて。ちょっと緩んでるような、だらっとした入りになってしまったんですけど、試合が始まれば声をかけあってしっかり守備をして攻撃につなげる切り替えはできました。ただ、アップから全員が気持ち入れてやっていかないと明日は勝てないと思います。気持ちを入れ替えてやっていきたいです」
Q.明日に向けて
「明日勝てば突破の可能性が見える。今日はDF陣が体を張って0点に抑えてくれたので、明日は前線が点取ってDF陣に楽な展開に持ち込みたいです。今日は昨日より(サポーターの)人数が増えてまして、こっちの気持ちもすごく昂りました。勝利を届けられたのはチームとしても嬉しいです。明日は勝って決勝ラウンド進出というプレゼントをしたい。応援してもらえたら嬉しいです」

ブランデュー弘前・姜暁一監督
「始まる前からお互い譲れない試合でした。最初ガチガチになると思ったんですけど、思ったよりしっかりパスをつないでチームとしても流れを作って、点までつないで良い流れになったと思います。地決は何が起こるのかわからない。残り2試合勝てばチャンスはあると思っていました。みんなに落ち込まないでしっかり勝利を取りにいこうと伝えました」
Q.明日に向けて
「ここまで来たら明日勝って他の結果を見るだけ。しっかり勝って決勝ラウンドに行きたいと思います」
Q.大塚選手の起用について
「元々リーグ戦でスタメンで出てた選手なんですが、最終戦で退場してしまって1試合目は出られませんでした。(2試合目から)入ってきて。裏に抜けるのが得意なので、良い動きをしてくれたと思います」

栃木シティ2-0北海道十勝スカイアース

<寸評>
栃木が貫禄の勝利を挙げた。
互いにスタメンを1名ずつ変更して挑んだ一戦は、18分、CKから大島が決めて栃木シティが先制する。直後の十勝の決定機をGK原田が横っ飛びで防ぐと、その後は中盤での激しい肉弾戦が繰り広げられた。
後半は、序盤に髙地が負傷交代するアクシデントに見舞われたものの、今の栃木シティはそれに動じるほど柔ではない。54分、岡庭がネットを揺らし、リードを広げてみせた。2点を追う十勝は73分、山下と中山の長身FW2枚を投入し、攻勢をかける。しかし、すぐさま内田と井澤を投入した栃木シティは盤石の試合運びで逃げ切り2連勝。勝点得失点差共に圧倒的に有利な状況で明日を迎えることになった。

栃木シティ・山村佑樹選手
「まず勝てたことが1番です。(個人としては)もうちょっと前線でタメを作ったりチャンスを作ったりしたかったんですけど、それができなくて。明日にしっかり修正してつなげたいと思います」
Q.2試合連続のスタメンですがリカバリーについては?
「チームで決められてるお風呂(交代浴)だったり食事だったり、そういうのをしっかりやって。後は特にないです。チームでやることやってリカバリーして、家帰ってストレッチして、食事だったり気をつけながら、明日に向けてしっかりやります」
Q.ベンチに下がってからは?
「(前半に)1点取って(後半に)もう1点取れて、そのまま終わってくれれば良いなと思ってました」
Q.対戦相手の中川洋介選手と水戸ホーリーホック時代に共にプレーされてますがいかがでしたか?
「彼が水戸のユースにいたときから知ってるんですけど、一緒にサッカーできて良かったです。(昨日)会って挨拶しました。この後は特に会ったりはしないですけどね(笑)」

栃木シティ・岡庭裕貴選手
「チームとしても必ず勝つことを目標にしてやってたので、そこは達成できて良かったです。勝利同士ということで大事な2戦目。勝つことが一番だと思っていたので、ブレずに勝つことを目標にやってました」
Q.1得点1アシストですが?
「(大島選手の得点は)良いボールが飛んで良い形でCKが取れた。セットプレーで点取れるのはチームとしても大きいことなので、それができて良かったです。(自分の得点は)こぼれ球から受けて、感覚のシュートになったんですけど、良いところに飛んで良かったです」
Q.多くのサポーターが集まりましたが?
「多くの方がスタジアムに足を運んでくださって、応援という形はなかったですけど、すごい自分たちにパワーを与えてくれました。勝利という形で恩返しできて良かったです。3戦目も必ず勝利して決勝ラウンドにつなげられるようにチーム一丸となって頑張るので、また応援よろしくお願いします」

