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兄弟姉妹との関係

おねしょのあるなし一つでクサることもいい気になることもある子どもたち。多くは、不安な気持ちで寝て、なかったら本当にうれしいようです。でもあまり、感情を表現することはありません。年齢が上がるとさらにその傾向は高まると思います。

お父さん、お母さん、妹と外来に来られた7歳のお兄ちゃん。記録表をみると、前回の外来よりおねしょの回数がかなり減っています。

「目が覚めてトイレに行くことがありましたね?」と尋ねると、

「時々5時ごろ起きてトイレに行ったことがあります。」とお母さん。

「そのこと、トイレに行ったことを覚えていますか?」と尋ねると、お兄ちゃんは、うんうんとうなづいています。

「それなら、もう、ほとんど治ってきましたよ。」と今回までの成果について結論しました。

おねしょには治る段階がありますので、ここまで来たらほぼ治ったと言えるのです。これについては、稿を改めて書きます。

さて、お兄ちゃんは、にんまりとしました。しかし、それだけでした。

いよいよ僕も治るんだ!と思ったとしても、他の人は普通にできることですから、喜びの表現も控えめです。

「妹さんはいかがですか?」と自分が迂闊な質問をしてしまいました。

「この子は全然しないんです。」とお母さん。

「おしっこなんてしなーいもん。」と妹さん。

一気にお兄ちゃんの顔が曇ってしまいました。

兄弟姉妹の中でひとりだけおねしょ、ということはよくあることです。

お兄ちゃんはおねしょのことは苦手だけど、おねしょをしない妹さんにはできないことをお兄ちゃんができる場合があるでしょう。そうしてきょうだいは得意なこと不得手なことをお互い見聞きながら、いい意味で競い合って成長していけばいいんですよ。私は親御さんにそういうことにしています。

なお、おねしょは、圧倒的に長男さんに多いです。外来に来ているおねしょのお子さんの約半分は長男であることも突き止めました。原因は明らかではありませんが、推測はしています。このこともまた稿を改めて書きましょう。


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