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秋がきたのが嬉しくて、夕方と夜の隙間に住宅街をふらふら歩いた。
このままどこまでも行けるって、いつも忘れてしまう。
めちゃくちゃ部屋着だしサンダルなので、行けないんだけど、ほんとのほんとは行けるのだ。

晩ご飯のにおい、窓明かり、人の気配。この時間の住宅街が好き。
遠くのマンションの窓がいくつも光っているのは特に好き。
でも姿の見えている知らない人は全員怖いし嫌いなので、あの明かりやにおいに、私はなにかの概念とか自分自身の郷愁とか、そういうものを感じているだけなのかもしれない。そこに本当に生きている人はいない。さみしい。

ただぼーっとしたいけど、どこかに座ると服が汚れるし、できればただただ立ち止まりたい。でも、ただ立ち止まるって、なんか、できない。立ち止まっている人は、なにか困っているか、どこかの家を監視しているか、誰かを待っているか、そういうなにかしらの意味を感じさせてしまう気がする。ただ立ち止まるのって、怖い。できない。
そんなふうにいつも誰かの目を気にして、誰かにペースを合わせて生きている。

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