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私が2022年度中小企業診断士試験合格に至るまで

こんにちは。現在、行政機関に所属し、起業家やベンチャー企業の支援を行っているはたしょです。

この度、2022年度中小企業診断士試験に合格しました。
今回は、中小企業診断士を目指した理由と、中小企業診断士試験合格に至るまでの道のりをお伝えします。
細かい勉強方法などを記載していきますので、是非これから診断士を目指す皆様の何らかの一助となれば幸いです。

記事を書く理由は大きく3つあります。

1.診断士合格までの過程での妻への感謝を忘れないため。
2.自分の決意を表明して文字に起こすため。
3.同じ目標をこれから目指す方にリアルをお伝えしたい。

これらが前提となりますので、長文となりますが、それでもお付き合いいただける同じ目標をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非、最後までお読みいただけると幸いです。

私が診断士を目指した理由

私は、現在、関東の地域金融機関に勤めています。
「金融の力で地方創生を行いたい」との想いで、新卒で入社し、個人営業・債権管理・法人営業などを担当しました。

2020年4月からは、社内の外部出向の公募制度を活用して、地方行政機関に出向しました。そこでは、企業誘致とベンチャー企業支援に携わりました。

企業誘致では、県内企業の再投資、県外企業の県内立地を後押しする支援施策活用の営業を行っていました。その中で、数々の用地情報を提供し、とあるスタートアップ企業の県内工場誘致を実現しました。粘り強く様々な不動産業者から用地情報をもらい、選定・紹介した土地に見事立派な工場が建ちました。これまでの人生においても、達成感がある仕事でした。
こういう仕事も出来ておいた方がいいなと思い、その時、宅建士資格も取りました。

前述の企業は、社会課題の解決のために革新的な素材で地球を救うことをミッションにご活躍されています。ベンチャー企業には「社会を変える凄い力がある」ことを身近に感じる中、出向者としては異例でしたが、異動となり、起業・ベンチャー支援を行う部署に配属となりました。

出向先の行政では、起業前・起業後・育成期・成長期に至るまでの支援内容を揃えており、起業家やシード期、アーリー期の方を中心に、一貫した支援体制を整え、アクセラやオープンイノベーション支援を行っています。

これまでの金融機関での業務は、いわゆる法人既先と言われる既に取引が長年ある法人のお客様への営業が中心でした。新規事業・起業・ベンチャービジネスとは全く無縁で、それらについて深く考えたことも考える時間も余裕もありませんでしたので、全てが新鮮でした。

当然、委託先とのミーティングや、起業家との交流を重ねる中で、何を言ってるのか分からなくなる時が頻発しました。カタカナも多いし、正直、起業家・スタートアップ界隈の単語、大半が分かりませんでした。
この時に、自分は、既先企業の運転資金・設備資金融資の内部資料や稟議書の作成と、上辺だけのコンサルテーションしか出来ないのだと痛感しました。

出向期間終了後は「地方創生」に携わりたいと考えていました。今後、地域や地域企業を活性化する上で、スタートアップの技術やサービスの活用も不可欠となる中で、今後出会う方々のためにも、一般教養を身に付けなければならない。

これが、私が診断士試験合格を本気で目指したきっかけです。

診断士資格は意味がない、役立たないと、どこかで噂されているのは知っていました。私はそうは思っていませんが、この一般教養を学ぶという観点からは、必要十分な目標設定であると考えましたし、日頃、金融機関出身ということで融資のご相談をいただく機会も少なくなかったので、その際のサポートの厚みを増したいという想いもあり、本気で挑戦することに決めました。

勉強方法のご紹介

勉強は主に「スタディング」を通じて行いました。理由は安いから。手元資金=受講料という感じでしたが、抵抗もなく決済しました。(スタディングは、急成長企業としても知っていたので、応援の意味も込められていたのでしょうか。)

主な勉強時間は、以下の3つです。

1.徒歩含めた往復約3時間の通勤時間
(始発駅なので座って行くことが可能です)

2.お昼休みの1時間
(行政ではしっかりと休憩を取ることができました)

3.休日の家事時間
(掃除、買い出しの時間など)

