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一極集中は効率的か

人口増加している都道府県は、東京都と沖縄県しかない。

特に東京都は3年で5万人増加しており、1年ごとにちょっとした町が新たにできている感覚である。

このような一極集中の傾向は今後も見られるであろうが、一極集中によって経済がより効率的になり、人々に幸福をもたらすのであろうか?

もちろん東京に住めば、仕事はたくさんあるし、美味しい店もたくさんある。魅力的な人もたくさんいれば、楽しい娯楽もたくさんある。

一方で、毎日満員電車に乗らないといけないし、行列に並ばないといけない。どこも人の波で、得られる物も限られる。

人も物もサービスも全て、渋滞、飽和しているのだ。処理しきれないほどの情報が溢れ返り、ストレスとなる。

それだけでなく、全てが東京で生まれるものでもなく、人、物の多くは、東京から遠いところからやってくる。東京の人は食べ物がどこから来るのかわかるのだろうか。レストランに生えてくるものではない。田舎の農家/漁家が育てた/獲ったものである。遠い場所から輸送され東京のお高いレストランで調理される。なんと非効率的なことか。

あらゆるものが集まっていてもそこに住む人は1%も消費できない。ひたすら消費するものを選別することに労力を費やし、ストレスを溜めるだけ。

一方で人、物に対し、サービス、情報は東京に偏りすぎていると思う。今やリモートワークは当たり前、ネット環境はどこにでもある。東京に集まる必要はもうないのだ。

もちろん、田舎に住むこと礼賛しているわけではない。なぜなら田舎は普通に不便だからだ。交通手段は限られるし、仕事はない。でも都会に住む人が思っているより普通に暮らしやすい。美味しい店もあるし、それに並ぶ必要がない。Amazonも3日あれば届く。

個人の選択として東京に住みたいから東京に住むのは、何も考えていないことと同じである。東京も田舎も平等に効率的で非効率的である。

日本語には「住めば都」という言葉がある。どこでも住んでしまえば、いいところだと思えるようになる。裏を返せば、そこじゃないと住みたくないと思うことがないということだ。東京は「住めば都」を超えられる場所になるだろうか。日本人は住む場所についてフラットな目線で考える時代に突入しているのかもしれない。

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