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『はさみうちの原理』の概念をテクニカル分析に組み込みたい【全文無料】

極限に関する定理の1つに『はさみうちの原理』というものがあります。本記事はその概念的な部分を株価のテクニカル分析に応用したいというお話になります。あまり込み入った話まではせず、あくまでも概念的な内容のみになりますのでご了承ください。

結論をまとめると、

はさみうちの概念を時間軸にも拡張し、過去(ヒストリカルボラティリティ)と未来(インプライドボラティリティ)からバンドを求め、それらのバンドで挟み込むことで、株価の推定範囲を絞れるのではないか?

というアイデアになります。



はさみうちの原理とは

ざっくりいうと

ある数列$${a_n}$$に対して、常に大きい数列$${b_n}$$と常に小さい数列$${c_n}$$を考える。
それらの数列$${b_n},$${c_n}$$がいずれある値$${X}$$に近づくとき、間の数列$${a_n}$$も$${X}$$に等しくなる。


というものです。

これが株価のテクニカル分析に取り入れられたら素晴らしいですね。

将来の株価がどこに落ち着くかがわかるということなのでそれに向けて売買すればいいということになります。

テクニカルで『はさみうち』?

当然ながらそんなにおいしい話はあるわけはなく、あくまでこの範囲までに絞れるかな?程度が限界です。

でもその範囲が絞れれば絞れるほど情報の価値は大きくなりますよね。

例えばボリンジャーバンド。これを使えば株価がどの範囲に収まるかがある程度把握できることになります。

『はさみうちの原理』の概念を少し緩めて考えてみると

ある数列$${a_n}$$に対して、常に大きい数列$${b_n}$$と常に小さい数列$${c_n}$$を考える。
それらの数列$${b_n}$$,$${c_n}$$がいずれ$${b_n \to B}$$、$${c_n \to C}$$に近づくとき、間の数列$${a_n \to A}$$は$${C \le A \le B}$$に収まる。

と言えそうです。

この情報量が得られるだけでも取るべきアクションは絞られてくるのでかなり有益ですね。

ただし、ボリンジャーバンドの問題点はそのバンドが過去のものに限られており、既に使用している人も多いため市場を出し抜くのにはやや難しいのが現状である点です。

時間軸からも『はさみうち』してみる

考えたアイデアが時間軸にも『はさみうち』の概念を拡張することです。

『はさみうちの原理』そのものは極限($${n \to \infty}$$)についての話なのできわめて遠い未来の話になります。

一方で、株取引においては現在近傍の範囲で限られたバンドのほうが重要です。

そこで、『はさみうちの原理』の概念を拡張して

ある数列$${a_n}$$に対して、過去から推定した常に大きい数列$${b_n}$$、未来から推定した常に大きい数列$${b'_n}$$、過去から推定した小さい数列$${c_n}$$、未来から推定した小さい数列$${c'_n}$$を考える。
それらの数列$${b_n}$$,$${b'_n}$$,{c_n}$$,$${c'_n}$$がいずれ$${b_n \to B}$$、$${b'_n \to B'}$$、$${c_n \to C'}$$、$${c_n \to C}$$に近づくとき、間の数列$${a_n \to A}$$は$${\max(C,C') \le A \le \min(B,B')}$$に収まる。

と考えてみます。

つまり、株価$${a_n}$$をバンド幅$${b_n}$$,$${c_n}$$で挟み込むことを、過去と未来から現在に対して行うことでバンド幅をより狭めるという考え方になります。

じゃあ、どうやって?ということなのですが、それに役立つものとしてヒストリカルボラティリティとインプライドボラティリティがあります。

ヒストリカルボラティリティ(HV)とインプライドボラティリティ(IV)がそれぞれ過去から見た価格変動度合と、未来から見た価格変動度合になりますので、それらで株価のバンドを形成してやればいいわけです。

例えば、こんな感じでグラフが描けます。

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黒線の株価高値安値に対して、IVが赤線、HVが青線のバンドとなっており、特に反転するタイミングで株価がバンドに挟み込まれていることがわかるかと思います。

ヒストリカルボラティリティによるバンドの例は以下にありますのでご参考いただければと思います。


まとめ

今回は株価の推定範囲を絞る方法として、『はさみうちの原理』に着目してみました。主張としては
はさみうちの概念を時間軸にも拡張し、過去(ヒストリカルボラティリティ)と未来(インプライドボラティリティ)からバンドを求めそれらのバンドで挟み込むことで、株価の推定範囲を絞れるのではないか?
というアイデアになります。

概念的なお話だけなのでいまいちピンと来てない方のほうが正直多いと思います。まだアイデア段階なので詳しいお話はいろいろ試してから改めてまとめてみたいと思います。ではでは🎩

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