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地域CL金沢ラウンド3日目レポート

金沢ラウンド3日目は沖縄が刈谷に、福井が徳島に勝利した。この結果、勝ち点7の福井がグループ首位で決勝ラウンド進出を決めた。福井は今月20日、22日、24日にJヴィレッジで行われる決勝ラウンドで、いわきFC、おこしやす京都AC、高知ユナイテッドSCと対戦する。決勝ラウンドの上位2チームがJFL昇格となる。


FC刈谷0ー1沖縄SV

寸評:沖縄が意地の勝利をもぎ取った。勝てば決勝ラウンド進出が決まる刈谷に対して沖縄はフォーメーションを変更。それまでの4-4-2から守備時に4-5-1、攻撃時に4-2-3-1となる可変型のシステムを採用し、高原が様々なポジションに顔を出しつつ流動的に動く形で迎え撃った。刈谷は前半からボールを握り、サイドを起点にしながら攻撃を組み立てるもゴールは割れず。沖縄もセットプレーからいくつかチャンスは作ったが互いにシュート3本と静かな前半となった。後半も刈谷がボールを握り、7本のシュートを浴びせたが得点は奪えず。逆に73分、CKの流れから安藝が頭で叩き込み沖縄が先制。2点を取らなければならなくなった刈谷は更に攻勢を強めたが結局この1点を守りきった沖縄が今大会2勝目を挙げ、この後の福井の結果を待つことになった。一方の刈谷は痛恨の黒星で1次ラウンド敗退となった。

沖縄SV:高原直泰選手兼任監督
「昨日の自分たちらしさが出なかったゲームから再び少しの可能性に、自力はないですけれども、自分たちの可能性が残されているところで、選手たちがしっかりと切り替えてくれて本来の自分たちがやってきたハードワークしながら守備から入るというところというのは出せたんじゃないかな、と思います」
「基本的に持たれるというのはしょうがないなと割り切っていたんですけど本来であれば自分たちのいるべき選手というのがいない中でそこの引っ掛けた後のカウンターの迫力という意味ではどうしてもチームとして物足りなさというのがどうしても出てしまうところはある程度受け入れて戦うしかないかなと思ってたので。その中でいかに相手を0に抑えてチャンスをものにするのか。セットプレーに関しては自分たちも自信を持ってたし、必ずセットプレーで1つ絶対取れる自信はあったので。我慢すること。我慢強く相手が焦れるように我慢してディフェンスをすること。その中で昨日までの2試合と変えたところは、自分が1.5列目の位置だったりとか2列目まで入る中でセカンドボールのところ。どうしても昨日までセカンドボールを拾えない、ロングボールに対して弾いたボールに対しても自分たちの長いボールで競ったボールに対してのセカンドボールが全く拾えてない。そこから相手にイニシアチブを取られてたのでそこのところを自分が徹底して拾ってやろうという風に思ってたので。そこは狙い通りやれたかな、と。その中で自分はボールを落ち着かせて、散らしながらチャンスがあればというところで自分たちの台所事情の中でできる範囲の精一杯の試合を今日したんじゃないかなと思います」
「今まで試合に出られなかった選手がいかに普段からしっかりトレーニングをしてきたかというところというのが今日出たんじゃないかな、と。それに尽きるかな、と。中々1年通して試合に出られなかった選手が今日出てて。それでも全員が頑張って1つ勝ちを取れたというのはチームにとっては非常に大きかったんじゃないかな、と。まだ今4年目のチームでここから少しずつ厚みを増していく中でこういう戦いをしたというのは(まだ福井の結果が出ていないので決勝ラウンドに進出できるかわからないが)どんな結果になってもこのクラブにとっては非常に大きな戦い方だったんじゃないかな、と思います」
Q.フォーメーションを変えて臨んだことについて。
「自分が流動的に動く中で前の3人の関係。ここを生かすも殺すも自分次第。自分がいかに落ち着いてボールを引き出しながら両ワイドの選手を上手く使っていけるのか。少ないチャンスをどういう風にゴールに繋げていくのか。セットプレーでどう取っていくか。セカンドボールをきっちり拾って自分たちで攻撃できるようにしていくか。そこを自分が一番わかってる。この2試合で自分が感じたこのチームの今の改善しなきゃいけないところ、ウィークポイント、そこがそこだなという風には思ってたので、とにかく自分がその役割を果たすしかないという形で、自分は流動的なポジションでやっていく。それに関してはこの1年ずっとやってきたことなので、急に今日の試合やってきたわけではなくて、自分のポジションによって選手がポジショニングを取っていくことはこの1年通してやってきたので、その辺は問題なくやれたかなと思います」
Q.次の試合はご覧になりますか?
「いや帰ろうかな、と(笑)。疲れちゃったので(笑)」

沖縄SV:岡根直哉選手
「昨日の戦い方、失点の早さから浮き足立ってしまった。ある意味昨日があったから今日整理できたという部分はあります。昨日はダメ過ぎました。今日は短い時間で立て直せたかなと思います」
「セットプレーもリーグ戦でも取ってきましたし、1つの強みで。セットプレーから昨日も今日も点取ったのは大きいですね。もちろんボール持ちたいですけど、ボール持たれたときのオーガナイズというのは中々九州リーグではボールを持たれることがないので、そういった戦い方に慣れてないところが昨日出てしまったんですけど、もう一回立ち直れたのは良かったと思います」
「この大会に出るのは初めての選手が多かったので3つのうちの2つ勝てたことは今のチームに良い教訓になりました。怪我人がすごい多い中で出場機会のなかった選手が昨日も今日も頑張ってくれたので、そこは一番の収穫だと思います」