また、あらかじめ、合格までの道のりを簡潔に記載します。

2021年4月より本格的に勉強を開始
2021年8月一次試験3科目合格。
(経済学・財務・運営管理に合格しました。)
2022年8月一次試験にて残り4科目合格。
2022年10月二次試験 筆記通過
2023年1月二次試験 口述試験合格
という形で、一次を2回、二次を1回受験しました。

一次試験対策について

基本形は、スタディングの講座を単元毎に聞き、それが終わったらすぐに問題・過去問を解く形としました。
最初の1回だけは動画も見ましたが、2回目以降は音声のみで聞き流しました。早さは2〜3倍速です。
行きの徒歩でインプット、行き帰りの電車でアウトプット、帰りの徒歩でインプット、帰宅後の隙間時間でアウトプット・・・基本的にこれの繰り返し。
これを5〜10回転以上(2021年不合格となった科目はトータル10回転以上しています)させました。
休日も、お風呂掃除しながら、買い物しながらインプット、インプットした分だけアウトプットして、平日を迎える。
これをルーティンとしました。

これまでの累計勉強時間

また、基本的にスタディングを信じてやりましたが、2022年度の受験時には、市販のテキスト・問題集を購入し、5回転以上しました。

追加で購入した一次試験対策の参考書


市販のテキストで、スタディングでは網羅しきれない細部の知識をインプットし、スピード問題集で、今年ならではのオリジナル問題にも対応することを重視しました。特に、中小企業経営・政策を重点的に行いました。

また、過去問10年間がまとめられている問題集も購入しましたが、スタディングの過去問題が有れば事足りると思いました。それでも、これらも各5回転くらいしたと思います。

その後、LECと大原の模試を受けて、今年狙われそうな分野の情報を収集しました。模試は受けておいて良いと思います。

以上のように、アウトプットをしっかりと行うことで、一次試験を無事2年をかけて突破することが出来ました。

二次筆記試験対策について

二次試験の勉強は、一次試験終了後の帰り道から、情報収集をすることからスタートしました。スタディングでは音声講座とロジックマップの活用が推奨されていました。この講座形式を否定するわけではありませんが、直感的に自分には合わないと感じ、活用を諦めました。

また、「本当の試験は二次試験。一次試験と二次試験は並行して行おう。」という記事を目にすることがありましたが、私は並行した勉強が出来ませんでした。
なぜなら、一次試験の7科目の知識が全くない状態でしたので、その中で、二次試験の勉強をしてもどっちも頭に入らない、そう判断したからです。
人の記憶にも限界がある、ゆえに、一次試験日までは一次試験の勉強しか行っていませんでした。

二次試験では、独学者の必読本と呼ばれる下記参考書を揃えました。なお、一次試験勉強で行っていた移動中のインプット・アウトプット作戦が二次試験勉強では使えなくなります。ここからは、家族には申し訳ない思いだったのですが、今まで以上に休日にまとまった勉強時間を確保するようになりました。

二次筆記試験のために揃えた参考書

揃えたのは、ふぞろいシリーズと全知・全ノウ、事例Ⅳの問題集2冊です。
(後で知りましたが、ふぞろいは、昨年合格されたふぞろいな合格答案プロジェクト事務局の方々が作成されており、全知識などは、一発合格道場のみなさまが作成されているんですね。お忙しい中で、有志で動かれている過去の合格者の皆さまには本当に感謝せねばなりません。私も執筆活動に加わろうと思ったのですが、家庭を優先したいという想いから、断念しました。そういったことも、この記事を書く理由に繋がっています。)

ふぞろいな合格答案・答案分析は、解答の公表がない二次試験において、過去の合格者の答案に共通する「フレーズ」や「キーワード」を抽出し、独自の模範となる解答を示した参考書です。二次試験の勉強は「ふぞろい」しかないという前評判を信じて、スタディングのロジックマップなどは一切参照せずに、事例毎に、合格者の答案に頻出のワードをノートにまとめて覚えていきました。

並行して、自分に見合った「解答手順書の作成」を行いました。私の場合は、ロジックマップなどで整理する時間はどうしても取れず、文章からSWOT・社長の想い・逆説・否定文・唐突な文章に絞ってマークし、頭の中で骨子を作成、そこから問題文に見合った解答を作り上げ、直で解答を記入していく形となりました。(なので、消しゴムもよく使いました。)

