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2日間ねこんだこと

 火曜日の昼間は久しぶりに自転車でぶらり。藤の花を見たりのほほんと過ごした。春だねえとしみじみしたものだ。夜は寒いなあと思いながら寝たのだった。
 水曜日朝起きたら38度の熱が出た。鬼の霍乱。こんな熱何年ぶりか。朝の支度を中途半端におとさんを起こす。息子の月のことを任せて、あとはひたすら眠った。おとさんと美術館行くはずだったのになあ。そして、仕事の面接もあったのになあ。
 頭が痛くて歩くとぐるぐるで動けない。おとさんが再び大奮闘してくれる。お昼はうどんを作ってくれて、月の夕飯にお弁当を買って、私には雑炊を作って出勤。1日38度を行ったり来たり。
 木曜日熱が37度5分まで下がる。病院へ行こうと思ったけどやはり運転が怖いのと動きたくないのでおとさんの帰宅を待つ。ひたすら眠る。恐ろしいほど眠る。
 朝はフレンチトーストを焼いてくれたらしい。掃除、洗濯あれこれやって、出勤していった。何時に起こすかわからなくて早く起こしちゃったと笑っていた。家族が熱でと遅刻や早退をしたら、みんな子どもの発熱だと思っていたとか。
 父が申し訳なさそうに果物を届けてくれる。2世帯の世話で疲れたんだろうと。父にしょんぼりされるとかなわん。果物も気持ちもありがたくいただく。また元気になってたたかいましょう。
 まもなくおとさんが帰って来てくれて、抗原検査をする。陰性。
 熱もすっかり下がってはいたけど、一応みてもらおうと、病院に電話。いつものところは木曜日の午後休診なので、子どもの頃行っていた病院へ電話する。一週間以内に発熱のあった人は診れないが、前にかかったことがあるならと、お医者さんと相談してくださる。
 電話で問診し、駐車場で検査ということならというので、お願いする。順番が来ると、先生から電話がくる。症状を伝えて、抗原検査が陰性であったことも伝えたが、素人は中まで入ってないかも、検査するのが早すぎると正確なのが出ないかもと言われる。
 インフルエンザの検査だけでいいですって言ったら、コロナとインフルエンザの同時キットなんですぅと言われる。敗北感。お願いする。
 指定した時間に駐車場に行って、検査をうける。検査は看護師さん。鼻水がとれるように鼻をよくもんでと言われる。すると、綿棒をいれてぐーりぐりぐーりぐりぐーりぐり。容赦ないぐーりぐりだった。私の鼻の穴は残念なことに2つある。容赦ないぐーりぐりはもう1つの鼻も行われた。
 20分経つて先生から電話。どちらも陰性でしたぁ。解熱剤と総合感冒薬と念のため抗生剤を出しときますぅ。
 とのことで、しばらくすると、看護師さんが処方箋持って会計に来てくださる。薬は薬局に取りにいっていいですとのこと。いいのかぁ。結局おとさんに行ってもらう。薬局の人が本人だと疑いなく説明をされたけどとぶつぶつ。まあ私の名前は男性にもあるといえばあるからねえ。
 結局風邪なのかな。喉をみることも、胸の音を聞くこともなく、顔さえもみなくて、尿検査もなく、血液検査もなく、鼻に綿棒を突っ込むだけ。熱の出る疾患は他にもあろうに、そして抗原検査の正確さも曖昧なのに、どこまで正確な診断がくだされているのだろう。見落とされて長引いてこじらせている人とかいないんだろうか。別にお医者様じゃなくてもできることばっかりだったな。不思議。いろいろなことを失ってるんじゃないかしらん。
 帰ったら夕飯。月が不調だ。月は月で新しい環境でアクセル全開なのかなあ。半分くらい食べ、お風呂に入って寝るという。自分の体調を意識して動けるのはいいね。心配したが、すーっと寝た。私ももう少しで回復する。ごめんよ。
 金曜日朝の支度だけ簡単にする。おとさんが月を学校に送ってくれる。私は熱はすっかり下がったけど、起きていられない。頭痛があるのと、2日間寝たら筋力がぐんと落ちた。洗濯干して寝て、お風呂洗って寝て。
 昼を過ぎてようやく座っていられるようになった。頭痛も消えた。
 体重が2キロ落ちた。すぐ戻るだろうなぁ。筋力が落ちたのかなあ。ちょっとずつ育てて来たのに落ちるのは簡単だ。
 パンパンにふくらんでいたお腹が、もう食べるのやめときなーっていうセンサーが発動してくれるようになった。これはありがたい。甘いものはこのセンサーを狂わせるので気をつけよう。
 おとさんにはここ何日か全てを任せていて、その主夫力に頭があがらない。ありがとうです。すごい人だ。 

 私の車の助手席に座っているジョージに私の帽子をかぶせたら、おとさんのおばあちゃんそっくりになった。気品があって可愛くて優しい人だった。いっぱい苦労されたようだけど、全てをのみこんで、人を信頼し続けた人。おとさんに出会えたことに改めて感謝します。


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