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本の虫の同類向け英語学習法(Reading編)ー大学入試英語から海外留学できる水準まで引き上げるー

わたしは友達が少ない。子どもの頃から周りに話が合う連中が少なくて、今になっては休日はほぼボッチだ。

苦痛じゃないかと言われると、社会的体裁なんかを気にした時は「うっ」と来るものが有るが、実はあまり気にならない。なぜなら、起きている間はほぼ常に本を読んでいるからだ。ネット小説も読むし、逝去して80年以上たった文豪の本(つまり無料で青空文庫で読める本)を自力でkindleで読めるように変換して読むし、ここ数年では英語の無料の本にも手を出して、ほぼ常にずっと読んでいる。整体に行くたびに、言われる。「首バッキバキですね」と。もうあきらめている。

最近、この性格と行動パターンが英語学習を効率化させたんじゃないかと思うようになった。趣味として無限に読めるということは、無限に学習できるということでもあるのだ。いったん趣味の領域として英語で読書ができるようになれば、そこからは非常にてっとりばやい、というか全く勉強が苦にならなくなる。そこで、内向的な同類向けに楽しんで英語を学習する方法(つまるところ私の生活習慣に過ぎないが)をメモがてら共有してみたい。

ご参考までに、私の現在の英語力はIELTSの7.5 (102)で構成は
Listening 7.5 (27)
Reading 8.5 (29)
Writing 6.5 (24)
Speaking 7.0 (23)
である(カッコ内TOEFL iBT換算値)。LRが高くWSが低い日本人英語の典型構成がそのまま全体的に底上げされた形になっている。Writing 6.5を半眼で見て言い訳をすれば、どんなに英語要件が厳しい大学でも入学できる水準である。

前提条件は中堅大学の入試を突破できる程度の英文法・語彙力

ここまでは私は受験勉強の範疇として身に着けたので、「楽しんで学ぶ方法」をおしえることはできない。ほかの方を当たってほしい。

電子書籍リーダーはほぼ必須

以下の理由から電子書籍リーダー(私はKindle)はほぼ必須である。とはいえ、私の学習法の予算はリーダーの購入費を除くと年間で7,000円程度なのでここさえクリアできればあとはほぼ無料である。嫌ならスマホでもいいけど…

  • 日本の書店と図書館には英語の本がそろっていないし、読みたい本を紙で注文するとすぐ届かずまだるっこしいし高い。

  • タップによる辞書検索。上級以上になった後は豆辞書に載っているくらいの単語では引っかからないため、途中からは確実に必須になる。

  • 可搬性が高いため、どこでも読める。どこでも読むことが重要。

  • 無料(または非常に安価)な書籍は電子フォーマットで配布されている

  • スマホの画面よりも目が痛くならない

速読・精読 それぞれのための本を見つけること

やることは単純だ。
あなたの現在の語学力でするする読めて内容も好みに合う、いわゆるページターナーを見つけること。(速読用)
今の語学力では少し背伸びしないと読めないが、日本語なら絶対に興味を持って読める本を見つけること。(精読用)

英語力を底上げするためには、まずは量を読まないと始まらない。そのためには単語が分からないことにはある程度目をつぶって、ストーリーを追うことに集中するサイクルが不可欠だ。それと同時に、一つのセンテンス、一つの作品を精読し、自分の血肉とするような読み方もできるようにならないと本当に自分の言葉でしゃべることはできるようにならない。どちらか片方だけではだめなので、疲れているときは速読、やる気があるときは精読と体力に応じて切り替えるとよい。

じゃあどこで、本を見つければいいのか?精読用は1冊あれば半年は持つし、あなたの専門分野のちょっと難しい参考書を選べばそれで十分かもしれない。問題は速読用の、ページターナーの、2週間に一冊読める本をどこで調達するかだ。ここで面白くてどんどん読める本を入手できるかどうかに全てがかかっている。


米国図書館の非居住者向けサービス (速読・精読)

多くの図書館はAmazonと提携しており、e-bookを貸し出すことが可能である。そして、一部の図書館は非居住者向けにも年間数十ドルの費用負担のみでそのサービスを解放している。買うほどじゃないけど、ちょっと開いてぱらぱらみたいな、という本を読むのにすごくいいし、それが偶発的な良い本との出会いにもなる。個人的にはとってもおすすめである。

