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瀬戸内寂聴さん逝去 新聞各紙1面で報道【2021/11/11】

もしかしたら、この人だけは不死ではないかと思っていた―。瀬戸内寂聴さんが亡くなった。享年99歳。大往生である。訃報が入電したのは、11月11日の昼過ぎ。訃報の発表が公式のインスタ更新とは、常に目新しいものに若々しい好奇心を示したこの方らしい。新聞各社にとっては夕刊の締め切りが迫っていた時間帯だった。降版時間によって、フラッシュで入れられた社と、入れられなかった社と対応が分かれた。

さて、一夜明けた12日付の朝刊で、各紙はどう報じたのだろうか(順不同)。
【朝日新聞】1面2番手の扱い 見出し「瀬戸内寂聴さん死去 99歳 作家・僧侶 女性描く」
【読売新聞】1面3番手の扱い  見出し「瀬戸内寂聴さん死去 99歳 「夏の終わり」「美は乱調にあり」」
【毎日新聞】1面2番手の扱い 見出し 「瀬戸内寂聴さん死去  作家・僧侶 源氏物語現代語訳 99歳」
【日経新聞】1面3番手の扱い 見出し 「瀬戸内寂聴さん死去  作家・僧侶、99歳  文化勲章を受章」
【東京新聞】1面1番手の扱い  見出し「瀬戸内寂聴さん死去 女性の自由と自立追求  99歳  作家、僧侶、文化勲章  命懸け 戦争・死刑・原発に反対」

各紙とも本記を1面出し。社会面でも足跡や評伝、親交のあった著名人の追悼コメントを載せて、大展開だった。文学作品による書き言葉だけではなく、僧侶としての多彩な言動でも、多くの人々に語りかけてきた寂聴さん自身の波瀾万丈の生き方そのものが、それだけ巨大な存在だったということなのだろう。1面の見出しに、彼女オリジナルの文学作品を挙げたのが、読売だけだったのが象徴的だ。寂聴さん自身は、自分の死後に残る文学的業績は源氏物語現代語訳だと語っていたらしいけれど。

数ある記事の中で一番心に残った寂聴さんの言葉をご紹介しておきたい。朝日新聞のコラム「天声人語」から引用させていただく。

「作家のNHKの番組で語っていた言葉が忘れられない。『作家に余生はない。書くからこそ、空も青いと感じる』

この言葉は、noteに書いている人たちの実感ではないだろうか。

書くことに命を懸け、天寿を全うした稀代の人に合掌。

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