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森会長の発言で、202030が進まなかった理由がわかった。

東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の発言&逆ギレ会見がSNSもテレビも賑わせている今日この頃。

「でも、まだ詳細知らないんだよねー」という方はこちらの記事をぜひ。8000文字に及ぶほど詳細を解説されています。全文も引用されていますよ!


1、202030ってなに?

さて、『202030プロジェクト』をご存知でしょうか。
2003年に内閣府・男女共同参画推進本部が決定した目標です。

社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的位置に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標


では実際、今どうなの?・・・管理職級の女性登用は、10%程度に止まっているのが現実です。
おいおい、もう2021年やがな。18年経っても全然進んでないやんけ。

こちらは厚労省が発表している資料から抜粋。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000056002.pdf


道の駅の女性駅長も全国1180駅のうち、8%です。
体感としても間違いない数字かと思います。


SNSでも「全文読んだら、女性蔑視でも何でもないじゃないか!またメディアの切り取りだ!」という方も多くいらっしゃいますが、私はそうは思いませんでした。
むしろ、そこに女性活躍が進まない理由が凝縮されていたと感じました。
その理由について、少し解説してみたいと思います。


(数字的な目標を立てても、達成できないのは行政あるあるなので(笑)そこはツッコむのはやめましょう。)


2、数で選ばれるべきではないという男性優位の考え方


”どなたが選ばれたって良いと思いますが、あまり僕は数字にこだわって、何名までにしなきゃいけないというのは、一つの標準でしょうけど、それにあんまりこだわって無理なことはなさらないほうが良いなということを言いたかったわけです。”


文科省がうるさいからという理由だけで、多様性のある社会を求めているわけではないのか?という質問に答えたものです。

これの何が悪いの?と感じる方も多いと多います。
数合わせだけで選ばれるのであれば、これまで頑張ってきた男性がかわいそうじゃないか、実力で選ぶべきという理屈です。

確かに、それは逆差別だと受け取られる人も多いと思います。
ですが、その同じ気持ちを女性達は何世紀も味わってきているのです。

鼻くそほじって上司に媚びてるだけの男性がどんどん重用されていくのを横目で見てきた女性の気持ちを、森会長は思いが及ばないのだと思います。
無理なことをしなければ社会を変えることはできないという事がこの17年で証明されているのではないでしょうか。


3、わきまえた女性しか認めない


”私どもの組織委員会にも、女性は何人いますか、7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます。みんな競技団体からのご出身で国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですからお話もきちんとした的を得た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っていますが、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。”


会見のあちこちに「私が認めた女性しか認めません」というワードが散りばめられていますよね。
おそらく、これは女性だけでなく男性に対してもそうなんでしょう。

わきまえていることは大切です。
ですが、ご本人の好き嫌いが見え隠れすることは否めない…
女性蔑視以前に、組織委員会の長として多様性のあるリーダーシップを発揮されていないと感じられるのは本当に残念です。

4、女性は決して競争意識は高くない

”女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。”


女性のみなさん、どう思いますか?
これ、女性は…って言いながらも男性的な見方だなぁと思ってしまいました。

誰かひとりが手を挙げて、それに続くのは確かに女性の性質です。
ですがそれは競争意識ではなく「言える雰囲気じゃなかったから言えなかった、でもその空気が変わったから言える」という状況だと思います。

そもそも、女性が自由に発言できる空気ではなかったのでは?

5、チャンチャン会議がデフォルト

”結局女性っていうのはそういう、あまりいうと新聞に悪口かかれる、俺がまた悪口言ったとなるけど、女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります。”


まぁ、要はチャンチャン会議がデフォルトなんですよ。
既に決まっていることをオッケーと言わせるだけの会議。
だから、余計な話を挟んでくる人は邪魔なんでしょう。以上。

6、とはいえ、こんな方は山ほどいます。

とはいえ、森会長が特別だとは私は思いません。
これをもって「辞任だ!」というのも違うと思います。

おそらく、森会長にしかできないことがあるのだろうと思います。

202030が進まなかった理由は、実は、結局2、の理由に集約していると思います。
数でものを言うな、実力で測れと。


2003年、私は子育て真っ最中でした。
2020年には、もっと女性が社会で活躍することになるんだ!って期待した。
でも、20年近く経っても何も変わっていない状況があります。
ほんとに、ほんとに何とかしたい。

ありがとうございます😊 引き続き優良な情報をお伝えできるように頑張ります!