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効果的な褒め方と逆効果な褒め方

こんにちは。

【子供専門】の走りを速くするトレーナーはたチャンです。
教育委員会の運動アドバイザーや専門学校の講師などしております。

 某市の教育委員会様と提携し、7校の小学校へ体育指導に行きました。そこでは、新体力測定の指導アドバイスや測定の補助をしました。

 アドバイスはもちろん一時的にしか効果を発揮しません。指導項目については数値を向上させることができましたが、継続こそが運動神経の向上へ近道です。

 そして、指導している中で気になったのが「子供の自己肯定感が低い」ということです。

子供の自己肯定感が高められる人
・親(保護者)
・教師
・習い事の指導者

 子供は放っておいても自己肯定感は高まりません。虐待の一つであるネグレクト(無関心)は心を殺します。ネグレクトにも種類があり、食べさせないというものもありますが、「愛を受けられないこと」と「自己肯定感が高まらない」ことです。
 もちろん全員とは言えませんが、放っておいて子供が成長するとは一般的に思えません。そもそも肯定なんて道断です。
心を高めるには三者が必要です。
特に1番高められるのは【親】です。当たり前!と思われているその理由とコツを言語化しました。ぜひ、読了後に活かしてください♪

親が子供の自己肯定感を高められる【理由】
・子供のことを理解している
・子供が1番褒めて欲しい人
・1番叱れる

子供のことを理解している

 まずは誤解がないように伝えておきます。子供といえど、わからないことも年々増えます。しかし、小さい頃からの子供を知っていることは何よりも大事です。一方で様々な事情で小さい頃を知らない場合もあるでしょう。子供を見ようとする気持ちが誰よりも1番であることは確かです。

 子供が小さい頃に何に興味を持ったのか、さらにもっと大事なのは「初めて」を知っていることです。
 初めて歩いたり、初めて喋れたり、初めて書けたり…この初めては子供の自己肯定感を高める究極の魔法です。
 歩くのも、喋るのも、字を書くのも、本能的なものです。本人は努力しようとしていなくても身に付きます、しかし、子供にとって「できなかったものができた」という事実に変わりはありません。

 この成功体験を逆手に取るのです。この成功体験を知っているということは、子供の背中を押せる最大の味方です。
 つまり、子供が何かに挑戦するときに過去の成功体験を使って挑戦することで乗り終えたときにまた一緒に初めてを共有し、自己肯定感を高めることができます。

子供が1番褒めて欲しい人

 先に述べた、「子供のことを理解している」ということももちろんですが、子供は見返りなく認めてくれる人=親だと認識しています。そして、認めてくれる=褒めるでもあります。
 「認めてくれる」とは、「褒める」以外にもう一つあります。それは「叱る」ことです。最近は、友達親子のような仲の良い親子関係が流行り?なのか増えています。もちろん仲がいい時はいいのですが、しっかりと怒る必要も親の重要な役割です。
アメとムチは悪と表現されることもありますが、アメとムチがダメな訳ではありません。アメとムチは誰が行うかが重要です。

 親が叱ることで、褒めも有効です。反対に、叱ることがなければ褒めることに慣れます。子供は褒められるために頑張ることも大事です。

 ここで報酬についてです。

効果的な褒め方と逆効果な褒め方

 報酬とは褒美のことです。
 親がよくやりがちな、テストの点数で例えます。

パターン1:○○点を取れば、〇〇を買ってあげる(事前報酬告知)〈心理的〉
パターン2:○○点を取ったから、〇〇を買ってあげる(結果報酬)〈心理的〉
パターン3:○○点を取って、よく頑張ったね(結果称賛)〈心理的〉
パターン4:〇〇点は残念だったけど、よく頑張っていたね(過程称賛)〈心理的〉
パターン5:○○点を取れて、頑張ったね。努力していたね(結果過程称賛)〈心理的〉

 あなたは、どの方法が普段の誉め方ですか?どの方法も、全て正しいのです。しかし、状況に応じて使い分ける必要があります。

 これらは、心理学では有名な研究です。

解説①<メリットの比較>〜物理的or心理的〜
 物で釣るという言葉がありますが、まさにこのことですね。時と場合によっては正しいのですが、特徴を知らなければ逆効果です。

物理的称賛のメリット
・爆発的なモチベーションを発揮する
・高確率で目標を達成する
心理的称賛のメリット
・精神的に安定する
・称賛に対して耐久性が生まれない
・動機に継続性がある
・純粋に達成したい目標に取り組める
・他人を褒めるのが上手


解説②<デメリットの比較>〜心理的or物理的〜

心理的称賛のデメリット
・物理的称賛に比べて爆発的なスピード感に劣る
物理的称賛のデメリット
・目的のすり替え
・前回より高価or大きなモノでないと効果がない
・称賛に慣れる
・依存性が高く、物理的称賛に満足できなくなる

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 物理的称賛は、人生でそんなに多くないようなイベントに有効です。
 例えば、スポーツなどの大会で優勝した際や受験に合格した際、資格試験に合格するなどです。
 つまり、何度も訪れるものにしてはいけないのです。中学や高校の定期テストに物理的称賛を用いてしまうと、前回よりも大きいモノを求めるため家計的にもよろしく無いですね。

 ビルゲイツやイーロンマスクぐらいお金があったとしても賛成しません。

 物理的称賛は、欲しいモノのために頑張るということです。本当に欲しかったモノは目標のモノであるはずなのに、いつの間にか貰えるモノを目的とした場合、本人のやる気や自己肯定感、達成感は失われます。

 ここで着目すべきなのは、心理的称賛のメリットです。これはいわゆる子供が受ける愛情とも言い換えられます。
 心理的称賛は、物理的称賛に比べてはるかにメリットが大きいことです。
 ヒトは承認欲求というものがあります。誰かに認められたい、誰かに褒められたい、と本能的な欲求があります。
 これは、多くの物を持っても満たされません。

 

 物で溢れても心は満たされません。

子供の自己肯定感が低くなる理由

 できないことに挑戦する、もちろんこれは大事なことですが子供が挑戦するのは達成感と承認欲求(褒められたい)です。物をあげることではありません。
 そしてもう一つあります。
 それは、「親が危険を摘み取っている」ということです。これはよく聞きますが、「危ないから!」と制限する声かけです。この子育てで10歳を超えるとほとんどのことが挑戦できなくなります。
 12歳以降の挑戦は、私たちと同様にものすごく高い壁となります。そうなると若くしてできないことが増える一方となります。


まとめ

 心理的称賛は物理的賞賛の何倍も必要です。そして、期待してあげることが大事です。期待し、励まし、賞賛することで挑戦する子供となり、できることが増えます。
 
 心理的称賛を工夫して、できるだけ物理的称賛を使わずに子供たちを伸ばしてあげてください。

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