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「格差は当事者になって、はじめて気づくこと。」-9月15日エデュコレonline

高校生の進路における選択格差の課題は、まだまだあまり知られていないという現状。一般社団法人ハッシャダイソーシャルは、この課題の実態を知っていただき、共に向き合ってくれる仲間を増やすため、教員や経営者、行政のみなさまに向けた啓蒙活動をさまざまな場で行っています。

2020年9月15日(火)に、教育ファシリテーターの武田緑さんが運営されている教育事務所Demoが開催する「エデュコレonline LIVE」に理事の三浦宗一郎が登壇させて頂きました。今回の記事は、プロボノメンバーの石川拓海(イッシー)がイベントの様子をレポートしたものです!

「エデュコレonline」とは?

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エデュコレonlineとは、「自宅で体感!国内外の多様な教育のカタチ」というテーマのもと開催されている定期的なオンラインイベントです。特色のある公立・私立の学校や、フリースクール・オルタナティブスクール、教育事業を行う企業やNPOなど、多種多様な教育のあり方を学べる場として、教育に関心のある様々な方々が利用しています。

これまでのオンラインイベントには、弊団体もお世話になった北星余市高校さんも登壇されていました。色々なところで繋がっているものですね!このように、教育に関心がある方にはうってつけの学び場であるエデュコレonlineに登壇させて頂くとあって、三浦も少し緊張した面持ちでした....!

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当日のイベント参加者も...

・公立小学校の現役校長
・教育大学に通う大学生
・児童養護施設に携わっていた方

といったように、教育に熱い想いを持っておられる方々がたくさん参加されていました。そして、エデュコレonlineでもインターンをしている僕が当日のファシリテーターを務めさせていただきました!

イベント当日の様子

それでは早速、イベント当日の様子をお届けいたします!

まずは自己紹介
三浦の生い立ちや前職の経験から今に至るまでをお伝えしていく中、イベント参加者に対してある質問を投げかけます。

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参加者の方々からは、

・田舎で近くに塾がない、有名なお店がないという地域格差
・家庭環境による格差

などと、「格差」についてのエピソードを共有して頂きました。

そして三浦は、ハッシャダイソーシャルとして問題意識である

・学歴による格差
・家庭の所得による格差
・そしてそこから生まれる自分への可能性の認識格差

いったような、自分ではどうしようもできない要因による「選択格差」についてご説明させて頂きました。

その後、HASSYADAI.socialの特色や取り組みを紹介するコーナーでは、株式会社ハッシャダイのヤンキーインターンの歴史、一般社団法人ハッシャダイソーシャルが誕生した成り行きなどを紹介させて頂きました。

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その中でも特に、多様な教育コンテンツは存在するもののすでに機会に恵まれている層の子どもたち向けのものが多く、逆に支援が必要な層の子どもたちに向けたコンテンツが不足しているという日本の教育サービスの抱える構造的な問題についての話には、イベント参加者の方々に強く共感して頂きました!

ヤンキーインターン現役生&卒業生が登場!

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そして、実際の活動をリアル感を持ってお伝えしていく「オンライン視察」というコーナーでは、現役ヤンキーインターン生の佐藤君とヤンキーインターン卒業生で現在講師をしている前田君が登場してくれました!

このオンライン視察の中で石川が特に印象的に思ったのは、「格差というのは、当事者になって初めて気づく。さらには、当事者でも気づかないという場合も多い。」という話でした。

佐藤君は、高校卒業時に経済的な理由や精神的な状況によって、望む進路に進めなかった経験があります。さらに、そこから立ち直っても社会における高卒者の選択肢の狭さに直面した話を伝えてくれました。

「当時は格差を格差だと思っていなかった。なぜなら他の道を知らないから。」と伝えてくれたのは前田君です。自分が少年院から出院してから、とにかく家族を経済的に支えなえればならない状況にあったこと、そして周りにはやんちゃをしていた昔の仲間しかいなかったことが理由でした。

このように、実際に進路を選択する時になってはじめて自分の置かれている状況を認識するも、その時にはすでに選択肢が狭まってしまっているケース。さらには進路を自分で選択するタイミングさえない場合もあります。

そうした若者を少しでも減らすために、彼・彼女らが高校や少年院、児童擁護施設にいる間にアプローチをするのが我々ハッシャダイソーシャルの役割である、とお伝えさせて頂きました。

そしてそのまま「対話・Q&Aコーナー」に突入!
参加者と三浦たちのやりとりをいくつかピックアップしてお伝えします!

