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【小話】自称で詐称の場合もある

自転車の違法駐輪の取り締まりをしている警察官がいた。
なぜ警察と分かったかと言うと、使っているバインダーに『police』と表記があったから。

確かに『警察』と書かれるよりは、柔らかい表現だ。
制服も着ているし、見るからに警察官。
わざわざ持ち物に名前を書く必要があるのだろうかと考え、対外的な効果を狙ってのものだろうと納得する。

最近は警察官も名乗らないと疑うもんな。
名乗ってもなお疑わなければならない悲しいご時世だ。

色々と大変であろう警察官の横をドキドキしながら通り過ぎる。
すると「お疲れ様です」と声がかかる。

反射的に「お疲れ様です」と返す。
そのまま歩いて通り過ぎる。

よかった。
バレなかった。
警察官のコスプレをした俺は、自分のコスプレのクオリティの高さに満足した。
本物すら騙される、この完成度。
スキップしそうになりながら駅のトイレに向かう。
この制服を脱ぐために。

もちろん通りすがる人達にも愛想良く対応した。
警察の評価を落としたくはない。

敬愛している警察官達が、今日も頑張って仕事をしてくれることを願う。

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