難しい本を読め!
読書が好きではない人にとっては、そんなことは無理だと思うだろう。
「簡単な本ですら億劫なのに……」
僕はいろいろな本を読むが、最近かなり難しい本を手にとってしまい、なかなかページが進まない。途中で放り出して別の本を読んでしまうのは許せないと思う質なので、なお読書のペースが減ってしまっている。
こういう状況を何度経験しても難しい本を手にとってしまう。難しいので読後に理解した内容は1%にも満たないと思う。本を読む目的が知識や教養の醸成だと思っている人が大半であるに違いないが、知識を獲得するだけならスマホがあれば充分な時代に本を読むには他の目的も必要であろう。
本を読む目的は、本を読む行為そのものである。本を読むことでしか得られないことがそこにはある。集中して読むことが、読書の鉄則であると信じてやまないが、僕は本を読むと集中力が散漫になってしまう。これでは内容の理解が困難になる。
でも、それでも僕はいいと思う。読書中に何を考え何を思うか自由でいいじゃないか。内容に即して考えていくこともよいが、「今日の昼ごはんはどうしようか」「今日の仕事はうまくいったな」みたいな本とは関係ないことを考えることもよいと思う。じっくりと思考を巡らすことができない現代に、読書を通して様々な思考を反芻させることができる。
そして、考え疲れたら眠ればいい。目覚めると頭がスッキリする。本の内容は人生を通してゆっくりと理解すればいい。難しい本を理解することは一朝一夕では叶わない。
読書という行為は、人を豊かにする。それは、文章から得られること以上にその時間から得られることが大きいと僕は思う。
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