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豊かな人ほど「無の価値」をよく知っている

貧しい人ほど「忙しい」「時間がない」と言いながら、さらに忙しく時間がなくなるよう一生懸命予定を詰め込んでいます。

一方で、豊かな人は時間にゆとりがあって、いつも余裕そう。

私が人生で一番貧乏だったと感じるのは、時間外労働が当たり前のベンチャー企業にいたときです。

夜遅くまで働いて、ストレス発散のためにお酒を飲んで、気絶するように寝て、朝は二日酔いのまま電車に乗って出勤してまた夜遅くまで働く……の無限ループ。

稼いだお金も、ストレス発散のための全く身にならない浪費で全て使い切ってしまい、一体何のために働いているのかわからない状態。

よく調べずに雰囲気で入社した自分が悪いのですが、「生き地獄とはこのことか」という感じで、結局5ヶ月しか続きませんでした。

しかし、一時的に価値観の全く合わない環境に身を置いたからこそ、

「豊かさは、お金やステータスでは測れない。本当の豊かさは、時間や環境、人間関係など、あらゆる要素が複合的に絡み合ったもので、自分の豊かさは自分で見つけるしかない」

と気づくことができたので、今思えば意味のある経験だったのかもしれません。

時間に余裕があることに豊かさを感じるのか、刺激の多い人間関係に豊かさを感じるのか、仕事のやりがいに豊かさを感じるのか……何に価値を感じるのかは百人百様です。

「やりたいことやっているからお金は要らない」と言っている人ほどお金に執着があったり、「仕事が楽しくてやっている」と言いながら本当に向き合いたい問題から目を背けていたり、表面的な主張と潜在的に求めているものが必ずしも一致しないのも人間の面白いところ。

人それぞれ、豊かさに正解は無いのかもしれませんが、傍から見て「この人は豊かな生き方をしているな〜」と感じる人たちには、ある共通点があります。

それは「無の価値を大切にしている」ということ。

「無」というのは、例えば時間で言うと、「何もしない日をあらかじめ決めておく」とか「睡眠時間は必ず8時間確保する」とか「瞑想する習慣を持っている」とか。

また、物質的なものとしては、水を大切にしたり、空気のありがたさを感じていることも「無の価値を大切にしている」と言えるかもしれません。

空気は目に見えないしお金もかかりませんが、豊かな人は、まるでその恩恵を存分に味わうかのように、呼吸がゆったり、深いです。

逆に、いつも「あれもこれも足りない」と焦って不満の多い人は、呼吸が早く、浅い。

「予定の入っていない時間」「お金のかからない空気」を上手に使える人は、結局、普段の時間の使い方も、お金の扱い方も上手で、どんどん豊かになっていくのかもしれませんね。

「無」を大切にする考えは、ヨガにもあります。

練習をすると言っても身体をただ動かせばいいわけではなく、ポーズの合間合間に「シャバアーサナ(死体のポーズ)」という、横たわって脱力するだけの時間を持つことが非常に重要です。

この「何もしない余白」があることで、一つひとつのポーズの効力が発揮され、身体が変わっていくのです。

また、瞑想で普段動き続ける思考を停止させ、「無」の時間をつくることで、身体だけでなく思考の使い方が変わり、人生そのものが変わっていく。

楽しく遊ぶこと、仕事で達成感を覚えること、人との関わりで多彩な感情を味わうことも、この世に生を受けたからこそ体験できる人生劇場の面白さではありますが、さらなる豊かさへの扉である「無」との繋がりをどうぞお忘れなく。

瞑想がしたくなったらいつでもお待ちしています。

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Cover photo by Nationaal Archief

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