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自分をたもつために。

大晦日だ、病室でゆっくりすごす年末年始もそう悪くない。
原稿を書いたり、病室から外の写真を撮ったり、映画を見たり、読書をしたり、あまり日常と変わらない日々をすごしている。ただ場所が病室なだけだ。

noteの投稿企画に“今年のベストショット”というものがあり、なんとなく今年一年でセレクトして保存した写真の枚数を確認してみると15000枚の写真があった。きっとこの10倍はシャッターを押しているので、一年間で15万回はシャッターを押したことになる。人さし指にシャッターダコができないのが不思議だ。

この一年で北海道から鹿児島までいろんなところにいった。海外にもいった。写真展は3回やった。入院も3回した。新しく購入した湯呑みも3個だ。そして本当にたくさんの人に会った。

とても充実していたとおもうけど、健康なときからやっていることはあまり変わらない。どこにいっても写真を撮るということをしているだけだ。

ぼくは“いいね!”とおもったときしかシャッターを押したくない。なんとなく撮っても無駄になると浅い経験上でわかっている。だから一年間で15万回“いいね!”って思える瞬間に立ち会ったことになる。すこしおおげさにいうと、感動したからシャッターを押すのだ。

美味しい料理を食べたとき、美しいモノや景色を見たとき、悲しく苦しいほどの現実を目の前にしたとき、体調が悪いとき、知らなかったことを知ったとき、人と出会ったとき、息子の成長を感じたとき、それぞれに感動がある。

感動というのは喜怒哀楽だ。涙を流して喜ぶことだけが感動じゃない。写真を見返すとどの写真にも感情があり、それを思い出す。だからベストショットを一枚選ぶとなるとなかなか難しい。

かなりナルシストっぽくなっちゃうけど、ひとり旅で三宅島にいったこの写真を今年のベストショットに選びたい。いろんな場所に出かけたけど、自分と向き合える時間が多い、一人旅がぼくはいちばん好きなんだとおもう。

この日の夕方はやわらかい光に包まれて、綺麗な景色に感動していたのだけど、写真にはうつらないだろうと、浅い経験上わかっていた。

将来、写真を見返した息子へこの感動をどうやって写真で伝えようかと考えたときに、セルフポートレートの表情で伝わるのではないかとおもった。

セルフポートレートなんて普段はほとんど撮らない、撮らないから撮りかたもよくわからず、カメラのセルフタイマー機能をつかって、カメラをセットして10秒以内にバイクまで戻って笑顔になるということをした。たぶんプロだったらスマホアプリと連動させてもっとスタイリッシュにできるはずだ。

ベストショットは人と比較される公募じゃないから、上手いとか下手とかではなく、自分の好きな写真でいい。好きな日の思い出がうつった写真でいい。

自分らしさをたもつためにも、来年も写真をたくさん撮りたい。

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幡野広志

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写真家、元狩猟家、血液がん患者。 お仕事のご相談はこちらに hatanohiroshi0301@gmail.com