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【講演】定時制高校で、学校ではなかなか教わらない”あの職業”について語り合ったら、高校生の選択肢が広がるアツい未来が見えた。

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高校生が"なんとなく"進路選択を行ったことで起こるミスマッチを防ぐために一般社団法人HASSYADAI.socialが提供するハッシャダイスクールでは、様々な大人の生き方や働き方を面白く、かつ分かりやすく伝えることのできるようなプログラムを提供しています。

今回の講演では、その中でも、建築業についてのお話です。

この記事は、2020年7月6日(月)に 埼玉県 川口工業高校 定時制で行われた講演の一部をHASSYADAI.social広報のきむりさがレポートしたものです。

この講演では、HASSYADAI.socialの協賛企業さんに来ていただき、学校ではなかなか教わらないようなお仕事について講演していただきました。HASSYADAI.socialが全国の高校生たちに「CHOOSE YOUR LIFE 」を届けるために協賛企業さんとどのような連携を行っているのか
この記事を読めば、よく分かります。ぜひご一読ください!

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※ この記事は緊急事態宣言解除後に行われた講演です。現在は、コロナウイルスの感染者数の増加に伴い、オンラインでの講演やイベントをメインに行っております。

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三浦 :
川口工業高校のみなさん、こんばんは~~!HASSYADAI.social の三浦宗一郎と言います!僕自身はみんなと同じぐらいの年には、工場で車を作ってました。改めて自分の高校時代を思い返すと、「あの時にもう少し色々な仕事や大人を知っていたら、もっと人生が良くなりそうやったな~~」と思っていて、今はこんな仕事をしてます。

今日は、鈴木組で働いている佐藤さんに来てもらいました!そして、僕が佐藤さんに「とび職」について色々と聞いていこうと思います。みなさん、とび職って聞いたことありますか??

生徒さん :
(聞いたことはあるけど、詳しくはわかっていない様子...!)

三浦 :
そうですよね...!僕もみなさんも詳しくはとび職のお仕事を知らないかもしれないんですけど、今日の講演を聞いて、色々な仕事がある中で、建築業のこともみんなに知ってもらえたら嬉しいなと思います!!佐藤さん、今日はよろしくお願いします!

佐藤さん :
みなさん、はじめまして。 鈴木組の佐藤です。青森から上京してきて、今は入社して7年目です。今日はよろしくお願いします!

「自分の人生なのに人と同じでいいのか」鈴木組に入るまで

三浦 :
お願いします!!!
早速ですが、佐藤さんはどんなきっかけで鈴木組さんに来られたんですか?

佐藤さん:
実家が建設業だったので、中学の時から父親のお手伝いすることで、お小遣いを貰っていたんですよ。 それをやっているうちに、だんだん職人ってかっこいいなと思うようになりました。

三浦 :
なるほど...!では、大分昔から現場で働くことを決めてたんですね。

佐藤さん:
そうですね。でも、地元の青森に残るか・東京に出るかを決めたのは高校生のときですね。やっぱり、自分の周りだと地元に残る人が多くて。でも、自分は人と一緒が嫌だった。「自分の人生なのに、人と同じでいいのか?」って。

だから「友達がいるから地元にしよう」ではなくて、「誰も知らない所でゼロからスタートして自分を試してみたいな」って思ったんです。それで鈴木組に来ました。

三浦 :
実際、地元から離れて辛くなかったんですか?

佐藤さん :
自分が津軽弁だったので、言葉が通じなかったことは辛かったですね(笑)

三浦 :
なるほど(笑)ちなみに、佐藤さんが鈴木組に入られて7年目ということですが、今はどんなお仕事をされているんですか?

佐藤さん :
今は、主に大工さんが使う現場の足場を組んでいます。あとは、コンクリートの打設といって、学校の柱などの型枠に生のコンクリートを流しんで固める仕事もしています。

三浦:
へええ....!!高校生のみんなが知っているような場所だったら、どんな場所でお仕事をされているんですか?

佐藤さん :
駅だったら、上野駅ですね!
   
三浦 :
おおお!とりあえず上野駅に行った時は、佐藤さんが作ったと思えば良いんですね!!