栃木シティ・中村敦監督
「最初の予想と違って相手が思った以上に引いてきて時間を使うようなサッカーをしてきたので、それは予想外でした。ただ、関東リーグで引いた相手とやることもあったので、落ち着いて陣取りじゃないですけどそういうことをやりつつ、セットプレーから上手く点が取れて良かったです」
Q.元々の十勝対策は?
「(十勝の)特徴はオーソドックスな感じの4-3-3のチームで、CFがでっかいハーフの子(ファビオ・アウグスト選手)が入ってくると思ってました。それが結構小さくて速い系の選手で入ってきたので、かなりミーティングが空振りした感じです」
Q.スタメン変更の意図は?
「3連戦でユンソンヨル選手はベテランの域の選手なので、怪我防止だとか、フレッシュな状態の選手をできるだけ数多く使って(戦おうと思ってました)。今日も昨日も5人全部(交代枠)使ってるんですけど、色んな選手を使いながらチーム全体で勝っていきたいというのもあります。ベテラン選手が多いので、彼らが3連戦90分フルで出るのは中々厳しいものがあります。そこのコンディションを見ながらどの選手を起用するかは考えてます。それは関東リーグでも一緒で、同じようなことやってます」
Q.得点シーンについて
「(1点目は)相手が引いてる状態でセットプレーからまずしっかり点を取るというところ。昨日岡庭のCKのボールが結構しょっぱかったんですけど、今日は良いボールを入れてくれた。それをしっかりキャプテン(大島選手)が責任持って決めてくれる。先制することによって相手もプランが狂ってくるでしょうし、そういう部分でも良かったです。(2点目は)元々(岡庭選手は)能力がある選手なので、それが上手く出せたのかな、と。昨日ちょっと硬くて僕の中ではイマイチだったんですけど、今日は1得点1アシストで活躍してくれて良かったと思います」
Q.サポーターへのメッセージと明日への意気込みを
「明日3連戦の最後の試合ですけど、とにかく全力で、その次のことは考えずに、全力を出し切ってしっかり勝ち切る。勝点3を取って勝点9で予選を通過することを目標にやってますので、とにかく回復してコンディション良く作って後は勝つだけ。是非お時間ありましたらスタジアムの方に来ていただきたいです。時間がなくても気にしていただけたり、念を送っていただくと選手の励みになります。是非お願いします」

北海道十勝スカイアース・中川洋介選手
「力の差はある程度感じていたし、押し込まれる時間帯もあり、フィジカル・技術でも相手の方が上だなというのはわかってた上でリスペクトしながら勝ちにいきたかった。(結果としては)圧に負けた時間の方が多くなりました。そこが反省点です。正直全てにおいて勝ててはいないと思ってます。リーグのレベルの差だったり。関東リーグは地決に出るために地決を戦ってるような環境。そういう環境で出てきてるチームは強いと思いました。僕たちも北海道でそのぐらいのレベルを常に意識して1年間戦わないと、地決で急に出せるものではないんだと実感しました」
Q.2試合連続で左SBでスタメン出場していますが?
「左SBが本職かどうかというと……。でも、そこは置いておいても、もうちょっとできるかなというのはあります。身体的にDFの中で大きい方じゃないけど、その中でも身体の当て方とかでカバーできるところはあると思う。あと1試合、そこは何としてでも(しっかりやりきりたい)。元はMFの選手なので、もっと攻撃の回数を増やして(いきたい)。次の試合何としても絶対勝たないといけない。もっと前に出てもっと攻撃に関わっていきたいと思います」
Q.明日への意気込みを
「まだ(明日勝てば)決勝ラウンドに上がれる可能性は持った状態での3戦目。モチベーションがある状態で戦えるのを幸せに感じますし、その中で僕たちのサッカーというのをもう少し色が出せるように。何としてでも勝ちたいと思います」
Q.対戦相手の山村佑樹選手と水戸ホーリーホックで共にプレイされていましたが、マッチアップしてみていかがでしたか?
「公式戦で戦うのは味方で戦うのも含めて初めて。水戸のときは紅白戦で戦ってましたけど。本当に嫌な選手だな、と。身体がそこまであるわけでもないのに(上手いし強い)。嫌な選手ですね。昨日挨拶に行かせてもらって。水戸のときもよくしてもらったので。それでも試合に入ったら関係ないと思ったんですけど、結構自由にやらせてしまったイメージです」
Q.藤田祥史選手とのマッチアップはいかがでしたか?
「単純に競り合って勝てる選手じゃないので、競った後とかこぼれ球とか、そういうところを狙ってはいたんですけど、2トップの経験も含め(相手が)上手だったかな、と。それで結局押し込まれちゃったので悔しいマッチアップでした」

