【#シロクマ文芸部3月】②花粉症のこびと
「シロクマ文芸部勝手にチャレンジ」3月の物語2回目です。
1回目はこちら👇
卒業の季節と花粉が重なり、春と風の関係を腹立たしく思う人間は多いだろう。こびとにとってもそれは同じで、卒業の季節を腹立たしく思うようだ。
「こびとも花粉症なんだ」
「そう」
真っ赤な目で鼻をかみながらうなずくこびと。小さいのでティッシュ1枚で10回は鼻をかめるのではないだろうか?
「辛いなら花粉が終わるまでは家でじっとしていなさいよ」
と言う。しかし、こびとは首を振った。
「だめ。仕事があるから」
「仕事?」
「季節を助けるのが仕事だから。卒業のシーズンに相応しい季節にしなくちゃいけないんだ。春と風との相性は最悪だけど、ガンバル!」
すっくと立ちあがり、こびとは窓から飛び出していった。
季節を助ける……?こびとの言葉を聞いて秋から冬になる支度の話を思い出した。こびとは季節に関わる仕事をしているのに花粉症かぁ。
こびとのためにフワフワのティッシュと花粉症に効くハーブティーを用意して、帰りを待つことにした。
春と風の影響をまともに受けている最中です。辛いですねよね、花粉。
こびとさんのお仕事、同情します。
こびとの冬支度のお話はこちら👇
小牧幸助部長、今週もありがとうございました。
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