今日という日を
2011年3月11日、
あの日、私は急な体調不良でバイトを早退した。
昼過ぎだったろうか。やっとの思いで帰宅。
布団に倒れこみ、体調が回復するのを待っていた。
やっと起き上がれるくらいまで回復したときには、
もう夕方になっていて、慌ててテレビを付けたのを覚えている。
そこで初めて、
とんでもない災害が起きたことを知った。
――東日本大震災
テレビに映し出された映像が、
本当のことなのか、理解するまで時間がかかった。
当時、私は四国に住んでいた。
大学の3年生、アパートで一人暮らし。
報道される辛い現実を見るたびに、胸が苦しくなった。
あんなに大きな災害があったのに、私の毎日はいつも通りに進んでいく。
ニュースの画面の向こうの辛い現実と、
目の前の自分のいつも通りの日々との差が苦しくて、
笑うことさえも、いけない気がしていた。
次の日も、また次の日も、
情けなさと申し訳なさでいっぱいだった。
そんな私を奮い立たせてくれたのは、
「こんな時だからこそ、いつも通り働くんだよ。」
という、バイト先の先輩の言葉だった。
その時できることを一生懸命やること、それが大切。
こんな時だからこそ、
私たちはいつも通り働くんだよ。
被災された方が早く日常を取り戻せるように。
3/11 この日が来るたびに、この言葉を思い出す。
きっと一生忘れないと思う。
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