ノートに事例毎の要点を整理

解答手順書を作り上げるためにも、早い段階で、一度模試をすることをおすすめします。とにかく時間がないことが分かると思います。マーカーのキャップを開ける、ペンを持ちかえる時間すら惜しいです。
時間通りに解いてみることだけが大事で、ズタボロにやられても気にしません。

二次公開模試の結果(手応えはありましたが・・・)

また、文房具にもこだわりました。ノック式のマーカーを用意し、キャップを外す時間を短縮し、S・W・O・T・社長の想い毎に色分けして使います。
ちなみに、本番では、プレッシャーや緊張からなのでしょうか、なぜかそれらのルールを無視し、ほぼシャーペンで与件文にメモしていました。笑

手順が定まったら、ひたすらその手順で、ふぞろいを解いていきます。私は過去10年以上のふぞろいを揃えましたが、正直全部は出来ませんでした。5年〜10年分くらいを3回転した程度です。
解き方も人それぞれでいいと思います。「時間をかけて骨子作成→解答を実際に記入する形」でもいいと思いますし、「骨子・キーワード・ポイントだけを思い浮かべて次の問題へ進む」でもいいと思います。

少し時間は飛びますが、口述試験の前に、2022年度二次試験の事例Ⅰ〜Ⅳを何度も何度も読み聞きして、与件文の理解、SWOT分析、経営課題はなにかをまとめていくことをします。ここまで与件文を見つめると、この問1〜問5までの問題を通じて、出題者は、ここに気付いて欲しいと思っているんだなと分かるようになります。力を入れて事例に向き合いますので、事例企業の経営課題が見え、「なんでこんなことを与件文にわざわざ書いてるんだろう、そうか、この問題で使うんだな」と気付くようになります。この気付きはとても大きかったなと思います。なので、一度解いた事例でも、じっくり時間をかけて再度解くという形も、このような気付きに到達するためにも有効だと思います。

2022年度二次試験事例企業の解答ポイント(※予想)
事例Ⅰ:事業承継、人材の確保と定着
事例Ⅱ:SやOを活かした戦略、減少する取引対応
事例Ⅲ:短納期を目指す取組、技術承継対応

よって、練習段階から、事例にじっくり向き合うということは非常に重要だと思います。その考え方が本番でも出来ると、高得点に繋がるのではと考えています。
しかし、一次試験から二次試験まで時間がないですし、試験時間自体も80分しかないので、どうするかは人それぞれだと思います。

私は、質より量を重要視して、ただひたすらに、骨子・キーワード・ポイントだけを思い浮かべて次の問題へ進むを繰り返しました。
書きの練習も大して出来なかったです。「理由は、」「課題は、」等の書き出しや、課題と問題点の違いなどを意識し、こんな感じで書こうと頭で思い浮かべて、ちょっと文の構成だけ殴り書きして、次の問題へ進むと言ったイメージです。
しっかりとした記入した解答を作ったのは、模試と本番の時のみだったと思います。

おかげで、過去の合格者が用いたワードや表現方法といった武器は、人一倍インプット出来たと思います。

本番でも、この質問文にはこのキーワードという反射的な解答とはなりましたが、大外しすることもなく、結果AAABで筆記試験を突破することが出来ました。

2022年度二次試験筆記試験 開示得点

本番直前に、上辺だけの解答しか出来ていない、その企業の経営課題などを踏まえた解答が出来ていない、ふぞろいでのキーワード対策しか出来ていないなどと感じて、かなり焦ったこともありました。
しかし、80分の中で、与件の隅々まで読み込み、その企業に適した出題者が意図する解答までは導けないと判断し、そこは割り切りました。
ここは、自分に合った解答方法(勉強方法)を見つけて下さい。

また、事例Ⅳについては、事例Ⅳの解き方と事例Ⅳの全知識&全ノウハウ、さらには模試の内容をこなす程度で大丈夫だと思います。私の場合は、それぞれ3回転くらいしてインプットし、ノートにも要点をまとめることとしていました。

