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退職後の企業型確定拠出年金の扱い方

「確定拠出年金」とは、ある時期「401K(よんまるいちけー)」と騒がれていたアレです。社をあげて説明会を開催してくれていました。懐かしい。

企業型の確定拠出年金(DC)は会社が運営しているため、退職すると加入員資格を喪失してしまいます。退職後すぐに企業で働かない場合には、
個人型DC(iDeCo)等へ自分で資産を移換する必要がある。
・所定の期限までに移換手続きが完了しない場合は、それまでの積立金は自動的に国民年金基金連合会に移換される。
・移換をせずに解約することは原則できないが、例外もある。
となります。

退職後の確定拠出年金の選択肢

そもそも、企業型DCとは、会社が掛け金を捻出して従業員の退職金等にしますよーというもので、場合により従業員自体が掛け金を追加で拠出することもできる制度です。老後の資金づくりのための制度のため、原則60歳までは引き出せません。

退職後に企業に就職する場合で、企業型DCが用意されていれば移換が可能ですが、そうでない場合の選択肢としては、
(1)iDeCoに移換する。
(2)(やむを得ず期間内に移管できなかった場合には)国民年金基金連合会に自動的に移換されてしまう。
ということで、(1)の対応をするのが通常です。

ちなみに国民年金基金連合会に自動移換された場合でも、資産は残るのでギリギリセーフと言えますが、積み立ての継続はできないので資産は増えませんし、自動移換時も移換中も再移換時にも手数料がかかるなど、デメリットが多いので、自動移管は避けた方がよいでしょう。

iDeCoへの移換方法とメリット

総務からの説明時に渡されたパンフレットに、iDecoへの移換手順の記載がありました。
その1:金融機関を選ぶ
その2:「加入者」「運用指図者」を選ぶ
その3:申し込み手続きをする
の3ステップです。

iDeCoのメリットとしては、
・掛け金は全額が所得控除となる。
・運用する場合運用益は非課税となる。
・受け取る際に「退職所得控除」「公的年金等控除」が適用される。
と、節税の効果があります。

金融機関を選ぶ

 銀行だけでなく、信用金庫や証券会社、保険会社などでも申し込みができるようでしたが、手続きに期限があることや、資産運用という側面から他の資産と合わせてオンラインで確認や手続きがしたかったことから、すでに取引のある証券会社で口座を作ることにしました。

となると、
・SBI証券
・マネックス証券
です。

その他のポイントとしては、
・維持費などの費用が安いこと
・良質な商品があって選べること
を考えていました。

iDeCo口座の開設と維持には「初期費用」「管理料」がありますが、それらが最安のラインナップの中に、SBI証券もマネックス証券も入っているので、候補としてはよさそうです。

扱いの商品数は、2020年3月時点で、
・SBI証券(セレクトプラン) 投資信託36本
・マネックス証券 投資信託25本
と、なっており、候補としては十分です。

事前に書籍でいろいろと読んで考えていたのですが、長期的に保有する資産としては、先進国株式、国内債権、バランス型を組み合わせようと思っていたので、人気の「eMAXIS Slimシリーズ」が揃っていて、かつ、気になっていたセゾン投信の「セゾン資産形成の達人ファンド」があるので、SBI証券で問題ないかなと思われました。

「加入者」「運用指図者」を選ぶ

引き続き掛け金を拠出しながら運用する場合には「加入者」として、既存の積立金を運用するだけの場合には「運用指図者」として、申し込むとのこと。

60歳まであと15年もありますし、老後の資金にするためには既存の積立金では心許ないので、引き続き掛け金を拠出していく「加入者」として手続きすることにしました。

何らかの理由で、掛け金の拠出が難しくなった場合には、手続きすることにより「運用指図者」として運用していくことができるそうです。

申し込み手続きをする

SBI証券のサイトから資料を請求しました。

資料を請求してから届くまで1週間と説明があったように、 資料請求してから忘れた頃に、分厚い封筒が届きました。

・パンフレット「iDeCoのご案内」(商品、申し込みの流れ、Q&Aなどウェブサイトでも説明があるような内容の冊子)
・提出書類がミシン目で切り離せるようになっている冊子(表紙に出すべき書類のチェックリストがあって親切)

