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小説『永遠にひとつ』

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その女性型アンドロイドは、マスターである遠矢に、ダフネと名付けられた。始めは幼稚園児並の知識と情動しかなかった彼女は、遠矢に導かれたちまち大人になっていく。ダフネは成長する中で、…
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2023年2月の記事一覧

『永遠にひとつ』第8話 恋の悲しみ

「……ダフネ。違うんだ。注文したのは確かに月子だが、けして君を歓迎していなかったわけじゃ…

羽多 奈緒
1年前
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『永遠にひとつ』第7話 身代わりの人形

 奥入瀬へのスケッチ旅行から、二年の月日が経ちました。あれから、年に一度はどこかへ旅行し…

羽多 奈緒
1年前
6

『永遠にひとつ』第6話 淡い恋心

「ダフネ。君は私にとって大切な家族だよ。でも、番ではなく、娘みたいなものだ。君はまだ子ど…

羽多 奈緒
1年前
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『永遠にひとつ』第5話 嫉妬

 心の目。  絵を見る人に伝えたいこと。  もう少しくわしく教えてと聞こうと思った時、木の…

羽多 奈緒
1年前
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『永遠にひとつ』第4話 初めての旅行へ

 最初は、模写する絵を選ぶ時しか開くことのなかった画集を、自分から進んで眺めるようになり…

羽多 奈緒
1年前
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『永遠にひとつ』第3話 絵を描くアンドロイド

 ある日アトリエで、ふと思い付いたように遠矢は言い出しました。 「なぁ、ダフネ。君も描い…

羽多 奈緒
1年前
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『永遠にひとつ』第2話 遠矢のかくしごと

 その日から、とおやとのせいかつがはじまりました。とおやはものしずかな人です。えをかくのがおしごとだそうです。  わたしのいちばんのあそびあいては、ちょくちょく来てくれる、とおやの『おい』の、てるくんでした。てるくんは、ようちえんのねんちょうさんです。足の早さでは、わたしがかちますが、トランプやゲームでは、てるくんがかちます。 「ダフネはトランプ下手だよなー。どこにババ持ってるか、すぐ分かるもん」 「こら、輝。ダフネを馬鹿にしちゃダメよ。この子は、作られてまだ三か月しか経っ

『永遠にひとつ』第1話 わたしはダフネ

 わたしのむねには、エンジンがあります。ねつやいたみもわかりますが、それは「こしょう」を…

羽多 奈緒
1年前
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