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ANAの「オンライン日本酒ツアー」に参加したら最高だった話

先週日曜日に参加してきたので、感想を書きたいと思う。
ツアーの存在を知るきっかけになったのは、こちらのツイートだった。

ツアーのホームページはこちら。試飲とセットでなんと3,000円、これは本当に採算が取れているのか…?
https://www.ana.co.jp/ja/jp/travel/onlinetour/

この手のものは、経験則からすると、バズったのを自分が観測した時点で既に売り切れの可能性が高い。しかしダメ元でサイトを覗いてみたら、なんとまだ受付中だったので秒で申し込んだ。

実はそれから2週間くらいはツアーの存在を忘れていたのだが(実際に出向くわけではないので準備も必要ない)、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴り、クール便が到着したことで一気に思い出していた。

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届いた日本酒はこちらの4種。どれも美味しそう。可愛いおちょこも一緒だ。パキパキッと開封したくなる気持ちをぐっと堪えて、4本の小瓶を冷蔵庫にしまい込む。

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説明書きやパンフレットもしっかり入っていて、ANAの方が描いたらしきイラストも和む。こういう手作り感で心を揺さぶってくるの、すごく日本らしいなあと思う。

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ここから先は、Zoom経由のツアーを見ながら&試飲しながらの走り書きなので、雰囲気を感じていただければ嬉しい。
そしてもし間違いがあれば、教えていただけると有難い。

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・ANAトラベラーズの方、さわやかなアナウンサー風の男性に司会進行を務めていただく。酒田酒造の杜氏の方と合流し、酒蔵の見学へ。坂田酒造は1946年、5つの蔵元が合併してできたものだという。

・酒米は飯米と種類が違い、味も異なるらしい。酒米を炊いて食べてもあんまり美味しくないかも。逆に飯米でお酒を造ると逆に雑味が多かったり…といった豆知識を、クイズを交えながら教えていただく。
クイズは選択肢が画面に表示され、その結果を見ながら番組内でコメントを入れてくれたりする。

・正直なところ、開始されてからはオンラインツアーというよりTVの中継を見ている印象が強かったのだが、ここでようやく「自分も参加しているのだ」という実感が湧いてきた。

・出羽燦々は酒米の名前らしい(クイズ)。かっこいい。酒米と飯米は研ぎ方も違う。硬さの問題もある。

・やはりオンラインのぶん、五感の情報が大事だと思う。「わからないかもしれませんが、木の匂いがします」といったコメントのときには、思わず「いや、わかりませんよ!」と画面越しに突っ込んだ。

・途中、「なんだか目が痛いですねえ」というコメント→気化したホルマリンのせい(殺菌のため)という場面もあった。ディスプレイ越しにのうのうと眺めていることが申し訳なくなってくるので、無理はしないでいただきたい。

・酒母室は肌寒い、5度くらい。

・クイズの答えを先に言っちゃうシーンもあったりして、ライブ感があって楽しい。

・上から圧力をかけて絞る、佐瀬式。自動圧搾器、酸素に触れないのでガス感が残りやすい。独特の風味で、お高めなお酒になるという。

・この辺りから接続が若干怪しくなり、ときどき音が聞こえなくなったり遅延したり、果ては強制的に接続解除されたりしてしまう。
ただこれは恐らく参加する側(わたし)の問題で、というのも自宅はポケットWiFiをルータ代わりにしているため、仕方ないかな…とは思いつつ、ちょっと切ない。欲を言えば、参加者限定/期間限定でよいので見直せるアーカイブ配信があれば有難いけれど、そこまでお願いするのは贅沢だろうか。

・動画、上喜元ができるまでを学ぶ。
米を磨いて、蒸して、種切り(麹を振りかける)、走って麹場へ(極力温度を下げないため)、大吟醸クラスは手でほぐすことも、盛り、酒母の仕込み(また走る)、上槽で絞り(コンテスト用)、吊り下げ、斗瓶とり、粕はぎ(板状の粕、スーパーで見るやつ)…などなど。

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・ここからはお楽しみの試飲コーナー!事前に送付いただいた4本の日本酒について、一緒に飲みつつ解説していただく。

・楯野川、清流:
この中では一番若者向け、食前酒的に
度数も低めで甘い

試飲で使うワイングラス、香りがわかりやすい
鼻をフチの中まで入れて嗅ぐのがコツ
科学的にそうなるように作ってますから

・菊勇 吟醸 秘伝:
山田錦(酒米)
アルコールを添加している、大吟醸に近い(比べてほしい!)
大吟醸向けに作られたグラス、結婚祝いにいただいたんですよー(高橋さん)

「わっ!全然違いますね」という感想

アルコールを添加することによって、香りが出る
飲んだ後のキレが出る、口の中に残らない
アルコール添加はマイナスのイメージだが、個人的には全然いいじゃんと思う
温めたときもアルコールが保つ、熟成もできる

・上喜元 特別純米 からくち:
日本酒度+12、辛いのとはちょっと違って、「甘くなくなっていく」感じ

(審査員など)味わう人は、口の中に量を全然入れない。1ccくらい
香りは気化性、体温で温まる、鼻から抜ける
まあ私たちは試験で飲むんじゃないので…
日本酒度+2,3はよくある
これは甘くない糖分。甘い糖分はグルコースなど

・初孫 大吟醸 秘蔵初孫:
(接続が途切れてしまい、ほとんど聞き取れず)

・日本酒は甘すぎると思ったら、冷やすといい。逆に辛いと思ったら、温める。調整することができるのも楽しみ

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・Q&Aコーナーも充実していて面白かった。ツアーの途中で寄せられた質問にも、リアルタイムで別の方に回答いただいており、それがまた興味深い。玄人と思しきコメントも多かったように思う。

Q 自宅で飲むときの肴は?
飲食店さんだと、料理に合わせて組んでいく
家なら適当に
堅苦しく考えて、飲むことが楽しく無くなるのが一番よくない

Q 一升に必要なお米の量は?
畳一畳半くらい。精米具合にもよりますが

Q 試飲の日本酒はどれくらい冷やす?
今回は瓶が小さいので30分くらい、でも好きにしたらいい
「何と何のマリアージュ」、はワインの飲み方。日本酒は好きにしていい

Q 酒粕をもっと!
そのためにはまず、日本酒をたくさん飲んでいただいて…

Q いつまでに飲む?
製造年月日は出荷された日
日本酒は基本的には冬しか作らない、季節ごとに瓶詰めして出て行く
3年熟成でも今月出荷、など

「秘伝」はイタリア料理に合う

Q温度?
熱燗専用はあるが、それ以外だったら大体何度でも
40度ぎりぎりくらい

Q テイスティングのコツは?
五感を使って楽しむ。色、注いだときの音、なるべく舌全体で味わうなど
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あっという間に時間が過ぎ、オンラインストアのご紹介を頂いた後、お開きに。

終了後、「ありがとうございました」のメッセージとともに、ANAの飛行機が着陸した後の音楽(Another sky)が流れる。これはずるい、飛行機に乗りたくなってしまう…!

最初に「これは採算が取れているのか?」と疑問に思ったことを書いたが、終了してもその感想は変わらず、日本酒試飲+見学で大満足のツアーだった。また機会があれば是非参加させていただきたい。

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