私たちの生きづらさをどうしていく


⤴土曜日にこれをやりました。って、やる前に告知しなきゃダメですよね、ええ、すみません。

とにもかくにも、新潟に行って、これをやりました。打越さんは参議院議員1期目。元は弁護士で、選択的夫婦別姓の問題や、DV被害を受けてきた方などを弁護する仕事をしてきた方。

そんな打越さんと何をどう話すか? 打ち合わせの段階から、司会を務めてくれた新潟の小田恵さんと共に「打越さん自身の『生きづらさ』をまずは話して欲しい」と言った。打越さんは「ええええ?」となり、もんどり打っていたのだが、でも、土曜日にその話をまずはしてくれて、そうしたら、集まった人たちも、それからどんどん手をあげて『私の生きづらさ』を話してくれて、めちゃくちゃいい会になった。

打越さんいわく、これまで弁護士として政治家として「あなたは何に困ってますか?」と一方的に尋ねるばかりで自分のことを話したことはない、自分を語るのはとても苦手だとか。それでも頑張って話したことで、大勢が自らの声をあげてくれたことに、少なからず打越さん、感激して、ハッとしたそうだ。80年代に子育てをしていた女性が自分は「専業主婦だったが、仕事をしている人がうらやましかった。でも、できるのはパートだけ。稼ぎのない私は寄生虫と呼ばれた」と話してくれたりした。女性はずっとそういう苦しみを背負わされてきたんだよね。

そういう赤裸々な言葉を引き出せたのは、打越さんの赤裸々な告白があったから。そうだよね、政治家こそ、自分のこと、話して欲しい。どういう人で、どういうこと考えてて、どういうことに悩んでいて、って正直に明かしてくれないと、私たち、どういう人か分からない人のことなんて、信用できないじゃん。どこか「私たちとは別の人」と思いこむ。その瞬間「応援してますよ」と握手しても、あっという間に「じゃあね」と立ち去り、壁を築く。もちろん、胸を開いて、自分の苦しい話を正直にしたいなんて思わない。

政治家に大切なのは、もちろん、政策を話すこととか、今の問題点を話すこととか大事だけど、私たちに寄り添って、一緒に歩いてることを見せてほしい。

私の前の本「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。」で、小川淳也さんと労働問題について話し合ったときに、小川さんが政策ばかり言い、まったく働く私たちへの労いも共感もなくてモヤりまくり、それで私は手紙を書いて、あなた自身の言葉をくれ!!と小川さんに言って、その話をしたことを書いた。そのとき小川さんは号泣しちまって、ぜんぜん言葉にならんかったんだけど、そういうことだ。号泣しなくていいけれど、自分の想いを語ってほしいんだよね、心からの正直な思いを言ってほしいんだよね、政治家にはさ。そうしたら、私たちは政治家に近づける、いっしょに歩ける、政治に関心を持てる、我がことになる。

小川さんへは最近は、一体どういうことなんだ??と疑問に思うことがたくさんある。しかし、元々は自分の正直な思いを語ってくれる政治家であって、それはとても素晴らしいと思っていた。が、たぶん、最近は正直さより「取り繕う」ことばかり考えてるようで、それがあかんのではないだろうか。なぜ君は正直さを失ったのか? そう問いたい。

それで打越さんからは逆に、どうして和田さんは政治のことを言い続けているのか?を聞かれた。昨夜、帰ってきてからチョロッとやった反省会スペースでもまた聞かれたのだけど、私が政治のことをあれこれ自分の言葉でいい始めたのは、⤴この本を書いてからで、まだ2年ぐらいのことだ。でも、この本を作って、なんだ、この生きづらさは社会構造のせいじゃん、私が悪いんじゃない、政治が悪いって分かったから、文句を言っている。このままじゃ死んじゃうよと切迫しているのだから、ギャアギャア言うのは当然である。

そして、ギャアギャア文句はうまく言えないし、間違ってるときもあるし、かっこいい理論整然とした言葉なんかで言えないけど、いやいや、いいんだ。私たちはみんなが安田菜津紀でも、津田大介でも、荻上チキでも、浜田敬子でも、武田砂鉄でも、田中優子でも、ない。あの方たちのように、すばらしい言葉で語れない。でも、言えばいいんだと思ってる。だって私の生活のことだもん、言ってあたりまえだ。

思うんだけど、ネトウヨな人々は間違えてようがなんだろうが堂々言いまくるのだが、リベラルの人は真面目なのか、間違えることとか、理論整然と言えないことを恥ずかしいと思うのか、口をつぐんでしまいがち。また誰かの間違いや雑な物言いにも厳しい。結局それが政治から人を遠ざける。どうしてみんな政治に関心持ってくれないのかなぁ?って。それ、あなたの厳しさが、遠ざけてないか? 一瞬胸に手を当ててみましょう。

いいんだってば。もっともっと言おうよ。ぜんぜんいいんだ、間違えていようが。ぼんやりしたことでも。自分の生きづらさを言うこと、それが政治への参加だと思う。

それにしてもまた政治家との対談をしてしまった。そういうことをしていると「色がつく」と言われて、ライターとしての仕事は減ると言われている。まぁ、元々仕事ないライターなので、減るも何もないのだが、増えることもない。そして政治家と仕事するとお金たんまりもらえるでしょう?というのは、おそらく自民党との仕事だけなんじゃないのかな? アハッ。自民党との仕事した人が前にもらった額を聞いて、ひっくり返った。いや、もう、それなら魂売るよね~~とか、笑った。ライターなんてみんな貧乏だから、魂売る人を私は責めることはできない。もうさ、ライターであることそれ自体が「生きづらさ」だよね~~。


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