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戦争のときのブログ3

テレビが、民放は特にふだんから、なんだか私にはガチャガチャ画面がしているように感じて、辛くなってしまい、ほとんど見てないのだが、戦争のニュースが始まってからほとんどぜんぜん見なくなってしまった。色々な人が色々なことを声高に言う。しかもほとんどが男性。それがあまりに辛い。

代わりに少し前から購読を始めた新聞でニュースは読んでいる。新聞は一カ月で4000円ぐらいしてけっこう高価で払うのはたいへんなんだけど、戦争が続く間もうしばらくは購読したい。

新聞は自分が関心のなかったこと、思わぬことも読むことになるのがとてもいいと改めて思う。自分がぜんぜん知らなくて、そんなことがあるのか!を読ませられて教えてくれる。偶然の先生。道端でたまたま出くわした素晴らしい演説みたいな。そんなものにはめったに出会わないのだから、新聞ありがたい。

それですごいスクープもいいけど、私が今楽しみにしているのが、高橋源一郎さんによる人生相談。毎週日曜日の朝刊にある。あ、毎日新聞をとっています。

高橋源一郎さんには、昨年暮れに「飛ぶ教室」に呼んでいただいて、お会いした。いやもう、高橋源一郎さんに自分の書いた本を褒めてもらうってなにごと?って思った。さらには私が出た前の週には本を紹介してもらって、本を朗読してもらうというありえない幸せに触れて、私の人生のひとつのピークだったわけですが。ええ。

↑これが、私の本を褒めてくださってる書き起こし。。。

それで、そんな高橋源一郎さんが、毎日新聞で人生相談を担当していらっしゃるのですが、これがまぁ、すごい面白いのです。毎週日曜日、これが楽しみになっております。人の悩みが楽しみなんてのは意地悪に思われるかもしれませんが、いや、もう、質問者さんの力もすごいんですよ、ええ。

この回は53歳の男性が、これまで結婚歴や女性と付き合ったことがないと始める。ままそれは相談としてよくあることだが、そこからすごい。同僚男性がどうやら若い女性と不倫しているという噂を聞いて嫉妬して、それが嫉妬だと分かりながらもあれこれ考えてしまうという相談。

なんというか、一ひねりも二ひねりもある。一筋縄ではいかないぞ、人間は!なのだ。私、とてもじゃないけど、こんなひねった相談はできないので(お金がありませんとかしか、書けないわ)、ここに相談を書いてくる相談者さん(相談コーナーは毎日あるが、誰に相談したいか、指定できるのです)なんというか、すごい、ツワモノです。毎週、ツワモノたちが、高橋源一郎に挑む!といった風で、並の相談コーナーなんかじゃない!

となれば、高橋さんの答えもすごい。嫉妬は嫉妬だが、「あなたは彼らの自由が妬ましいのだと思います」と書く。そして、「めくるめくような自由の喜びはなかったのかもしれません」とか。おおおおお! なんかもう、くるくると様々な想像ができる。

そして「あなたの内側にくすぶる火のような悔いとなって残っています」とか、もう、相談者も私をも打ちのめすような(( ´∀` ))言葉が続く。いや、これ、相談としていいのか?とも一瞬思うが、あははは。でも、打ちのめされる。打ちのめされる感じが心地いいというか、やられた!と思って、かえって立ち上がるというか。

とにかく、すごいんですわ、ええ。相談コーナーなのに、相談者と高橋さんの対決コーナーみたいになってる。

スリリングこのうえない!

人生相談だから難しいかもしれないけど、高橋さんのこの人生相談を単行本にしてほしい。毎日新聞社さん、ご英断を!

そして、戦争があっても、私たちの生活はあたりまえに続き、悩みも煩悩も変わらずある。この相談コーナーがずっと続いてほしい。高橋さんに挑む相談者さん、カモン。頼みます。


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