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これはハムスター

昔、飼っていたハムスターの似顔絵を描いているうちに、こうなってしまった。

最初は妹が、ゲージをかじる口元をリアルに描いたらものすごい怖い絵になった。

2人で試行錯誤しているうちに、ハムスターのボッテリしているラインを強調した絵にすることで、このデザインに落ち着いた。

名前はねずみ様。

祖母にハムスターだと説明しても「ねずみ!けっ!ねずみ!」と呼ぶので、呼び捨てにされてもいいように「様」をつけたのだ。

妹がどうしても欲しくて友達から預かったと嘘をついてまで買ってきたゴールデンハムスター。

フワフワとした丸い体でゲージにぶら下がり、レタスやイモ類をウットリさせて食べる姿に、妹の嘘は自然と許された。

なんでも食べるので、喜ぶ顔が見たくて鰻をあげたことがある。

食べた直後、ケージの端から端までジャンプした。

あの時は鰻の威力ってすごいね、と喜んでいたが、今思うと酷い食事内容だと思う。

ひまわりもペレットよりも食いつきがいいからと、餌箱いっぱいに入れて好きなだけ食べさせていたし。

今のハムスターの充実した飼育環境を見ると、なんて勉強不足だったんだろうと反省しか出てこない。

糞を口で取って捨てているのを見た時は、悲鳴を上げてやめさせようとした。でも短い手足では処理できないんだと、すぐにわかりその後は大声は出さなくなった。

トイレタイムに騒いで小さな体がストレスでいっぱいだったかもしれない。ごめんなさい。

3年くらい生きた。急に具合が悪くなりあっという間だった。夜寝ている時に鈴の音が聞こえたが、あれはお知らせだったのかもしれない。

2人で、ねずみ様を抱きかかえ泣いて別れを惜しんだのに、妹がすぐに2代目を買ってきた。

最初は、ねずみ様に失礼だと怒ったけれど華奢な体にメロメロになってしまった。

名前は「ねずみちゃま」

祖母は相変わらず「ねずみ!けっ!」だった。祖母はインコ派だからだ。

ねずみちゃまは最初から大人しく動きも少なかったせいか短命だった。母が子供に弱いハムスターを売るなんてと怒っていたが、昔はそんな店は沢山あった。

子ども一人で行ったこちらにも非はあることには触れず怒ったのはちょっと親バカな発言ではある。でも昔は今より子どもが一人で行動できる平和な時代だった。いや、無知ゆえに一人で行動させていたのかもしれない。

そのあともう1匹飼った。名前は「ヘラクレス」だ。強くたくましく生きて欲しかったから。確かに強くて、脱走もしまくった。逃げるたびに顔を青くして家中を探し回った。

でも可愛いから怒れない。途中から「ヘラクレチュ💖」に改名された。子供が知識もなく自己中心的に可愛がっていたが3年くらい生きた。

だが3匹で終わり。

ハムスターは愛らしい分、短い寿命がものすごいダメージとなって返ってくる。

今はSNSの大切にされているハムスターを見ることで心を慰めている。

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