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深紅?真紅?のガーベラ【2021/10/05】

「|《くれない 》」。もとは「くれ の藍」から変化した言葉だという(『日本国語大辞典』より)。「呉」=外国から渡ってきた「藍」=染料とうことで、紅花のことを差すそうだ。花びらは黄色なのに、染めると紅になるのがとても不思議。

紅のガーベラを買ったので、「」にまつわる話をつらつらと。

」を彩る形容詞は「鮮やか」。作家の故氷室冴子さんが「一番の褒め言葉は『鮮やか』だと思う」というような趣旨のことを、小説の後書きで書いていた。

ところで、「真紅」と「深紅」。辞書で調べると、【真紅・深紅】となっている。どちらでもOKなのだろうか? 一番多く使われるシーンは、夏の甲子園だろう。高校球児たちの頂点に立ったチームに贈られる「深紅の大優勝旗」。こちらは「深紅」の表記で統一されている。

最後に、気を揉んでいる「」。それは、漫画『ガラスの仮面』最終章『紅天女』である。最終章に入ったのは、私が子どもの頃。紆余曲折を経て、単行本は2021年10月現在、49巻まで刊行されている。

何回も「50巻出る出る詐欺」に遭ってきた。「最終回は決まっています!」なんていう原作者美内すずえ氏の言い訳も聞き飽きた。単行本化する際に描き直すだけにとどまらず、ストーリーも加筆修正するから、雑誌掲載時と単行本とパラレルワールドができている。

熱烈なファンだった私。舞台にも、お能にも足を運んだ。あまりにも待ちすぎたために、熱が冷めてしまった。言いたいことは山ほどあるが、一言だけ。いくら名作といえども未完のままで終わったら、1つの作品としては不完全ということになる。もはや完結しないだろうと覚悟している。

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