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八極拳の六大開拳!!李書文八極拳の戦闘法と六大硬架拳

八極拳には「六大開拳」と呼ばれる套路(型)が存在します。

これは、開法原理とも呼ばれる戦闘法に基づいて構成された套路となっています。

李書文の晩年の八極拳においては、上記のように「六大開拳」とは別に、「六大硬架拳」という套路も練習します。

「六大硬架拳」とは、他派の八極拳における「六大開拳」の戦闘原理を持つ套路です。

これは、当流の「六大開拳」が、他派の八極拳の「六大開拳」の技法とは違うからです。

一説では、八極拳の名人で「神槍」とも呼ばれた「李書文」が、晩年に「六大開拳」の戦闘法を再構成したからだと言われています。

中国の武術では、套路に内包されている技法、戦闘法を漢字一字で表す場合があります。

門派や系統にもよりますが、一般的にこの事を「字訣」と呼びます。

門派や系統によって多少のバラつきはありますが、一般的な八極拳門派の「六大開拳」の開法原理を表す字訣は、「頂、抱、弾、提、股、纏」です。

しかし、当流の「六大開拳」の字訣は、一部同じ部分はありますが、全く違った字訣、戦闘法で構成されています。

通常、この再構成された「六大開拳」を訓練します。

しかし、どのような変遷を経て、この套路が構成されたかを知るために、一般的な八極拳の「六大開拳」に相当し、当流では「六大硬架拳」と呼ばれる、再構成される前の戦闘形態を持つ套路を訓練するのです。

また、八極拳の「六大開拳」という套路(型)の形態は、極めて簡素に構成されています。

それは、複雑な形態だと変化させにくく応用性がなくなってしまうためです。

単純な形態の中に、原理を内包させる事によって、その時の状況によって形態を変化させます。

複雑な形態のものは、決まった状況でしか使えません。

しかし、単純な形態の套路のみを教習されても、変化のさせ方を知らなければ使う事は出来ません。

そのため、原理を内包させたまま形態を変化させる方法を学ぶ必要があります。

当流では、「六大開拳」を教習する場合、「六大開拳」だけでなく、「六大開変化拳」と呼ばれる套路を練習します。

これは、「六大開拳」という套路の変化の方法を学ぶ套路です。

この「六大開変化拳」で学ぶ変化は、「六大開拳」を運用するための最小単位の変化を示したものとなっています。

つまり、「六大開変化拳」とは、「六大開拳」を実戦運用するために、変化の方向性として、一例を示した套路だと言えます。


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