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人はいつから地面に座らなくなるのか

地面に輪になって座る中学生男子の集団を見た。
個人商店の前。
普通に地面。

ちょっときゅんとしちゃったよ。
だって青春じゃない?
地面に座って駄菓子食べる感じ。
部活帰りだと思うんだけど、全員ジャージ姿だったんだよ。

はー尊い。
いいもん見たな―って感じだった。

自分が当事者のときはどうも思わないんだけど、そういう寄り道って大人になるとしないからね。
一斉に下校するみたいなイベントないし。
仮に退社時間が一緒だったりしても、その後の時間持て余してることってないもんね。
自分が暇だったとしても、相手は多分忙しいし。

大人になって友達と会おうとすると、予定をあわせるところからのスタートなんだよね。
「せっかく会ったから」が前提にある。
だからあんまり名前のついてない行為しないんだよね。

スーツ着たサラリーマンが「駄菓子屋行くかー」ってあんまり聞かない。
可能性はゼロじゃないけど。
せいぜい「飲みに行くか」か「食事行くか」くらい。
ちゃんとした座席が用意されてるところに行くわけだけども。

そう。
地面には座らないんだよ。

私も当時は平気で駐車場の縁石に座ったり、それこそコンクリートの上に座ったりするの平気だった。
だったんだけど、今はもう座らない。
地面に座るという発想、そもそも出てこなくなった。

汚れちゃうとか、邪魔になるとか、そういう前提がきっとすりこまれたんだよ。
いつの間にか。

これが大人になるということか。

人は気付かぬうちに成長しているものである。

だけど、当時は、「地面に座ってでもしたい話」がいっぱいあったように思う。
時間があって、友達といるとき、「何を話そう」って考えたことなかった。
無限に話題が湧き上がってきていたような気がする。

しかも、そのときしてた話、結構覚えてるんだよね。

友達が当時悩んでいたことや、親に言えないけど抱いていた将来の願望や夢を、私は今でも思い出すことが出来る。
二十年以上経ったけど。

私が見た男子中学生たちも、もしかしたら今、地面に座ってでもしたい話をしているのかもしれないな、と思ったら微笑ましくなった。
地面に座っていられるうちにたくさん思い出が出来たらいいな、と他人事ながら思ってしまった次第。

全然関係ない人なんですけどね。私。
ただの通りすがりで。

ということで今日はふと見た光景に思い出を刺激された話。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。
次回以降もお付き合いいただけると嬉しいです。
それではー。

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