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-18歳以降が対象のヤンキーインターンではなく、高校生にアプローチしていく意義とは?

三浦:重要なのは、高校や少年院に届けること。日本の社会の構造上、中学・高校を卒業すると大人の手が一気に届きにくくなる。最後の砦である高校や少年院にいる間にアプ ローチしたい。

佐藤 : 社会に出てから本当に必要な力は高校にいるうちにつくので、ハッシャダイソーシャルで取り組みたい。

ーハッシャダイのコミュニティとして意識していカルチャーは?

三浦 : 若者に関わる時に重要視しているのは、大前提として「人は変われる」ということ。

前田 : 社内に上下関係がなく、フラットで関わりやすい。役員とインターン生も普通に仲良く話す。

佐藤 : メンターの人たち自身がChoose your lifeを体現している。

Q:ハッシャダイソーシャルが立ち上がったきっかけは?

三浦 : そこにニーズがあったから。やらなければならないと思った。
(↓もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ...!)

参加者の方々から頂いたコメント

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イベント参加者同士で行われた振り返りでは、実際に以下のようなコメントをいただきました!

ブランディングに関して気になっています。合う子合わない子いる中で、もっと幅を広げる選択肢もあるが、他団体と連携するという発想を持っていることがいいことだと感じました。(イベント主宰・武田緑さん)
私は奥尻高校の調査を大学の講義内でしようとしていた時、調べているとnoteの記事でHASSYADAI.sosialさんが出てきたので非常に興味深かったです。生徒からだけでなく、先生の教え方も変わったところがあると聞いて、より活動の現場を見てみたくなりました。(北海道・教育大の学生)
「格差を格差だと思っていない、なぜなら他を知らないからという」タイソンさんの言葉にはっとしました。選択肢は親格差や経済格差という本人の力では変えることが出来ないところにあると考えていました。 しかし、分断によって、そもそも選択肢を持っている持っていないという認識すらもない層の人たちがいるのだなと思うと、格差があると認識している時点で、もしかしたら恵まれた環境にいるのだなと考えました… 言葉にうまくなりませんが… とにかく、階層格差が目に見えていないからこそ、根深いものであり、届けたい層に届かないこのやるせなさはどうしたら良いのだろうと感じました。 とても、気になる団体でした。 知ることが出来て良かったです!(鳥取・大学生)
始めたきっかけが「目の前の人をどうにかしたい」「ニーズがあるから」という点にすごく納得しました。今高校生と関わる機会が多くて、高校に入って相談とかも受ける機会もあって、原動力が「目の前の困っている子をどうにかしたい」となっているのですごく共感でした。(島根・NPO職員)


このように、我々の問題意識や活動に対して様々な共感の声や暖かいコメントをありがとうございました。

【編集後記】イベントを経て

教育に関心のある学生や教育関係者の方々に対して、自分たちの思いや実際の活動について熱く語り、そして対話をすることで、私たちの問題意識や社会における価値、そして課題についてより鮮明になったと感じています。

教育関係者や教育に関心のある社会人や大学生とも積極的に意見交換をしていくことで、社会へ我々の想いをお伝えしていく、そして我々の成長につなげていくことが大切だと学ばせて頂いた夜でした。

今後とも、現場を通じて高校生や教育機関の方々と触れ合うだけではなく、様々なイベントに参加させて頂きたく思います!改めまして、武田緑さんはじめ、エデュコレonlineのみなさま、ありがとうございました!

〈取材・文=石川拓海@pudding_730) >

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