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コミュニティーナースは、社会インフラだ

世の中には、いろいろな仕事やビジネスモデルがあるものです。

コミュニティーもわかるし、ナースも知っている。
でも、コミュニティー×ナースって、どんなことが行われているのだろう?
それが、仕事になるって、どういうことだろう?


1.コミュニティーナースって何?

皆さんは、コミュニティーナースというものをご存知ですか?
恥ずかしながら、私は初めての出会いで、COTEN RADIOさんの放送を聞いて、めちゃくちゃ面白かったので、ご紹介します。

【番外編#94】出雲発!コミュニティナースって何? ゲスト:矢田明子(Community Nurse Company)
前編
中編
後編

まずは、基礎知識として、

コミュニティナースは、地域やコミュニティの健康を支える役割を果たす看護師の一種です。具体的な役割や業務内容は以下のようになります。

1. **地域住民の健康サポート**:コミュニティナースは、病院やクリニックの外で、地域住民の健康をサポートします。これには、健康教育や健康相談、ヘルスチェックなどが含まれます。
2. **在宅ケア**:病気や障害を持つ地域住民の在宅ケアをサポートします。これには、日常生活の援助、病状のモニタリング、薬の管理、緊急時の対応などが含まれます。
3. **健康教育**:地域住民への健康教育や予防の指導を行います。これには、生活習慣病の予防や早期発見、感染症の予防、子育てのサポートなどが含まれます。
4. **ネットワークの形成**:他の医療関係者や地域資源と連携し、地域住民の健康や福祉のサポートネットワークを形成します。
5. **アセスメント**:地域の健康ニーズをアセスメントし、必要なサービスや介入を計画・提供します。
6. **健康政策の提案**:地域の健康に関するデータを基に、健康政策の提案や改善を行うこともあります。

コミュニティナースは、地域住民の健康を総合的にサポートし、病院だけでなく、地域や家庭などのさまざまな場面で活躍します。彼らは、地域との密接な関係を持ち、多様なニーズに対応するための専門知識やスキルを持っています。

chat GPT

コミュニティーナースは、地域の暮らしの動線の交差点に存在します。

そのエリアの中で、ターゲットとなる人と自然に出会える場所はどこか?
フードコートとか、ガソリンスタンド、ヤクルトおばさん…etc
どこが一番自然な形でつながることができるか、顔見知りになれるのかを探し出すのです。

例えば郵便局。
郵便局の職員は、その地域のお年寄りの状況をいち早く察知しています。
「最近、あのおばあちゃんを見かけなくなったなぁ」
「おじいちゃん、足をいためたのかな?びっこをひいておられる」
毎日そこにいるからこそ、気が付く日常の変化があります。

でも、それに気がついたとしても、どうしてあげたらいいかがわかりませんでした。
そこにいてくれるコミュニティーナースと連携できれば、してあげられることがものすごく広がります。

2.コミュニティーナースが分断された社会をもう一度繋ぎ直す

また、お年寄り視点で考えてみると、昔の人っていうのは、自分から「助けて」とはなかなか言えなもんです。自分からは病院に行こうとしない。誰か知らない人には深刻な悩みは相談しにくいものです。

でも、暮らしの動線の交差点に、コミュニティーナースがいつもいてくれ、普段からコミュニケーションがとれていたとすれば、心やすい存在となり、
相談することができます。
お年寄りが、倒れるまで何もしないということを予防してくれる存在となります。

コミュニティーナースがその場所にいることで、いろいろな人とコミュニケーションをとることで、一旦分断された社会をもう一度繋ぎ直すことができるのです。

3.コミュニティーナースが仕組みとして成り立つために

コミュニティーナースのような存在は、昔からいました。
いわゆる、お節介なおばちゃんやおじちゃんのような存在。

その方々は、決して自分の役割を自覚していたわけではありません。
ただのお節介好きなだけなのかもしれません。

でも、コミュニティーナースは、意図的で、戦略的なのです。
どこに、どんな人がいて、どうやったらつながっていけるか、どの人を介すれば、ターゲットにリーチできるか、そういったことを常に考えながらさまざまな人とコミュニケーションをとっていくのです。

では、この仕組みを維持していくための、マネタイズしていけばいいのでしょう?

いくつか考えられます。

①直接的なサービス提供:地域住民や高齢者、障害者などの特定のクライアントに直接サービスを提供し、料金を請求する。
健康教育の提供:健康に関するセミナーやワークショップを開催し、参加料や教材の販売で収入を得る。
コンサルティングサービス:地域の医療機関や介護施設、学校などに対して、健康管理や予防、疾病管理に関するアドバイスやプログラムの提案を行う。
ヘルスケア商品の販売:健康に関する商品やサプリメントを紹介・販売することで、コミッションや利益を得る。
パートナーシップや提携:地域の医療機関や介護施設、保険会社などと連携して、共同でサービスを提供し、収入の分配を行う。
サブスクリプションモデル:月額料金を設定して、定期的な健康チェックや相談サービスを提供する。
テレヘルスサービス:オンライン上での健康相談やケアを提供し、そのサービスに対して料金を請求する。
研修やトレーニングの提供:新たにコミュニティーナースを目指す人々や、他の医療関係者に対して研修やトレーニングを提供し、その料金を請求する。
助成金や補助金の活用:公的な助成金や補助金を活用して、特定のプロジェクトやプログラムを実施する。
スポンサーシップ:企業や団体からのスポンサーシップを受け入れて、健康関連のイベントやプログラムを実施する。

今回のCOTEN RADIOの放送回のゲスト矢田明子さんも、Community Nurse Companyを立ち上げ、マネタイズをがんばっておられます。

このコミュニティーナースが存在する社会を成り立たせることは、費用対効果が抜群だと思われます。
社会的インフラとして、とても必要な存在と言えるでしょう。

自分がそのコミュニティーにサインインし、相互扶助体系に入っておけば、地域のリソース分配が適正にされて、結果的に自分たちの生活コストが下がります。
自分が田舎に残してきた両親の面倒を、コミュニティーナースのコミュニティが見てくれて、報告してくれるような事例も考えられるでしょう。
自分の子どもが病気になった時に、面倒を見てくれる人が自分以外にも頼れる人がいるかもしれない。
保育園の送迎とかも、近くのおじいちゃんおばあちゃんが見てくれることも難しい話ではないでしょうし、親が教えられない遊びみたいなものを他の人が教えてくれることも起こるかもしれません
コミュニティーナースがちゃんと成り立っている地域では、そういったことが普通に起こるのです。

そういった特殊スキルをコミュニティーナースは持っています。
矢田さんいわく、5人で2000人くらいのコミュニティーを見ています。
一人のコミュニティーナースが400人以上とつながり、相互扶助の仕組み作り出しているのです。
一人のコミュニティーナースを養うコストで、400人以上の生活が豊かになるのです。
安いもんだと思いませんか?

とはいえ、市場経済優先、会社の利潤最優先の考え方では、コミュニティーナースのいる社会に投資する考え方は生まれにくいのかもしれません。

自分の利益に直接的にはならない投資、お金の使い方ができるような社会の仕組みが必要になるわけです。

こんなことが、COTEN RADIOで、熱く語られています。
めっちゃおもしろいです。
ぜひ、聞いてみてください。

久しぶりに3000文字を超える長文になってしまいました。
今日も、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

では、また。

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