二次口述試験対策について

次は、口述試験対策についてです。
実は、筆記試験、完全に事例Ⅳで足切りだと思い、落胆して帰ってきました。少し発展的なDCF法とセールスミックス関連の問題が出題され、さらに、第1問目の財務分析では、生産性指標を答えよという条件付き。
解ける問題から解いたのですが、一通りやって約8割くらい白紙という状態となりました。これはまずいと思い、なにか記入だけはしようと思い、ほぼ全ての解答欄をとりあえず埋めました。

今までの努力を水の泡にするような難易度だったと嘆き、「家族に申し訳ない」という想いで帰ってきて、再現答案の作成すら行わず、1カ月程度過ごしていました。
その後、メンタルが回復したあたりで、マーケティングの出題者の1人である岩崎さんの本を読んだりしながら、クレアールの二次試験対策講座を申し込み、二次試験の勉強を再スタートしていたほどです。

事例Ⅱに繋がる書籍

淡い期待を抱きながら、筆記試験の結果発表を恐る恐る確認。なんと番号があります。大変驚きました。

知り合いの先輩診断士の方に、「二次試験(筆記)の手応えはあてにならないし、去年も全くダメだと落胆していた受験生が受かっていたよ。」とお話しをいただいたことがありました。本当なのかなと思っていましたが、まさにその通りとなりました。
私はDCF法の問題は壊滅、セールスミックスの問題も全く自信がなかったです。他の受験生の中でどれだけ準備をしたかは分かりませんが、自分が解けないと周囲もきっと解けないですし、調整も入る可能性もありますので、確かに手応えはあまり関係ないのかもしれません。運も味方してくれたと思います。

そして、急いで口述試験の情報収集を開始します。

情報収集では、99%落ちない。自分が書いた筆記答案の内容は関係ない。黙らない。対話を楽しむ。全問「分かりません」だと落ちる。2分で話すことを心がける。冒頭は、相手の質問をオウム返しで話してから、意見を話し始める。コロナ感染が最大の敵。などを確認し、ふぞろいさんと一発合格道場さんが有志で開催している口述セミナーに申込をして、当日のイメージをつけることとしました。

並行して、試験まで2週間程度しかなかったので、各事例のまとめ、YouTubeで事例与件文の聞き流し、大原・TAC・ふぞろいさん・合格道場さんが出す想定問題集を解くことを徹底して行いました。
妻にも、試験監督役を務めてもらい、本番さながらの対策を何度も行いました。
また、口述試験前1週間は、上席に理由を話して在宅勤務を中心としました。

よほどのことがない限り、受かるとわかっていても、準備はしっかりした方が良いと思います。事例の深掘りは、こういうことを伝えたかったんだと、気付かされることが多く、時間のある限りやった方が良いと思いました。

私は、試験当日までに、A社〜D社の「SWOTはなにか」「経営課題はなにか」「3C分析結果」、「与件文に出てくる用語」、「想定問題集の質問に対する解答」は、ほぼ何も見ずに答えられるように、徹底して学習し直しました。

まさに、君はちゃんと診断士になったら事前に準備出来るのか、ということを一連の準備の中で試されていたような気がします。

こうして、ある程度の準備を行い、当日は約2時間前に試験会場に到着し、リラックスしてその時を迎えます。

口述試験の内容について

意外と気になる口述試験の内容です。
私は、A社とC社から各2問ずつ問われました。

おお、左の人は怖そうだ、右の人は優しそうだという印象を抱きつつ、名前・和暦での生年月日・よろしくお願いします!をかなり大きな声で伝え、発声の準備を行いました。

第1問 A社がとるべき組織形態について教えてください。

はい、A社ががとるべき組織形態について、私の意見を述べさせていただきます。
とるべき組織形態は「事業部制組織」です。A社がもつ栽培部門や、今後新たに注力していく直営店部門をそれぞれ事業部とすることで、意思決定を各部門に応じた形とすることが可能です。
直営店部門は、まだ深い経験のない分野でもありますので、意思決定のスピードやプロセスが既存事業とは違うこと求められると想定されます。これにより、直営店事業に合った円滑な事業展開、栽培事業や既存取引に合った事業展開が出来るようにするためにも事業部制組織とすることを助言致します。

左の怖そうな試験監督がすごい頷いてる!嬉しかったです。
追加で、経営課題である円滑な事業承継のため、次期後継者のマネジメント能力育成もすることが出来るとすると、さらに良かったなと帰り道にふと思いました。しかし、そこまではその場では出てきません。