佐藤さん :
それは言いすぎです!!(笑)

とび職に誇りを持ち、仕事を続ける佐藤さんの想い

三浦
僕らにとって、駅はただ利用するだけだけど、実際に駅の建設に関わるお仕事をされている佐藤さんにとっては、「この駅は自分が作ったな~」という感情はあるんですか...!!?

佐藤さん :
やっぱりありますね....!

三浦 :
でも、実際とび職って飲食業のようなサービス業に比べると、直接誰かに感謝されにくい職業だと思うんですよね。佐藤さんはとび職のどういうところにやりがいを感じますか??

佐藤さん:
そうですね~。まずは、建物がどんどん出来ていく様子を見る時ですね。
あとは、大工さんや鉄筋屋さんなど色々な業種の人に感謝される時です。

三浦 :
なるほど....!とび職の方が作業されているところを見る機会って少ないから、聞けて良かったです。ぶっちゃけ現場職が大変なイメージ強いっていう人、手を上げてみて~~!

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生徒さん:
(圧倒的に手が上がる....)

三浦 :
ちなみに、みんな、とび職にどういうイメージがある!!?

生徒さん:
(失敗が許されなさそう、怪我、熱中症になりそう、上下関係やばそう...と数々の答えが。)

三浦 :
おお...!色々あるね(笑)やはり、生徒たちもとび職は大変そうなイメージがあるようですが、ぶっちゃけどうなんですか...??

佐藤さん :
ぶっちゃけ.....大変ですね。

三浦 :
それこそ、みんなが大変そうだと思っていて実際佐藤さん自身も大変だと言い切るような職業を7年間も続けられているわけじゃないですか。「もうやめたいな...」と思った失敗談ってありますか?

高校生のみんなもこれから卒業して、働き始めたときには絶対挫折とか失敗することってあると思うんですよ。だから実際、佐藤さんはどんなことがあったのか聞いてみたいな~って。

佐藤さん :
一番は、上司や現場監督にめちゃくちゃ怒られた時ですね。その時はコンクリートの流し込みをやっていたのですが、なかなか上手くいかなくて。現場の偉い人に、淡々と毎日怒られていました。

三浦 :
ちなみに、それって何歳ぐらいの時なんですか?

佐藤さん:
入社して1~2年目で、みんなと同じ19,20歳ぐらいですね。その時は「自分の技術がないから怒られるんだ」と悩んでストレスでおかしくなりそうでした。
  
三浦 :
技術がモノを言う仕事ですもんね。それこそ自分で上手くなるしかない中で、どのようにして乗り越えたんですか。

佐藤さん :
分からないことは正直に上司に聞くこと、そして自分の悪いところをちゃんと見つめ直すことをしましたね!

三浦 :
おお、めっちゃシンプルですね...!でも、結局どんな仕事においてもやり続けることが重要ってことですよね。

佐藤さん :
そうですね!

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三浦 : 
それこそ、辛かった経験も含めてお仕事をされてきた中で、18歳の頃の自分と25歳の今の自分を比べた時には、何が一番成長したと思いますか。

佐藤さん :
19,20歳の頃、人に教えられる立場だったのが、今は自分が教える側の立場になった。このことを実感したときに一番成長を感じましたね...!

三浦: 
ありがとうございます。「教えられる側」が「教える側」に。それは、ものすごく大きな成長だと僕も思います。そんな佐藤さんが、今働く中で大事していることってありますか。

佐藤さん :
もちろん安全面など色々ありますが「出逢いを大事にしていくこと」ですね。自分を試したくて東京に出て来て、その中で、結婚して、子どももできて。自分のために仕事をしていたのが、家族のためにも一生懸命仕事をするようになった。他にも、先輩や後輩など周りとの関係や出逢いを大事にしています。 

三浦 :
ちょっと泣きそうなんですけど、僕だけですか!!?(笑)いいなあ、なんかうらやましいなあ、って思います...!自分以外のために働くってやっぱり力になりますか....?

