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梨泰院クラスにヒント⁉︎働く女性のモデルケースが変わってきた?

ステイホームの期間にここ10年ぐらいの間に話題になった韓国ドラマや映画を観ると、働く女性を取り巻く環境の変化が目についた。


「82年生まれ、キム・ジヨン」

男性と女性で好き嫌いが分かれる作品と評される作品。本を読み、映画を鑑賞。映画版の夫役は「トッケビ」で人気のコン・ユ。

本の導入部はキム・ジヨンという人の症例報告のような書き出しになっている。ありふれた一人の女性の思春期、就職、結婚、子育て…

性差別による生きづらさを感じ精神障害を起こすまでの人生が紹介されている。

82年生まれというと今年で39歳。本が出版されたのが2016年。

以下ネタバレあり。

子どもの頃は長男ばかり可愛がられ、女という理由で優先されない。

痴漢にあったらスカートを履いているお前が悪いと言われる。

大学に行っても就職が難しい。

就職しても男性より出世が遅い。

家事は女性がするもの。

旦那の実家では嫁はお手伝いさん扱い。座ってゆっくりする暇はない。

産休を取りづらい。保活も厳しく職場復帰できない。

社会から取り残されたように感じ、産後うつとみられる症状が出る。


日本の女性でも共感できる場面やシーンはあると思う。個人差はあるが、これがモデルケースとなるのは日本では39歳よりちょっと年齢が上のような気もする…


保活に関しては2016年に日本でも
「保育園落ちた日本死ね」
とのブログが話題になっていた。待機児童が多かったことからも同じような状況だったと言えるのかな。


「ミセン」

2014年に公開された大手商社の新入社員の葛藤を描いたドラマ。主人公は囲碁の経験者。未生は囲碁の用語で弱い石。弱いけれど死んでおらずどうなるか分からないという意味がこめられているとの説もある。難しいことを考えなくても上司と部下のやり取りとか人間味が溢れててじんわりくる良い作品なのだが、女性社員が職場でどういう扱いを受けるのか、主人公の同期のアンが以下のような目にあう。

女性はほとんど入社できない。

能力が優れているほど疎まれる。

セクハラを受けても泣寝入りするしかない。

スカート、ヒールの強要。お茶汲みも。

女性の企画は通りにくい。

日本では女性の一般職の就職が増えてきたころだろうか。職種によって差はあっただろうが、これもモデルケースとされるには2014年よりは前のように感じる。

ただ日本でもヒールが社会問題になったことは記憶に新しい。



多少、年齢や感覚のずれも感じることはあるが韓国も日本も女性の社会進出は活発になったばかりで、そうなる前には周囲の理解や制度上も未熟なところがあったのだなと共通点を感じる。


でもここ5年で状況は大きく変わったようだ。

最近ブームを起こした「梨泰院クラス」「愛の不時着」ではビジネスで成功する女性が描かれている。

「愛の不時着」のユンセリは30代だろう。財閥の末娘。化粧品や家具の会社を経営。SNSやメディアを使ってうまく宣伝して軌道に乗せている。

「梨泰院クラス」のヒロイン、イソは10〜20代。学生時代からインフルエンサー。客の来ない居酒屋を人気にしてフランチャイズ化。そして大手飲食企業になるまで成長させる。ライバル企業に就職した主人公の幼なじみの女性、スアもマーケティングで成功を収めた。韓国では成功者の証とされる外車を運転している。

能力がある女性が幸せを自分の手で掴み取る。

5年ほど前の生きづらい時代を超えて、新しい女性像が生まれたのかと勝手に解釈すれば、沼のより深みにハマれるのかもしれない。


おまけ、韓国の職場ではやたらとテイクアウトのコーヒーの紙コップが出てくる…(写真はイメージで関係ありません)

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