FC刈谷:ビラ・ヴェイガ監督
「相手に対しておめでとうございます(と言いたいです)。このプレーをやっててああいうプレーを待ってたと思うんだけどもそこで結果に繋がったことは本当におめでとうございます。うちに関しては試合中ずっと戦ってたにもかかわらず結果に繋がらなかったことはすごく残念です」
「前半に関しては相手が自分たちのコートで待ってて自分たちは攻めてたんだけども残念ながらゴールに繋がらず攻撃ができなかった」
「サッカーというのは90分の中で何が起こるかわからないスポーツですので、試合全体で見れば自分たちがボールを握ってた回数や時間も多かったけれども、向こうが一回あったチャンスをモノにしちゃったのは事実なので……」
Q.1年間を振り返って。
「去年に比べて経験も選手としても上がってきてますし今年も敗戦となった試合は3試合になるけれども去年よりはだいぶ良くはなってるんですが、残念ながら今年は結果に繋がらなかったのですごく残念です」


福井5ー0徳島

寸評:福井が5得点の圧勝で決勝ラウンド進出を決めた。決勝ラウンド進出へ勝つしかない福井は19分、高い位置でボールを奪って山田が決め先制。その5分後には再び山田がGKの弾いたボールに詰め2点のリードを奪う。徳島も丁寧にボールを繋ぎながら攻める時間帯もあったがクロスバーやGK植田の好セーブに遭いネットを揺らせない。後半も攻め立てる福井は55分にまたも高い位置でボールを奪い金村が3点目を奪うとその3分後に山田がハットトリック。更に2分後にも右からの折り返しを受けた御宿が冷静に決め切り5点目。その後はGK植田を中心に守り抜き5ー0の完勝で決勝ラウンド進出を自力で掴み取った。敗れた徳島は持ち前の繋ぐサッカーで好機を作るシーンはあったものの力負けという印象だった。

福井ユナイテッドFC:望月一仁監督
「ゲームプランは良かったと思うんですけど最後の怪我でバタバタしてしまってゲームを壊してしまったというのが……」
「(この先の決勝ラウンドも)成長できる場なので、また3試合できるので、成長していきたいと思います」
「もう一回コンディションをしっかり整えて修正していきたいと思います」
「(この先も)コンディションの良い選手は使っていきたいと思います」
「(先に)2点取れたけど楽なことはなかった。次の1点が勝負だと思った。3点目取れたので向こうも落ちたので追加点取れて良かった。決して楽な試合内容ではなかったと思います」
Q.サポーターに向けて。
「地元で中々こういう機会は得られなかったので地元のサポーターに見てもらえる大事な試合だったので、その中で結果を出せて良かったと思います。自分は新たにこういう戦い方をするというところを見ていただいた。見ていただいた方に感謝したいです。応援またよろしくお願いします」

福井ユナイテッドFC:橋本真人選手
「立ち上がり相手が攻撃的に来たのでちょっと押し込まれたかなというのはあるんですけど、落ち着いて試合を運べたかなと思います」
「(決勝ラウンドでは)初戦が一番大事になるのでそこに向けて調整していくだけです」
「どんな大会でも初戦は硬くなるのでそこはやっぱり自信が大事だと思うのでこれが自信になったと思います」
「正直徳島さんは一番攻撃が上手かった印象があります。やられた部分はかなりあったので。間でボールを通してくる。1点取って少し崩れたかなというのはあります。あれを90分やられてたらどっちに転ぶかわからなかったと思います」
Q.サポーターの大声援について。
「力になりました。ホームの環境を作ってくれた。やりやすかったと思います」
Q.サポーターの皆様に一言。
「本当に感謝の気持ちでいっぱいです。(決勝ラウンドは)来れない方も多いと思うので信じて待っててください」

FC徳島:尾上勇也監督
「勝って爪痕を残すというか出るだけが目標じゃないように必ず勝ち点3を取って徳島に帰ろうということをみんなで一丸となってプレーした結果、得点を取って勝つということに専念した結果前がかりになりすぎて失点を重ねてしまったことが敗因の一部だと思います」
「通用したところ、通用しなかったところというのは明確にわかってるつもりなので、また新たに気持ちを切り替えてまたこの場所に戻ってくることを一番の課題としてやり直す必要があると思います」
Q.刈谷、福井と地域CLの経験が豊富なチームと戦ってみて。
「1点の重みだったり1失点してからのゲームの運び方、勝ち方、引き分け方というところで正直差を感じた部分はあります。ただ、全然通用しなかったという手応えではないので自分たちがやってきたことに関しては自信を持ってこれからも努力してやっていきたいと思います」
Q.来シーズンの意気込みを。
「次(地域CLに)出れば初めての大会という目では見られないと思うのでこの経験を糧にして必ずJFL昇格という目標に向かってやっていきたいと思います」

(選手監督コメントは抜粋です)

文:湯郷五月

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