佐藤さん :
全然違います...!やっぱり帰る家があるっていうのが良いですね。朝、仕事に行く時に「気を付けて」とか、帰ってきた時に「おかえり」とかその一言が本当に嬉しいです。ちゃんと無事に帰ろうという気持ちになります。

三浦:
いいなあ...!めちゃめちゃ良いですやん!!!
そんな佐藤さんが今、高校生のみんなに伝えたいことはありますか。 

佐藤さん :
テレビだと綺麗事だと思うことも多いと思いますが、自分が社会に出てやっぱり思うのは出会いが大切だということですね。良い出会いも、悪い出会いも大切にしてほしい。悪い出会いも反面教師として学び、自分らしい人生を歩んでほしいですね。

三浦 :
そうですね、良い出会いも悪い出会いも自分の糧にしてほしいということですね。それこそ、今回も先生に用意していただいた機会のおかげで、こうして生まれた今日の出会いも育てていけたら良いなと思います。

今日、佐藤さんには「とび職」について色々お話していただいたと思うのですが、とび職は、子どもたちに誇れる仕事ですか?

佐藤さん :
はい、誇れます。
今は「この建物はパパが作ったんだよ~」って子どもに言えることが 今の目標ですね...!

三浦 :
おお....!めっちゃ良いですね。佐藤さんはこの世界で一番爽やかなとび職だなって思います!!(笑)今日は本当にありがとうございました!


この後は、質疑応答が続き、夜とは思えないほどアツい空気が教室を流れていました。そして二時間目は、HASSYADAI.socialの協賛企業であるワイズネット株式会社の岡部社長の講演が行われました。

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次回の記事は、岡部社長に激アツインタビューをしてきたお話です。HASSYADAI.socialをいつも応援してくださっている皆様に、ぜひ協賛企業さまの想いをもっともっと知っていただきたいです!お楽しみに!

今回の講演を振り返って(インタビュー)

最後に、今回講演してくださった鈴木組の佐藤さん、そして今回の機会を用意してくださった川口工業高校定時制の松本先生にインタビューを行いました。

■ 鈴木組 佐藤さん

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ー今回の講演を振り返ってみていかがですか。

講演を経験したことで、自分の人生についてこのように振り返る機会はあまりなかったなと気づきました。改めて自分の人生を振り返る機会をいただけたことで、「20歳ぐらいの時はこう考えていたな~」などと自分自身も思い返すことが出来て、初心に帰った気持ちです。また明日から、後輩たちに指導もしながら、自分も仕事を頑張ろうと思います!


■埼玉県 川口工業高校 (定時制) 松本先生

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ー今回の講演を振り返ってみていかがでしたか。

松本先生 :
実際の職業のお話を伺えたので、生徒のイメージも膨らんだと思います。やはり、現場の苦労など働いてきた方でないと見えないところを聞けたのは生徒たちが仕事を選ぶ時に影響するのかなと思いました。

ー企業さんやHASSYADAI.socialなど外部の組織と関わることで期待することはありますか。

松本先生 :
普段目にしないような情報や学校側では届けることのできない刺激を学校外の方にいただいて、生徒たちに職業理解や進路への意識を深めてもらいたいなと思いますね。

ー松本先生、川口工業高校のみなさん、素敵な機会をありがとうございました!今後も宜しくお願いします!

きむりさの編集後記

2年前まで、ほんっとに普通の高校に通っていた私にとって、定時制高校での講演は未知の領域。生徒たちはどんな顔をするのだろう、今日の講演の後にはどんな気持ちになるのだろう、などなど、講演中はずっとそんなことを考えていました。

しかし、この講演で気づいたこと。それは、生徒の良い未来を願う大人たちの熱い想い。進路に対する不安と期待が入り混じるような、なんとも言い表しがたい高校生の雰囲気。新しいことを知ることで、足元から一気に広がる世界の豊かさ。それらは、授業の時間が、夜だろうが昼だろうが、なにひとつ変わらないということ。

新しい選択肢を知ることで、昨日までとはまた一味違った、アツい未来が見えますように。HASSYADAI.socialに関わってくれたもっともっと多くの若者が、沢山の生き方を知り、考え方を知り、自分の人生を自分で切り開いていけますように。そんな、自分の願いも込めて今回の記事の題名をつけました。

最後までご覧くださり、ありがとうございました!HASSYADAI.socialに関わってくださる多くの方の熱量を最大限に言葉に込められるように、私も精進します!次回も宜しくお願い致します!

ライター : 一般社団法人HASSYADAI.social 広報 木村りさ(きむりさ)

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