見出し画像

Uber Eats配達員による交通事故は損害賠償を請求できる?責任は誰に問うのかについて解説

おうち時間の増加によりデリバリーサービスの需要が急増した一方で、人気宅配業者Uber Eatsの配達員による交通ルール違反や交通事故が社会問題へと発展しています。Uber Eatsの配達員が前を走っていた車に衝突したにもかかわらず、真摯に対応することなく逃げ去ったり、歩行者に衝突したりする事故が相次いで発生したためです。

さらに、自転車で高速道路に進入するという危険行為も確認されていて、全国でUber Eatsの配達員に関する苦情が相次いで寄せられています。そのため、東京都議会では自転車配達の配達員の交通マナー改善を目的にした対策を議論中です。しかし、今のところ問題が解決したとは言えない状況です。

ここでは、Uber Eatsの配達員が引き起こした交通事故の被害に遭った際、誰にどのように損害賠償を請求できるのかについて詳しく解説していきます。ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてください。

Uber Eatsの配達員との事故は配達員にしか責任を問えない

2021年7月13日時点ではUber Eatsの配達員(Uber Eatsでは「ドライバー」と呼ぶ)による交通事故の被害に遭った場合、原則運転者本人である配達員にしか責任を問うことができません。Uber Eatsの運営元と配達員は業務委託契約を締結しているだけであり、Uber Eatsは雇用主としての責任義務を負う立場ではないためです。

配達中の交通事故はUber Eatsが用意した保険が適用される

Uber Eatsの配達員はドライバー登録をする際に、運営元が用意した補償額1億円が上限の賠償責任保険に自動的に加入しています。このため、配達中の事故であればこの保険が適用されるため、問題なく損害賠償を支払ってもらうことが可能です。

しかし、配達用のカバンを持って移動しているからといって、必ずこの保険が適用されるわけではありません。補償されるのはあくまで配達中の事故の損害です。Uber Eatsによれば、配達リクエストを受けた時点から配達完了またはキャンセルあった時点までが配達時間。つまり、たとえば配達後の移動中の事故について、Uber Eatsは責任をとるつもりはないということです。

仮に配達中以外の時間帯に交通事故が発生した場合は、配達員が個人的に加入している保険か個人資産で被害者に補償することになります。このような場合でも、軽自動車かバイク・原付バイクで配達するUber Eatsの配達員は必ず自賠責保険に加入しているので、それほど心配する必要はないかもしれません。

しかし、自転車配達員の事故では問題が生じる可能性があります。というのも、現在のUber Eatsの登録体制では自転車保険未加入者でもドライバーになれるからです。

Uber Eatsの配達員による交通事故の被害に遭った際は、弁護士に依頼

Uber Eatsの配達員による交通事故の被害者になった場合、特に配達員が自転車で配達していたときは、すぐに弁護士に相談するようにしてください。

前述したとおり、Uber Eatsの配達員の状況によってはUber Eatsが用意した保険が適用されず、配達員との示談交渉が必要になるかもしれません。自転車事故の合理的な賠償額算定や相手方との交渉は、弁護士の助力なしでできることではありません。事故を起こした配達員の誠実な対応を求める意味も込めて、事故対応は弁護士に依頼するのが最善の策となる可能性が高いと言えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?