第2問 新規就農者に対するモチベーション向上のための施策について教えてください。

はい、新規就農者に対するモチベーション向上施策について、解答致します。まずは、成果報酬型制度を導入します。成果報酬型とすることで、突発的な対応をした際にインセンティブを付与する体制を作り、モチベーション向上に繋げます。また、新規就農者として、新しい視点を持っていることが考えられますので、社内提案制度を設けることで、新規就農者が持つアイデアを事業展開につなげる機会を設けます。そうすることで、モチベーションの向上に繋がると考えます。


成果報酬型って、A社は農業法人だよね。どうやって評価しようと思ってる?

はい、評価の仕方としましては、災害時など突発的な対応をしてくれた社員の日数で評価する、作付した農作物の種類・数などで評価することが出来ると考えます。作付した農作物はそれぞれ、出来上がる量が異なりますので、そのあたりは考慮致します。

おお、なんだろうこの追加質問!怖かったです。

突発的な対応日数、なんだかブラックな会社だね。

怖そうな試験監督が笑ったので、なぜな私も笑いました。笑
が、一気に表情が締まり、ピリッとした空気になりました。

それに新規就農者に対してだよ、私は・・・だと思うのだけれど、それを踏まえて何かある?

大事なところを聞き逃しました。
しかし、成果報酬が違うんだなと思いましたので、

はい、おっしゃる通りと思います。先程、成果報酬型と申し上げましたが、現実的でないと考えます。社内提案制度と先程申し上げましたが、社内公募制度についても提案させていただきます。モチベーションの維持・向上のため、自らどんなことをしたいのかを積極的に聞き、反映することを心掛けることが重要です。

分かりました。

やってしまったか、と思いました。モチベーション向上なので、間違いではないのでは?と思ってしまいました。A社の課題として、人材の定着・採用率が低いことがありましたので、その辺りを踏まえた「研修制度」や「周りの他の就農者との関係性の向上のため、交流イベントを開催する」などの答えでも良かったのかと思います。モチベーション向上=成果報酬と勝手に思ってしまって、咄嗟に出てしまいました。間違いではないだろうと自分の意見を突き通さなくて、本当に良かったです。こういうところで、ケンカするケースが起きるのでしょうか、と感じました。

第3問 C社は展示会に積極的に出展しています。一般的な展示会出展のメリットはなんですか?

余裕の無くなった私に、救いの問題が来ました。
ここで、複雑な与件文に関する質問が来たら絶対に頭の中が真っ白になっていた気がします。

はい、展示会に出展する際のメリットについて、ご説明致します。メリットは、普段接点を取ることの出来ない異業種を含めた新たな取引先と出会うことが出来る点です。展示会には、多くの来場者にお越しいただき、自身の会社の製品や取組についてを直接周知できる機会となります。その出会いを通じて、新たな取引先開拓を行うことが出来るということが利点と言えます。

時間が余る、と思ったので、追加で、

また、展示会に出展する際には、動画や画像を活用したり、デモンストレーションをするなどして、来場者に企業の強みなどを伝えるようにすることが必要です。

と当たり前のことを付け加えておきました。笑
頷いてくれていたので、良かったです。

第4問 C社が段取時間を短縮をすることによるメリットを教えてください。

はい、C社が、段取時間を短縮することによるメリットについてお答え致します。

オウム返し中にも考えていましたが、ピンとこない。5秒くらい、えー、と言ってしまった気がします。

メリットは、段取時間の短縮をすることで、C社が現在求められている短納期・リードタイムの短縮を実現することができることです。リードタイムの短縮を通じて、短納期を実現します。

段取時間短縮により、小ロット化実現に近づき、C社が新たなアウトドア関連製品の生産を受託することが出来るとか答えられたらまだ良かったのでしょうか。
よく分からない答えになってしまったのが分かったのですが、とりあえず助け舟と思って、以上ですという顔をしました。笑

