自由創作#18 バーナム博士

バーナム博士

バーナム博士は私の通う大学の教授だ。

バーナム博士のゼミはとても人気だ。

特に女子生徒からの人気が高い。

それに加えて、
バーナム博士は決まって12人しか生徒を取らない為、その倍率は極めて高い。

バーナムゼミを専攻するには、面接に通らなければならない。
面接と言っても
名前、生年月日、後は雑談をするだけのラフな雰囲気なものだ。

私の代も12の枠に対して
72名の応募があったらしい。

バーナム博士の人気の理由は、占いだ。

なんせ、よく当たる。

バーナム博士の占いは星座占いだ。

星座を聞いてその人の性格などを当てることができる。

これは占いには関係ないが、
バーナム博士は話まで面白いらしいから人気は増すばかりだ。ウソみたいなエピソードトークを沢山持っているらしい。

入学した当初からバーナム博士はとても良い先生だと噂は流れてきていた。

バーナムゼミに入れた友達は、
「本当に当たるんだよ！」
「それに話も超面白いの！」
と嬉しいそうに語ってきた。
友達と言っても学籍番号が前後なので、授業で会えば話すくらいの関係性だ。
その子は悪い人ではないのだろうけど、
私のあまり得意じゃないワーキャー系の人だったので、その程度の関係性で留まっている。
まあ、その子曰く本当に当たるらしい。


私はバーナムゼミとは合わない。
なんとなくそんな気がした。
その為、「1番人気」という言葉も響かず、
自分自身が面白そうだと思った心理学者のポール教授のゼミに入った。