Chopin Polonaise Ab major op.53
ショパンの英雄ポロネーズの冒頭部分。
これがなかなか一筋縄ではいかない。基本的には属音のEbから主調のAbへの5度進行なのだが、いろいろ紆余曲折を経る。
2小節目の3拍目は見かけ上E7だが、解釈としてはBb7b5の主音が抜けた和音ということになろうか。3-4小節目の繰り返し音型は倚音を取り去ればEbの和音であるが、音階的には Ab Bb Cb D Eb Fb G Abとなり、Abマイナーに2箇所増2度を含む民族調の音階となっている。
5小節目冒頭は、Fbの和音をEbに乗せた形で緊張感が高い。6小節目の3拍目はEb7b9から主音のEbを抜いた形でこれが全音上のFbに解決する。
7-8小節目は3-4小節目と形は似ているがここでは増2度を含まない、Abマイナーの自然音階となっている。
9小節目冒頭でやっとF7/Eb という比較的クリアな響きとなり、Ebの低音を保持したまま、11小節目でBb7/Eb 、13小節目冒頭でやっと属和音Eb7が完全な形で姿を現す。
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