が、ここで、わかりました。と告げられ、口述試験が終了しました。おそらく第2問で時間を使ったんだと思います。

以上が、私が経験した口述試験についての詳細です。
自分が口にした意見を訂正することは稀だったと思いますが、これでも合格発表にはしっかりと受験番号がありました。

私の中小企業診断士試験合格までの軌跡のご紹介でした。

挑戦を振り返って

約2年間の挑戦を振り返って、本当に妻や家族の周りのみなさんの支えなしには、この結果を勝ち取ることは出来ませんでした。

2021年1月から勉強を開始し、2023年の1月までの約2年間、この挑戦に対して真剣に応援してくれて、付き合ってくれて本当にありがとう。
(実は、2021年1月には、スタディングを開始していました。出向元に帰ったら時間も取れなくなるし、やってみよっかなくらいの気持ちで。本気で目指したのは4月からです。)

コロナ感染を恐れて、あまり出かけなかったこと。
2022年6月に第1子を出産後、面倒を見れなかったこと。
育休という名の一次試験勉強の休みを取ったこと。
一次試験終了まで、里帰りをしてもらっていたこと。
二次試験前も口述試験前も、妻の実家に行ってもらっていたこと。

思い返すといろいろありましたが、最後まで嫌な顔せず後押ししてくれて本当にありがとう。

自分は、今後の不透明な時代に向けてのキャリアアップの視点から、出向中に色々な資格取得を目指しました。
今後は、FP1級や社労士にも挑戦したいと思っています。
敢えて、診断士試験での知識に当てはめてお伝えしますが、行政機関では、出向者の私に対しても権限委譲をしてくれており、様々な記者発表案件の組成や、クラウドファンディング支援の体制強化、新たな起業家の創出拠点の立ち上げなど、1人で色々決定して、創り上げることが出来ました。
マズローの欲求段階説で言う「承認欲求」が満たされており、今は完全に自己実現人になっています。

ぼそっと、新たな資格挑戦のことを伝えましたが、妻には反対されました。これまでの取り組みに協力してくれたこともありますし、妻は現在、目を話すとどうなるか分からない子供と、毎日対峙してくれています。確かに、不透明な時代を見据えた取組も大切だけれど、今目の前のことに向き合うことの方が大事だなと気付かされました。

岸田総理の育休中のリスキリング発言が話題になりました。
私は良いと思います。しかし、リスキリングをしたくても出来ない家庭環境の方もいると思います。その中で、リスキリングをやることが偉いという世の中にはなって欲しくないです。世の中がリスキリングをやらないといけない風潮になったらおしまいです。勉強時間のために、子供にキツく当たるなんてことにならないように、やれる人はやればいい、それだけのことです。一方で、それだけのことをやらせてもらうにも、家族や周囲の協力が必要だと考察しています。

改めて、妻には本当に感謝しています。

これからは、これまで以上に、自分事として育児に参画して、今を大切に生きていきたいと思います。

一方で、これまで以上にシビアになりますが、通勤時間のみで、先程の社労士試験にも折を見て挑戦したいと思います。

今後のキャリアビジョンについて

ここまで苦労して取った資格です。
絶対に何かに生かしてやろうと考えています。
たかだか診断士かもしれませんが、されど診断士です。
今後の人生において、確実にプラスに作用するはずだと信じています。

試験後には、嫌いだった読書も始め、新規事業やベンチャービジネスについて、日々知識を蓄えています。

おすすめの本があったら教えてください!

2023年4月には、出向元の地域金融機関へ戻ります。入社時から目指している地域開発・連携を行う部署に入ることが私の次の目標です。

そして、社内で最もベンチャー企業支援に精通した人間になります。

ファイナンス面でのアドバイスをはじめ、ベンチャーが持つ技術やアイデアと地域とを繋げる架け橋的存在になり、地方創生に繋がる事例を次々と生み出せる人材になりたいと考えています。併せて、目利き力を付け、ベンチャー企業に対するデッドファイナンス実行の可能性を少しでも高めたいです。まだ先のことかもしれませんが、ベンチャーデッドの活用なども当たり前になる、そんな未来を目指します。

今回の診断士で得た様々な知識を生かして、今後の人生をより豊かに、そして、金融サービスの力で、この住んでいる街をより活性化させるため、日々邁進してまいります。

最後までお読みいただき有難うございました。

この内容が、診断士試験合格を目指される方にとって、少しでも参考になっていれば幸いです。

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