この人がリスティングしている中にはないが、私はクイーンズの公共図書館を使っている。
https://k-okabe.xyz/2018/04/17/nypl-ebook/

日本の漫画、流行りの本、料理本など、なんでもそろう。特に日本の漫画は会話文が多いので、とっさの言い回しの勉強になる。人気漫画や最新刊は貸し出し待ちが長いし、アニメ化された作品中心だったりするけどそれでも日本の図書館の百倍はそろっていて笑いそうになるし日々増え続けている。例えば鬼滅の刃なんかは全巻そろっている。さらにオーディオブックも鬼のようにそろっているので、速読・リスニング両方の勉強が一度にできる。もはや無敵だ。

唯一の欠点として、登録までのハードルが多少高いが、それもまあ英語の勉強と思えば…。

Project Gutenberg (精読)

海外版の青空文庫である。Send-to-kindle用にはご丁寧にMOBIフォーマットで置いてあるので、ノーストレスで著作権切れの本が読める。完全に無料。気楽に読めるが文体が古いので精読用の本しか見つからないのが欠点か。私はバルザックの古い翻訳のおかげで、クソ難解な歴史学の専門書序文が出題されたIELTS Readingでほぼフルスコアを取れたと信じている。フランス語小説を英語で読んで何が悪い。言語間の親和性が高いおかげでLily of the valleyの二重の意味を落とさずに文中のメタファーも綺麗に訳せてるんだし?

Fanfic (同人?なろう?) (速読)

海外版の「小説家になろう」である。と言ってもオリジナル(という名のゲームに良くある設定を下敷きにしている)は少なく、ハリポタ・トワイライトシリーズなどの有名作品の世界観を受け継いだ同人的な本が多い。ただ、日本の同人と違って分厚くて一冊の本として完結している作品が多いのでなろうと思っても同人と思っても少し違うのかもしれない。すまんけど日本語の同人は読まないので正しく評価できない。
私は当時Oxford留学を考えていたこともあって、
Harry Potter and the Methods of Rationalityにドはまりして昼も夜もなく読んでしまった…。タイムターナーを使った時間トリックの使いこなしが素敵すぎる。

今の読解力で読める速読用の本の選び方

本の虫が英語でも本の虫になろうとしたときに最初に気づくのは、「日本語で面白く読める文体に癖のある文学書や、高度なレトリックを使った本が読めない」ということだろう。これは非常にショックだ。でも、この足かせは小学生の頃のあなたがずっと耐えていたものだ。小学校に上がって、最初に学校の図書館に足を踏み入れた時の気持ちをおぼえているだろうか?見渡す限り本が並んでいて、そしてどれもすぐに「この本」だと識別できない、知らない本なのだ。日本語で読むものを探すのが大変になって来た、エンドコンテンツ状態のあなたも、日本語未訳の洋書の世界に入ればまた最初からゲームを始められるのだ。

とはいえ、ほんとーの子ども向けの本ははっきり言ってちょっと眠くなる。
おすすめはYoung Adult向けだ。
私はこのステージでHarry Potter, Red RisingやTwilightシリーズにずいぶん助けられた。エドワードの言ってることが難しくても、難しいところを読み飛して意味が通るので問題ないのである。
これらはどれも分厚いが、その分読んでて楽しいし読み切ると達成感もある。まずは一冊、「これだ!これなら楽しく読める!」と思える本を見つけられるところまで渉猟し、そこからはあとはひたすら読もう。夢に出てくるまで読もう。

一冊読み切れたらしめたものだ。あとは同じことを50回繰り返そう。

いつになったら日本語並みに英語が読めるようになるのだろう

正直50冊速読しても、5冊の専門書を精読しても、いまだに私は英語ではちんたらとしか読めないし、日本語だとできる、紙面をざっと見て書いてあることをざっと掴む能力がほぼ使えない。おそらく、イデオグラムである日本語(漢字)に特化した目の動かし方や意識の使い方は英語には通用しない部分があるため、いくつかの「読み」の技能については訓練し直すのではなくて根本的に発想を変えて身に着ける必要があるのだろう。

今度から行く大学院ではプレセッションも受講しようと思っているため、そこで何らかのヒントが得られればまた追記することにしよう。いつか日本語並みにノーストレスで英語をよめるようになるぞ!


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