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【#創作大賞2024】祖母・宇宙人編

人を傷つけずに笑いを取りたいと考え、

オリジナルキャラの「ねずみ様と化け物ちゃん」
鬼籍に入った親族

をネタに使おうと思いつきました。

生きている人だと私には笑い話でも相手が嫌に感じることも考えられます。書かれた人のリアルでの世界に迷惑をかけてしまうのは嫌です。

そこで、祖母のエピソードを投稿したのですが、これがかなり受け驚きました。

祖母はネタの宝庫であり私のnoteではかなりの要素を占めています。実際、まだ披露していないエピソードがまだまだあるのです。毎日、なにかしらの形で創作大賞に応募し盛り上げたいのであれば、祖母についての投稿は絶対したほうがいい、そう考えて「#創作大賞2024」で祖母について過去の記事をしリライトして投稿することにしました。

本当は祖母の結婚から子育てまでを小説にして創作大賞に挑戦したのですが……適した小説部門がありません。ああ……祖母小説、書きたいです。

祖母を人外の設定にしてファンタジー小説部門で挑戦しようかしら?


宇宙人と握手


小学生の頃、祖母が夕方に買い物に行く時は妹とテレビを観ながら留守番をしていました。丁度、アニメやヒーロー物を再放送する時間帯だったので、骨皮筋衛門の設定はこの頃に形作られたと考えています。骨皮筋衛門の種は祖母が私に植え込んだとも言えますね。

そんなお留守番が続いたある日のこと、帰宅した祖母が衝撃的な告白をします。

「そこの角のタバコ屋のところでUFOが浮かんでいたよ」

私と妹は固まりました。祖母はそういう冗談をいうタイプではなかったのです。可愛がってはくれてはいましたが、ちょっと怖く威厳のある存在でした。その祖母がUFOを見たと言うのです。なんと答えたら良いかわからず2人とも黙ってしまいました。

UFOを見たといえば孫が喜ぶと祖母は思っていたのでしょう。自分の想像とは違う孫達の反応に納得がいかず、

「おばあちゃんはね!宇宙人と握手をしたんだよ!」

と、強めの口調で主張します。そこまで言われれば孫として祖母の会話に乗るしかありません。

「すごいね!おばあちゃん!」
「浮かんでいるUFOとどうやって握手したの?」

とたずねたのですが。

「……腕が伸びてきたから握手してやったんだよ!」

焦った祖母はUFOを道路に着陸させないまま宇宙人の手を伸ばして握手が成功したと言い張りだしたのです。UFOから伸びる腕と握手する老婆。あまりのシュールさにまた姉妹で黙ってしまいました。

「あたしゃ怖くなかったよ!握手してやったのさ!」

引っ込みのつかなくなった祖母は誰にも止められません。仕方ないので「すごいね、度胸あるね」と姉妹で褒め続けましたが、そうしている間にだんだんと本当だと思えてきました。

うちのおばあちゃんなら異様に腕の伸びた宇宙人とも平気で握手ができるかもしれない!

祖母と宇宙人が握手をした快挙を多くの人と共有したい、そう考えた私達は帰宅した父に「おばあちゃん、宇宙人と握手したんだよ!」と報告をしたのですが祖母は、

「そんな話、知らないよ!」

とそっけない態度を取りました。息子に馬鹿話を聞かせたくなかったのでしょう。祖母は即座に否定したのです。

大人って酷いなと学んだ瞬間でした。

UFOに地球は渡さない


ある夜、夕食を終え家族でゆっくりとした時間を過ごしていた時、

「大変だよ!」

と血相を変え玄関に祖母が飛び込んできて、空にUFOが浮かんでいるのを見たと大騒ぎをします。毎晩、祖母だけが必ず玄関前で夕涼みをしていたので、空に浮かぶ楕円形の光が不規則に動きで飛んでいるのを見つけたと騒ぐのです。

テレビで言っていたUFOと同じ動きだ、祖母そう言い私達にも見せようと大声で外に出るよう誘ってきます。

「早く空をみてごらんよ!」
「テレビみたいぃ」
「テレビなんてどうでもいいんだよっ!」

無理矢理祖母に引きずり出される私達姉妹と母。

「な、UFOだろ?」

ジグザクに動く光る楕円を見て鼻息の荒い祖母に母が

「UFOじゃありませんよ」

と笑って言ったのですが。

「じゃあ、なんだってんだよっ」

と怒り狂います。

「お義母さん、落ち着いて。きっとUFOではないなにかです」

祖母に強く出られると狼狽える母は近所の目を気にしつつ家へ戻すため、意味不明な説明をしますが納得できない祖母の声は大きくなるばかり。

そこで妹が、

「UFOだよ」

と冷静に祖母の意見を認めました。

「UFOでいいんじゃない」

面白くなってきた私も、つい祖母の味方をします。

「あなた達はなんて無責任な……」

怒りで母はプルプル震えていましたが、孫が自分についたということで落ち着いた祖母は無事家に戻りました。祖母の間違いを訂正できず不満そうですが、母もとりあえず家に入ります。

さて、ゆっくりテレビでもとなりかけた時、

「警察に通報すべきじゃないかね?」

真面目な顔で祖母がポツリ。この時、私と妹はテレビよりも祖母が面白くて仕方なくなっていました。口はなんとか閉じていられましたが、肩が小刻みに震えます。

母が真っ青な顔で、

「そこまでしなくても大丈夫です!」

と止めますが、

「宇宙人が襲撃してきたらどうするんだい!」

と電話へ突進、頭を抱える母を無視して110番通報。

この時の母はかなり怒っていて「みっともない、はずかしい」を小声で祖母に聞こえないよう呟いていました。

警察がまともに取り合わず、祖母が激怒するに違いないと母はハラハラしていたのですが、祖母は一向に怒り狂いません。

しばらく警察と仲良く話して電話を切った祖母にどうだったか聞くと、

「よく通報してくれましたと感謝されたよ!」

とご満悦の様子。警察は祖母の話を馬鹿にせず神対応をしてくれたのです。

空に浮かぶ楕円の光は少し離れた先にできた商業施設のライトアップでした。その施設ができてから「UFOが出た」との通報が多く寄せられるようになったのだと詳しく教えてくれたそうです。最後には

「皆さんの通報は本当に助かっています」

とまで言ってくれたのだとか。日本の警察って優しいですね。

祖母以外にもUFOと勘違いした人は多かったと聞き、子ども心に大人は意外と気軽に警察に電話をすることを学びました。

本当はもっと書きたい


実は、もっと「#なんのはなしですか」的な祖母エピソードを披露したいのですが、ここまでで2500字を超えてしまったため、今日は宇宙人だけで終わりにします。また「祖母・○○編」で#創作大賞2024に挑戦したいです♪

「祖母・○○編」シリーズはこちら👇


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