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エモいなって思ったからたまには書いてみる

聞き覚えのあるメロディに足が止まった
昼休みのドラッグストア、手早く買い物を済ませなければならないのだが…

透明感のある女性ボーカルの声、恋い焦がれる心を率直に歌う詞
25年も前のヒットソングだ。

当時私はまだ小学生だったけど、家では常に流行りの曲が流れていて、この曲も飽きるほど耳にした。
父が買ってくるCD、昼下がりのラジオ
今より音楽番組も多い時代だった。
父は女性アーティスト曲が好きで、CDが増える度に「お父さんの好きそうな曲だよね」と母は笑っていた。

彼女の曲は多くの世代に親しまれていて、会社でのカラオケで歌うともれなく盛り上がった。
酔っ払ったおじさん達に煽てられたり冷やかされたりしながら歌うのは正直気持ちが良くて、あえて失恋や不倫の曲を力を込めて歌ったりして。

それも10年くらい前の話。ずっと部を率いていた上司が引退して、飲み会後のカラオケ文化は滅びてしまったらしい。
そういう私も、飲み会自体すっかりご無沙汰している。家事育児を代わるアテはあるけど、諸々調整して行くほどの熱意はなく、不参加の常連だ。

あのCD、実家にまだあるかな
またいつか、前みたいにカラオケで騒げる日は来るのかな
今聴くと、ストレートな詞が胸に刺さって苦しいな
ボーカルの女性も、父も、とうの昔にこの世を去ってしまっていて
遠い、遠い、遠いところまで来てしまったな

マスクの下で小さく歌いながら、職場への帰路を急いだ。

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