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日常の動作、すべてがヨガ

もともと、ヨガのアーサナ(ポーズ)は840万あったと言われています。

日本語でも「八百万(やおよろず)」と言うと「無数の」という意味になりますが、840万ものポーズがあったということは、人間の取りうるすべての姿勢がヨガのポーズであると言ってもいいのかもしれません。

現代まで伝わっているポーズは数百種類と言われていますし、私が普段行うのもせいぜい30〜40種類です。

しかし、ヨガをしていると、だんだんと日常すべての動作にヨガとのつながりが見えてきます。

ヨガのクラスに出ているときだけではなく、寝ているときも、歯磨きしているときも、友達とおしゃべりをしているときも、自分の身体と呼吸とエネルギーの流れを意識するようになります。

まさに、日常すべてがヨガの学びと実践の場になるんです。

そんな意識で過ごしていると、これまで見えていなかった人の深いところにある感情や、世の中のエネルギーの流れをなんとなく感じ取れるようになってきます。

それらは必ずしも、表面的な見え方と一致するものではありません。

表では愛情表現を装っていても、深いところでは自分のエネルギーの枯渇を補うためであったり、社会貢献を謳って私腹を肥やしていたり。

そういった理不尽や矛盾に気づいてしまうことも多くなります。

そういうものが見え始めた頃、今まで信じていたものに裏切られたような気分になり、瞑想の先生に相談しました。

「観たくないものが観えるのが苦しいです」

すると先生は一言。

「それも全部雑念だからね」

先生は決して、私の考えていることを否定したわけではなくて、世の中で起こっていること、隠された理不尽があることをすべてわかったうえで、それでも真実に向かい続けるよう諭してくれたのです。

そのときに、瞑想も座って目を瞑っているときだけにするものではなく、日常のあらゆる場面すべてにおいてするものだと、はっきり自覚することができました。

さらに、瞑想やヨガを始めるずっと前から、瞑想やヨガ的な行為は意識の深いところでずっとしていたのだとも気づきました。

ヨガを始めたての方やこれから始めたいと思っている方は、「どのくらいの頻度で練習したらいいのか」「1回何分瞑想したらいいのか」気になるかもしれませんが、日常に対して洞察と意識を深めることが十分ヨガの練習になっていますので、どうぞご安心ください。




Cover photo by Joana Abreu

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