北海道十勝スカイアース・高瀬証選手
「負けという結果をシンプルに受け止めないといけないと思います。戦い方的には、昨日はガンガン前から(行って)相手に自由を与えないようにプレスをかけました。今日は栃木相手にそれ(プレス)がずっと続くかというのと疲労もあるので、ちょっと引き気味というか、相手に押し込まれる前提で相手を引き込んで守備的にいきました」
Q.失点後について
「(戦い方は)変わらずという指示でワンチャンスを狙おうというものでした。(後半は)ずっと(我々が)同じことを続けていたことに対して、相手もやってくることはわかっていて対応してきた。それに対してスペースだったり隙だったりはできてきたとは思います。そこを上手く突けなかった。上手く突けていけばもっとチャンスを作れたと思います」
Q.相手CBとの勝負は?
「相手のヘディングは高さがあった。それをいかに大きく跳ね返させないか、というのは常に考えてました。自分の周辺に落とさせるとか。完全に勝つのではなく、次の攻撃につながるような動きだったり、CBを外して相手DFラインの裏に走り込んだり。そこでキープして自分たちの陣地を取り返して二次攻撃につなげるなど。そこは監督の指示だったので、貪欲に裏に走り続けました」
Q.明日への意気込みを
「絶対勝利を目指します。今日の負けも、振り返らないといけないんですけど、切り替えて、絶対に勝てるようにみんなでやっていきたいと思います」

北海道十勝スカイアース・高勝竜監督
「圧倒的に相手の力は、個々も組織的にも強いのはわかってました。なんとか我慢しながら1回のチャンスをモノにするという狙いでやってました。(栃木シティさん相手に)やれることは限られてるので、どういう風に守ってどういう風に攻めていこうか、という対策をしました。具体的には、どこでラインを作ってどういう風にするか。前から取りに行くところをどこにするのか。そういう設定です。無闇に(ボールを奪いに)行っても前に蹴られるのがわかっている。セカンドボールを拾えないと苦しいですし、うちには高い選手もいないですし怪我人も多く出てるので、そこのやりくりが難しかったですね」
Q.失点後について
「CK、FKは脅威でした。そこは本当に心配してました。案の定やられてしまって。1点目に関しては我慢してもうちょっと様子見ていかないとな、と。2点目はアクシデントのところで、カバーが遅れて入れられてしまいました。2点取られた時点で少しずつシフトチェンジしていかなければいけなくなりました。少し攻撃のことを考えてやっていきました」
Q.選手交代について
「攻撃に行かなければいけないので、前線にフレッシュな選手を入れて、そこを走らせるのと競らせるのを考えました。(長身FWの投入については)競り合いのこぼれを我々が拾っていくことをやろうとしました。でも、良くないですね。競り合いに勝ててないので」
Q.明日に向けて
「(相手への対策は)決まってないです。とにかく1つ言えるのは、(弘前さんは)めちゃくちゃ強いです。これは簡単にはいかないなということです。折角ここに来て強いチームとやれて、中々こういう舞台って立ちたくても立てないチームだって沢山ある。我々は北海道の代表として来ているわけですけど、無駄のないように。もし昇格できればそれに越したことはないですけど、簡単じゃないというのは重々わかってます。とにかく諦めずに最後まで戦って、何かステップアップできるように、チームが全体的に次に向かっていけるような何かを得て帰れるように明日やりたいと思います」

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