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フィロソフィア:哲学する

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哲学者が何と言ったかではなく、私だったらこう思えるか、を重ね合わせます。
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記事一覧

隣にはスピノザさんがいてくれた

何も考えずに笑い飛ばす方が楽な時。 感情に塗れて泣きじゃくる方が楽な時。 自分と異なる意見や考えかたを「嫌い」と整理するのが楽な時。 私は、スピノザさん(Baruch/Bento/Benedictus/Benedict De Spinoza)の名前を思い出したい。 Non ridere, non lugere, neque detestari, sed intelligere.(笑うな、泣くな、憎むな。ただ理解しろ。) 記事を編集した人は、 "このスピノザの言葉は

【偶像の黄昏】信じたいものを探した先には、ミイラしかいなかった

言葉は自由で、生きている。 「私」は、無意識に、自由で、生きている「誰か」の言葉を切り取って、「私」が信じたいように解釈する。「私」の心が助かりたいように、受け取る。 この瞬間に、言葉は、「偶像崇拝者」がしたように、「私」にミイラにされてしまうのかもしれない。 生きていた言葉たちが、「私」によって概念にされて、「私」の手から逃れられなくなった。 「それで「私」の心が救われるならいい」 これもきっと真実。 でも、私は、相手の言葉を「生きた自由な言葉」として、私の言葉

【良きサマリア人】助けてあげるから助けられる可能性へ

子供の時このお話を教会で聞いた時、「サマリア人みたいに、人に親切で優しい行動をしなきゃ」と思った。 大人になって、「ユダヤ社会」について知ると、違うメッセージが見えてきた。 私は人を助けようとしていた。でもこれは、「人に本当に助けられることはどういうことか、を知る」メッセージだと言うことを知った。 良きサマリア人とは:典型的ないい人?ルカ10章25節から、有名な良きサマリア人の話が載っている。 キリスト教の宣伝や宣教がしたいわけではないので、リンクは載せない。*ググれ

プシューケーとエロースと喜びと

絶世の美女プシューケーは、美の神ウェヌスの嫉妬を買った。ウェヌスは息子、エロース(ラテン語のクピド・英語のキューピッド)が、プシューケーに矢を討って卑しい男と結婚させるよう仕向ける。間違って、エロースはその矢を自分に当ててしまい、プシューケーの虜になる。紆余曲折(二人の試練)を経て、最後は神々の前に祝福を受け、プシューケーとエロースは「結婚」し、ヲルプタスを生んだ。 「恋愛」の概念のもとになったこのギリシャ神話。 私はむしろ、この物語を読んで、恋愛という概念が生まれる前の