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聴く呼吸器

眠ろうとするたびに仕事のことがちらついて、心臓…心が締め付けられる感覚に陥る。
締め付けて、一瞬だけ楽になったと思いきやまた締め付ける。
苦しい、上司から何度も怒られて自尊心が減った。
悲しい、行動を起こすたびに失敗する自分に周りの目が気になってしまう。

考えれば考えるほど呼吸が激しくなる。このまま暴れて死んでしまうのではないか。
精神から過呼吸になる。酸素は足りているのだけれど息苦しい。早く何とかしたい。。。

無意識にスマホに繋がれたイヤホンを手に取り耳に装着する。
暗い部屋の中で明るくなった画面を見るのは逆効果なのは知っているけど、今は非常事態だ。何も考えずにYouTubeを開く。

検索画面にたどり着くと、アーティスト名や○○な音楽などが画面に表示される。ここの履歴は僕に投与した音楽の種類だ。ここ最近のその時聴きたいと思ったものが羅列されている。今の傾向とかは分析すればわかるのだろうけど、そんなことをやっている場合じゃないことは僕自身が知っている。

今日は、歌ってみたで今ハマっている曲が頭の中で流れていたので、履歴から題名をタップした。
上から、僕が推しているグループメンバー、人気の歌い手からVTuberまで幅広い動画が投稿されていた。最初に聞くのはやっぱり推しの歌ってみたから。

僕は次に流れる動画を自動再生で一任している。プレミアムに入っているわけではないので、気に入らない広告や長い広告をいちいちスキップするのは面倒だが、時間が経つごとに落ち着いてくる。
推しは丁寧に歌っていていい。人気の歌い手さんはアレンジを加えて力強いな。この人の聴いたことなかったけど好みだな。
まるで評論家だが注意が音楽に向くのは素晴らしい。目をつむりながら嫌なことを忘れて没頭する。呼吸は落ち着き、リラックスしていくと自然とあくびが出てきた。たまに夢を見ながらウトウトと。。。

朝になった時の事なんてこれっぽっちも考えていない。またいつものように不安なまま通勤をするのだろう。
僕は楽になれるその時がまだわからない。慣れるのが先か。新しい興味を見つけて情報が揃うのが先か。
なんの取柄もなく適当に入ってしまったこの会社だけれど、前向きな意味で言えば、軸を見つけられる人生の研修期間だと思える。

そんな僕を客観視しながら、耳から入った必要な空気は体をめぐり、安心へといざなってくれる。

おやすみなさい。僕。
明日も小さな幸せはあるさ。

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