パンフレットをざっと読み、書類の記入に入りました。見開きの左側に記入例、右側に書面があり、記入がとてもしやすかったです。

必要な書類は、
・個人型年金加入申出書(基礎年金番号、氏名、掛金引落用口座情報、掛金額等)
・預金口座振替依頼書兼自動払込利用申込書(金融機関届出印)
・加入者掛金配分設定届(基礎年金番号、運用する商品名と割合
・個人別管理資産移換依頼書(基礎年金番号、既存の企業型DCの実施事業者、記録関連運営管理機関、資格喪失日
・確認書(基礎年金番号、氏名、住所、電話番号、生年月日等)
・本人確認書類(用紙に貼付:運転免許証表裏 or 健康保険証表裏 or マイナンバーカード表のみ等)
となっています。

準備が必要なものとしては、
・年金手帳(基礎年金番号が必要)
・掛金額の決定
・運用する商品名と割合
・企業型DCの基本情報(企業名、記録関連運営管理機関名の確認)
・銀行届出印、本人確認書類の準備
です。

掛金額の上限は場合により異なるので、自分がどの枠なのか確認しておく必要があります。私の場合には、国民年金の第1号被保険者となるので、国民年金基金または国民年金付加保険料との合算で月額6.8万円まで可能とのこと。ただ、収入目処もまだ立っていないので、上限までの拠出は難しいかなと思い、若干低めに設定しました。

運用する商品名と割合は、事前に事例を見るなり本を読むなりして検討しておいた方がいいかもしれません。投資信託の組み合わせ方は、ネットでも本でもいろいろと考え方がありました。

まず大前提として、長期の資産運用となるので、ノーロード(手数料がかからない)のインデックス型(市場の平均と同じ動き)を選びます。そのうえで、国内、海外、先進国などの場所と、株式、債権、バランスなどの内容で、自分の方針と合わせてチョイスするのがよさそうです。

安定型を目指す場合には債権型を多めに、リスクやリターンをある程度想定するのであれば株式を中心に、見直しをあまりせずにお任せしたいのならバランス型、など、自分の性格や考え方に合うのはどういう商品なのかイメージしました。多くの人が選んでいる(純資産総額が多い)というような安心材料も選択の根拠となります。

企業型DCの基本情報は、定期的に報告されていた運用内容の書面を参照しました。大事そうなものは取っておかないといけませんね。取っておいてよかったです。

これらの必要書類をポストに投函したのが4月1日。で、4月25日にiDeCo口座のIDと初期パスワードが届きました!3週間程度はかかるんですね。さらに資産の移管は、ここから1-2カ月後になるとのこと。

移管手続きの完了期限は、退職日の翌日が属する月の翌月から起算して6カ月以内。私の場合には、5月から6カ月以内なので10月末までに移管完了しなくてはなりません。

このペースであれば、7月には資産の移管まで完了するかしら、という予測です。コロナの影響もあるでしょうし、どうなるかな…。いずれにしても10月末までには終わるだろう、と、ひと安心しておきます。

なお、掛け金の金額や運用商品と割合は書面で提出していますが、移管される資産については何らの申請もしていないので、別途で配分の設定が必要とのこと。IDとパスワードのお知らせと一緒に説明文書が入っていました。

またお悩みがひとつ増えてしまいましたが、掛け金と同じ方針で、先進国株式、国内債権、バランス型を組み合わせることにしました。

※この指定を行わない場合には、「指定運用方法」に従って運用されるとのことで、SBI証券の指定運用方法は、セレクトプランの場合は「SBIグローバル・バランス・ファンド」となっていました。

まとめ

退職後に企業に就職しない場合の企業型確定拠出年金の扱い方(何を考えればいいのか)は、以下の通りです。

1 . iDeCoについて知る:iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリット、自分が拠出できる上限額などを把握し、60歳までの運用をイメージしておく必要があります。

2 .投資信託について知る:iDecoという仕組みではありますが、結局は投資信託の運用となるので、投資信託の商品性や種類と特徴を把握して、今後どういう運用をしていきたいか考えておく必要があります。申し込む金融機関を選ぶ際にも取り扱われている商品が大きく関わってきます。

3 .速やかに手続きする:掛け金や割合は後からでも変更できますので、所定の期限までに資産が移換できるように、早め早めの手続きをすることをお勧めします。

基本的にはどの金融機関にも、iDeCoについてのていねいな説明やQ&A、電話相談窓口があるので、困ったり迷ったりしたら、とりあえず相談した方が早そうな印象でした。(実際、私も二度ほど電話で問い合わせました!)

以上


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