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【#シロクマ文芸部3月】④お部屋でお花見

1カ月の全お題を使って一つの物語を作るチャレンジをしています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。今日はその4回目。

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桜色に染まるのは4月だったのに、最近は3月もお彼岸を過ぎるとそこかしこで桜が咲き始める。新生活を始める人々はスタートまでに桜が持つかどうかでやきもきしてしまう。

「ハ~ックション!」

季節の変化を手伝うこびとの花粉症はまだまだ続くらしい。春の準備をしにでかけようとしていたこびとが可愛いくしゃみを連発している。

「大丈夫?」
「ハ~ックション!クシュッ!」

突然ふわりと部屋に桜色が舞い始めた。窓の外にある桜の花が開き、ハラハラと入ってきたのだ。

「こびとのくしゃみって桜を呼ぶんだ」
「うん。くしゃみの回数でつぼみが段々ほころぶんだけど……」

そこまで話していたらハ~ックション!とまたくしゃみ。ハラハラと美しい桜色の花びらが部屋を舞い踊る。

「最近、くしゃみの回数が多くて桜の開花が早まっちゃって」

残念そうにこびとが言うので、

「でも早咲きの桜が部屋で見れたのはうれしいな。今日は外に行かないで家の中でお花見をしよう。外でくしゃみを桜に聞かせなければ少しは開花も送れるかも」
「お花見!素敵!いりいり菜の花弁当を作ってぇ」

こびとがぴょんぴょんと跳びはねた。こびとが笑ってくれるならいくらでもいりいり菜の花ご飯を作ってあげよう。

こびとの仕事はちょっとお休み。これで小学校の桜が入学式まで持つといいなと思いながら炒り卵を作りに台所に立った。

来週で3月のお話は終わりです。終わらせられるかな?なんとか頑張ります🙌

小牧幸助部長、今週もありがとうございました。

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