予測変換の話。Androidはスターウォーズに支配されている

　スマホやPCで文章を入力しているときに「予測変換機能」というものが働くようになっていて、これが大変便利である。昨日友人とLINEにてスターウォーズの話をした時、この予測変換機能が大活躍した。

　スターウォーズの名ゼリフ、「フォースとともにあらんことを」という言葉を打ち込もうとしたとき、「ふぉーすとと」くらいまで打ち込んだ段階で予測欄に「フォースとともにあらんことを」という文字列が出てきていたのだ。最初私は便利ねぇ、と思ってそれを押したのだが、その後もなんだか非常に文章が打ちやすくて、さすがにおかしい、と気づくことになる。「ダース・ベイダー」も「カイロ・レン」も、すべてを打ち込む前から予測欄に出てきてくれるのだ。（しかも丁寧に「・」付きである。）

　「ダース・ベイダー」は納得していたが、「カイロ・レン」あたりでさすがにおかしいと気づいた。気づいたとなったら、そもそも「フォースとともにあらんことを」なんて全く汎用性のない言葉をすっと差し出すその機能のおかしさに時間差で笑うことになる。

　断っておくが、私はスターウォーズが好きではあるが、ジェダイの騎士ではないので普段から「フォースとともにあらんことを」と言っているわけではない。夏にスマホを買い替えて以来おそらく初めてその文字列をうっているはずだ。にもかかわらず、我がAndroidはあの文字列を示した。予測変換の仕組みはよく知らないけれど、AIがすごいらしい現代のことだから、よく使われている言葉が表示されやすくなるのだろう。「鬼滅の刃」が予測変換で出てくるあたり、そういうことなんだろうと思っている。つまり、「フォースとともにあらんことを」をはじめとするスターウォーズな言葉たちは、巷でよく使われている言葉なのだ。もしそうでないとしたら、Androidはスターウォーズに支配されている。

　わかっている。支配だなんて非現実的だ。それは映画の中でやってもらえばいい。ではどうして予測変換はフォースとともにあるのか、私は一つの仮説にたどり着いた。シンプルに、みんな割と「フォースとともにあらんことを」という言葉を使っている、という説だ。みんなが使うから、出てくるようになる。あまりに単純明快な答えで拍子抜けするけれど、現実なんて案外そんなものなのかもしれない。でもそんな言葉ジェダイ以外使わないはずだ。先にも述べたが汎用性がなさすぎる。ということは、どうやら僕らの周りにはジェダイの騎士がたくさんいたようだ。そんなワクワクするような事実を知ってしまった。

　万が一、その仮説が間違っているのだとしたら、そうであったら残る可能性は一つ。私自身がフォースに導かれているのだ。そうか、近い将来ジェダイになるかもしれないのか。そうだとしたら、暗黒面に落ちたときにすぐに始末されるように、弱いままでいないといけないな。