この一夏の思い出には、ある「仕掛け」があります。

これは、判断ミスだろうか。 
皆さんはどう思うだろうか。
僕は、この決断を思い出すたびに遣る瀬なくなる。
ようやくひぐらしが鳴き始めた夏の終わり、僕はアルバイト先の女子大生に小旅行に誘われたのだが、その日程は僕のサッカー観戦日と重なっていたのだ。
あろうことか僕は、サッカーの試合を観たいがために、デートのお誘いを断ってしまった。
それが原因で、好意を寄せてくれていた女性に無視されることになるとは、当時の僕には想像できなかった。
しかし今では、僕の「サッカーを観に行きたい」という意志の堅固さを、反省している。
忘れもしないあの夏、友人からサッカー観戦チケットを貰った僕は、後に自分が何をしでかすかも知らずにはしゃいでいた。
この件は、夏の日差しを遮る大木となり、僕の心に暗い陰を落とした。
だが、 もう昔の話だし、記憶は薄れている。
これを読んだ人は「こんなに詳細に書いたら彼女に特定されるのでは?」と思うかもしれない。
これは、僕の判断ミスの話だ。

なおこの文章は、一文ごとに最後から読んでも成り立つ。


#一駅ぶんのおどろき

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