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「この子に教えないで!!」

「相手に仕事の指導をすること」と「相手の仕事を代わってあげる」ことは全く=ではないという話をします。

約20年間生きてきて上記を混同されている方が多いなと感じています。
上記を強く感じた私の思い出エピソードを共有しましょう。

中学校の吹奏楽部時代。
私は中学二年生で後輩に楽譜の読み方を教えていたら、先輩に「この子に何も教えないで!この子はなつきちゃんがいないと何もできなくなっちゃうんだよ?」と言われたことがあります。

私は、「いや教えなくてもこの子「今は」何もできないでしょ~(笑)」と思いました。
確かに、後輩の演奏を代わりにやってあげるのはだめですが。

ただ、この時代は、先輩が絶対的権力を持っていたため後輩が「でも」などというと、文化部なのに校庭を10周走らなければならないという法律が施行されていたため、私は思ったことをぐっとこらえ「はい」と2文字発言しました。
このような経験をされた方も多いのではないでしょうか。
上記は、小中高時代の部活だけにとどまらず、アルバイトや仕事でも経験することがあります。

教えないことが相手の成長にそのままつながるわけではありません。

ある程度自走できる前提知識や経験を身に着けた後に、一人で走らせるのは大事です。
ただ、なにもない状態で走らせることがその人の成長につながるかといえば必ずしもYESとは言えません。

考えてみてください。
自動車学校で、校内教習をしないまま、道路を走りますか?

自動車の先生が、「『運転ってどうやるんですか?』って聞いてこない奴には、教えない。」とか、
バイトリーダーが「『レジの打ち方どうやるんですか?』って聞いてこない奴はずっと店の前に立ってろ」とは言いませんよね?
もちろん、相手が話をしているときにメモを取るなどの「聞く姿勢」を気にされる方は多いと思いますが。

なぜ、自動車学校の先生もバイトリーダーも上記のような行動をとるのでしょうか。
「それがその人の仕事だから」とか「自動車学校はお金を『払って』学ぶところだから、教えてもらえるのは当たり前ではないか?」とか様々な意見があると思いますが、一番の理由はとってもシンプルだと思います。

「教えないと危ない」からです。

それなのに関わらず、すべて自分で学べという方もたまーにいます。
自分で情報を精査する力や、自分を律する力はつくと思いますが、それだと組織として強くなれない。部活動やサークルが良い例です。
なぜなら、人それぞれ取り入れる情報に差異が生まれ、成果の出し方が属人化してしまうのです。

ただ怖いことに、教えないでとりあえずやってみろの精神で育った人は、指導者になっても、同じ方法でしか人を成長させられません。
風呂あがりに壁を見上げたらとある虫と目が合うより怖いことですね。
いや、虫と目が合うほうが怖いですね。撤回します。

以上。


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